猿投の森づくりの会・公式ブログ

猿投の森づくりの会は、公益社団法人 日本山岳会 東海支部内のグループです。愛知県瀬戸市と豊田市にまたがる猿投山の西麓の森で、森の保全や有効利用を目的に活動しています。

2010年05月

5/22定例作業日(雑木林)

快晴の中、午前中は、ⅡC1とⅡC3の整理伐後の照度測定を5名で実施しました。

昨年9月の整理伐前に測定した時と比較すると、照度は、平均値でⅡC1は465%、ⅡC3は722%とずいぶんアップしていました。
測定した季節が異なるので単純には比較出来ませんが、整理伐後、日も浅いので林床の変化は少ないですが、草本や木本の新芽が散見される状態になっています。
今後の変化が楽しみです。

 <整理伐地区の照度比較>
        
2009/9/8   2010/5/22   照度差   変化率
   ◆標準地
          MAX
86,800      91,700      4,900      106%
          MIN   
73,900      62,500     -11,400    85%
         AVE   
81,800     83,700     1,900      102%
   ◆ⅡC1
          MAX 
19,330      65,300    45,970      338%
         MIN  
1,880       2,190       310         116%
         平均 
6,125       28,482     22,357      465%
   ◆Ⅱco3
     MAX
19,680      94,900    75,220      482%
         MIN  
1,450       6,010       4,560       414%
         平均 
7,293       52,660     45,367      722%

午後は、カンアオイ保護10エリアのエリアNO表記板や、頑丈なエリア区画杭を作成しました。エリアNO1,2は表示板、杭の設置を完了しました。

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5/22 山路の森自然観察会の様子

山路の森自然観察会 第2回

テーマ: 新緑の雑木林で花を探そう

参加者: 8名 (子供2名)

今回はCOP10パ-トナ-シップ事業と予定日が重なった為1週間おくれて22日におこない、ヤマモモ広場から散策路に入って観察をしました。
子供達がアゲハチョウをつかまえ楽しそうに自然とふれあっていました。
タニウツギ、ツクバネウツギ、ベニバナコツクバネウツギ、コゴメウツギと山路の森はちようど、ウツキ゛の花盛りです。

その他に観察できた植物
ハリエンジュ、イヌザンショ、エゴノキ、ニガイチゴ、サルナシ、
ミズキ、ツタウルシ、イチャクソウ、クマイチゴ、など                                  
                                                
●ツクバネウツギ  (スイカズラ科)

ツクバネウツギとは花のところにつく5枚のがく片が、衝羽根に似ていることからこの名が付いたそうです。可愛いい花です。
山路の森では林縁に近い場所にあります。

●土柱

礫や砂からできる礫層が、風雨によって浸食されて柱状になったもので、山路の森に花崗岩の風化したまさ土が侵食されてできた小さな土柱がありました。小石を帽子にして、衝撃を与えたらすぐに壊れてしまいそうな自然の仕業です。

次回開催は6/19(土) テ-マは、初夏の山野草です。  
お気軽にご参加ください!

5/15(土)講演と監察会の様子

5月15日(土)に、「鳥は森を作り・森を育てる」と題して名城大学農学部の日野輝明教授をお招きし、講演会と観察会を開催しました。

先生は4月に名城大学に赴任されたばかりで、大変お忙しい中わずかな時間を見つけて
カラフルなしかもボリュームのある貴重な講演資料を提供して下さいました。
聴講者は約100名で、会場はほぼ満席となりました。

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講演内容は、以下の4パートに分けられ、鳥と植物(森)との関係(相互作用)について最新の研究課題も含めてわかり易く講義していただきました。
 ①鳥は果実を「食べて森を広げる
 ②鳥は蜜を吸って花を咲かせる
 ③鳥は虫を食べて木を育てる
 ④鳥は巣を作って森を変える
講演後の質問で「鳥がたくさん来る森はどんな森か?」に答えて、「森を多層化すること、特に藪を好む種もあることから、里山での森づくり手法で林床をクリーンな状態にすると、藪を好む種には適さない環境となる」とのことでした。

観察会では、先生から「鳥の声が聞こえてもなかなか姿が確認できないものです」
との説明を聞きながらも参加者は、熱心に鳴き声の主の鳥の姿を探して、動きのある鳥を同定する困難さを味わいました。

行程最後の開けた鉄塔の下ではしばらく留まり、鉄塔に飛来してくる鳥を双眼鏡で確認しながら歓声をあげ、時間の経過も忘れるほどでした。
皆、その場を立ち去りがたい思いを残して、観察会を終了しました。

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5/22定例作業日(人工林)

