猿投の森づくりの会・公式ブログ

猿投の森づくりの会は、公益社団法人 日本山岳会 東海支部内のグループです。愛知県瀬戸市と豊田市にまたがる猿投山の西麓の森で、森の保全や有効利用を目的に活動しています。

2016年11月

法人会員ディの開催

28年11月26日(土)天候 晴れ
猿投山 全山紅葉の真っ盛りのなか 私たちの会を支えてくださる法人(企業、ロータリークラブなど)の方々と年一度の合同森づくり作業(間伐、除伐など)観察会(珍しい樹木、野草などの学習)が47名を迎え行われました。
  今年は同伴来場の幼児、小学生の皆さん向けに「葉っぱジャンケン」など森の自然の教材をつかった工作、遊びを楽しんでいただきました。なかでも会の自然観察会、竹田リーダーの作品「シュロの葉」で造形された本物そっくりの「バッタ(等身大)」が参加全員にプレゼントされ、大切そうにもって帰られる姿が印象的でした。一生の思い出となるでしょう。
  だから森に親しむ機会を、父兄ともども私たちスタッフも一層努力しなければ…決意をあらたにした次第です。
IMG_1012a参加者とスタッフ
参加の皆さんとスタッフ
DSCF1812枝切り
わたしもがんばってます!!
DSCF1815伐倒体験 
追い口切、そろそろ倒れます。
森の勉強s 
森の勉強
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整備後の森 


 

民有林整備活動報告

11月22日(火)上ノ山地内の民有林
参加者3名
少し寒さを感じる日でしたが、3名で作業をしました。住宅近くのそれほど大きくないカシ類を住宅に倒れないようにロープで牽引しての作業です。伐倒した木の整備も終わりました。また、稜線近くにある直径35センチのカシの木を伐倒しました。
 空間がある東側隣家の方向に少し傾斜し、隣家の庭に枝が張り出した大木です。安全を考えると難しい作業でした。まず、木の登って張り出した枝を3本落としました。それでも重心は隣家側にあるため、幹の傾斜を垂直になるまでチルホールで引っ張りながらの作業です。結果は予定方向よりやや上側となりましたが無事伐倒できました。残念ながら、人数が少なかったため作業途中の写真は撮れませんでした。
今日はこの木の処理完了まではできませんでしたが、安全対策を行って作業終了としました。
はじめての難しい作業でしたがよい体験ができました。Yさんの技術に感謝です。

民有林1122

住宅(倉庫)近くの低木を伐ってすっきりしました。 

第68回 山路の森定例観察会

日時   2016年11月19日(土)   天気 雨
テーマ  落ち葉の色彩
参加者  10名
コース 三又~北散策道~トイレ前ベンチ(落葉の同定)~三又

雨の観察会となりました、色とりどりの葉がびっしりと落葉して散策道に敷き詰められ しっとりとした美しさがありました。
色付いた葉を見ると同じ黄色系の色でも鮮やかな黄色はタカノツメ白みがかった黄色はコシアブラなどと遠くから見ても違いがはっきり分かります。見づらかった大木も落葉でこんなところにケケンポナシ、黒ずんだ落葉はミズキと,この時期ならでは気づきがありました。
参加者の方がミズキの落ち葉に小さなカメムシを見つけました。背に黄色い紋が見え、その場では、エサキモンキツノカメムシとしましたが、写真をよくよく見ると黄色い紋は上に切れ込みがなくハート形ではないです。前胸背(頭と紋の間)がエサキモンキツノカメムシは茶色ということで 【モンキツノカメムシ】と訂正します。後にも先にも この雨の中 鳥や昆虫を見たのは このカメムシだけでした。
小雨だった雨は しばらくすると樹幹を伝って流れるほどの本降りとなり、参加者のビニール傘には様々な落葉柄ができました。
拾ってきた落ち葉を並べ参加者全員で順に同定をしていきました。
雨に濡れ 冷えてきましたので 早目の散会としました。
【同定した落ち葉】
シロモジ イロハモミジ ケケンポナシ ミズキ コシアブラ タカノツメ アカシデ タムシバ コアジサイ オオカメノキ アマヅル ガンピ ヤマボウシ アカメガシワ ウラジロマタタビ ナツツバキ アオハダ アベマキ コナラ ヤブムラサキ カキノキ ウリカエデ ヤマザクラ ウワミズザクラ アオハダ ウラジロノキ エゴノキ ヒメコウゾ ムラサキシキブ マルバアオダモ ツクバネ マツブサ タニウツギ等
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モンキツノカメムシ
モンキツノカメムシ
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定例作業報告