人工林グループでは、今季(21年10月~22年3月)は70本のスギ・ヒノキの間伐を行いました。
急斜面での作業でしたのでいささか苦労をしましたが、無事間伐を終わることができました。
間伐した木は細めで曲がりがあり、建築材には適していませんが、愛知県の技術専門学校で実習用に活用してくれることになり、林道まで搬出することになりました。
搬出する距離は120メートルほどですが、堰堤を2つ越える工程です。木と木の間にワイヤー(主索)を張り、材を吊り下げて索引します。材を索引する機械(「ひっぱりだこ」といいます)のワイヤーの長さが40メートルですので、中継点を3ヶ所設けて引き出します。
この作業は人工林グループとしては初めての作業です。

●杉・ヒノキの搬出作業(架線集材)の様子

約40mの主索ワイヤーを木から木に渡してから、ワイヤーをエンジンで引っ張るウインチ(ひっぱりだこPW350)と滑車を使って、木材の搬出を行いました。

ワイヤーの張り方、滑車の使い方等を勉強しました。

Cimg5973 ①玉掛けしました。

Dsc00732a ②引張り出すところです。

Cimg5977③あちら側に行きました。

Dsc00714a ④玉掛けワイヤーを外します。

1tを超える牽引機器での玉掛け作業を行う(就業者)には、資格が必要になります。
今回は、牽引機の能力は350kgで、ボランティアなので資格は必要ないですが、やはり危険が伴いますので、きちんとした知識・技術を習得する必要があるかもしれませんね。

5月11日~12日および5月22日までに60%程度の作業を終わりました。
次回の作業は5月29日(土)、30日(日)に予定しています。
興味のある方は是非見にきてください。

5/11定例作業日

小雨が降ったり止んだりする中、林道補修作業を実施しました。

林道途中の大曲に保管してある砂利をトラックで運搬して、林道の凸凹の激しいところを補修しました。
ゲートの外側が特に痛みが激しいので、そちらから手を着け何回も往復しながらの体力の要る作業でした。
午前中は5名、午後は、人工林GRの協力も得て実施し概ね補修を終えました。

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第三回ギフチョウ調査 報告

5/11、今回は定例作業と併せて調査を行いました。

前回の調査で産卵が確認された松林エリアに定点観測エリアを3名で2区画追加し調査しました。
これで定点観測エリアは、10区画となり、当分はこの10区画を数年に亘り継続調査をする予定です。
5/6の本調査並びに、この日と15日の補足調査の結果を総合した本年の産卵数調査結果は、後ほどまとめて報告します。

2010511_006

葉の裏をめくると幼虫がいました

第二回ギフチョウ調査 報告

5/6(木)、総計12名の方の参加を得てギフチョウの産卵数調査を実施しました。

予報では、曇りでしたが、幸い晴になり、気温も20度から25度と快適な気温で、虫の飛び交う様子も無く少しばかり汗ばむ中、エリア設定作業を進めました。

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午前中に10名の方の参加を得て、①小屋の前に10m×10mの区画を2区画(NO、1,2)、②ツガ広場に同サイズの区画を6区画(NO、3~8)設定しました。午後、蝶の専門家高橋さんの解説をお聴きした後、2人一組で各エリアのスズカカンアオイの株数、卵塊数別産卵数を調査しました。

結果は、8エリア内のスズカカンアオイ株数総数は、236株、産卵株数は残念ながらゼロでした。しかし、北歩道上の赤松林のエリアで、2株に3卵塊×1、6卵塊×1、9卵塊×1を発見しました。一葉2卵塊は、大変珍しいとの話でした。

P1080006 ※写真をクリックすると拡大します

2卵塊と判断するのは、写真のように、3卵塊と6卵塊との間がかなり離れているからとのことでした。このようになるのは、a:2頭のギフチョウが産んだのか、b:1頭のギフチョウが、例えば産卵中、外敵の危険を感じ、産卵を中断後、再度産卵したかどちらかであると、推定されるとのことでした。

本日の調査を概観してみると、カンアオイ株数が50株以上が3エリアでした。そのエリアに共通するのは、林床照度が明るく緩やかな南向きの傾斜エリアであること、株数が21以下の5エリアは、林床照度が低く、落ち葉が多いエリアでした。初めての調査で準備不足や、戸惑いがありました。例えば照度計計測によるスズカカンアオイ生育環境の適正照度の推定、スズカカンアオイのある位置の目印用品の準備、エリア内のスズカカンアオイを傷つけない繊細な心遣い、エリアセットテープと杭の永続的確保方法の工夫などが、今後の留意点です。
 調査を終えて、小屋に戻り整理をしているとき、大スズメバチの女王蜂?が、襲来してきました。

P1080008

話に聞いていたように黒ズボンが気になるようで、じーっと動かないでいるとようやく飛び去り大事に至りませんでしたが、1分近く黒ズボンの周りを飛び回っていました。

今後の予定は、今回産卵塊が見つかった赤松エリアに2区画定点観測エリアを追加設定し、5/11(火)に産卵数調査を実施し、定点観測エリアを10区画とする。秋から冬に、定点観測エリアの下草刈、間伐を実施します。

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