東大演習林作業
2016
1115日(火)曇り

参加者3名  

 今日は、東大演習林での今年度最初の間伐実施日です。明け方まで雨が降り作業環境が良くないと判断し、午前中の作業を止め、12時集合、12時半からの作業としました。朝方には雨も止んでいたので、伐倒した時に雨雫が落ちてくるということもなく、通常の作業環境でした。この現場は道路に沿って広がる、比較的平坦な部分と、それに連なる山の傾斜部分とで構成されています。端から端までは、お互い大きな声をかければ話が通じる程度の広さです。安全な距離位置で3手に分かれて作業を開始。スタートがいつもより遅かったので、終わりの時間を1時間ほど伸ばしました。合計13本間伐しました。途中東京大学と書かれたヘルメットを被った先生が来られ間伐材のことなど雑談を交わしました。

森の探検隊2016

平成28年11月12日(土)晴れ  好天に恵まれ、さほど寒くない中で活動することが出来ました。  森は、シロモジが黄葉し、カエデも赤く色づいて、園児たちを迎い入れてくれました。  今回の参加者数は、園児42名、小学校定学年14名、保護者41名、引率職員8名の合計105名、森の会のスタッフは、11名でした。   
 小川代表からの歓迎挨拶の後、参加者は、2グループに分かれて集合写真を撮影しました。  写真撮影後、森の探検隊プルグラムのクラフト体験、森の体験(ネーチャービンゴ)を実施しました。  
 参加者は、クラフトとビンゴを交互に体験し、クラフトでは木切れでそれぞれ個性ある工作をしていました。  ネーチャービンゴでは、「いい臭いの葉っぱ」をスッタフがタムシバの葉を揉んんで嗅がせると園児が「あ!ほんとだいい臭い!」と声をあげ、ビンゴカードに〇を付けていました。  事故もなく昼食を陽だまりでとって、13時30分に園児たちがスタッフに「ありがとうございました」とあいさつして散会となり、帰途につきました。
 スタッフの皆様ご苦労様でした。
 IMG_4529歓迎s
 歓迎挨拶
IMG_4565tori sIMG_4596クラフト s
ネーチャービンゴ        クラフトづくり
ビンゴカード_01tori


 

山桜フィールド活動

 (炭焼き)
11月5日(土) 快晴
参加者 6名
 9月は天候不順で雨が多く、10月は森の音楽祭の準備に追われ、山桜フィールドでは久しぶりの顔合わせでした。
 いつも煙に燻されての炭焼きばかりでは淋しいので、今回は「食欲の秋・味覚の秋」満載デーで楽しみました。炭火で焼いたジュージューの秋刀魚の味は格別!!里芋・ぎんなん・さつま芋のホイル包み焼きをアチチと頬張り、最後は柿のデザートで秋を満喫しました。さて、本題の炭焼きですが、オイル缶窯・ドラム缶窯とも竹材では、まずまずの出来になって来ましたが、林内のスギやリョウブ材では苦戦が続いています。材により違って来るため、ドラフト現象や空気口を閉じるタイミングとか、まだまだ模索中です。花炭は上手く出来る様になって来ました。
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定例作業報告

2016118日(火)曇り後雨
「雑木林グループ」 作業者11名
11月12日(土)予定の『森の探検隊(幼稚園児対象)』エリアの設定と整備を行い、また、法人デーエリアの枯死木の伐倒と林内整理を実施した。昼食後は、雨も降りだしたため、作業エリア内の植生の確認を行い作業を終了しました。観察道脇のリンドウやセンブリの花を愛で、コナラの切り株にできたキノコ、赤い実だけになったミヤマガマズミやカマツカに話を弾ませ現場を後にしました 。
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「人工林グループ」 作業者7名
 午前中は林道の整備を行いました。水場からS字カーブを経て上の方へおおよそ100〜200m程登ったあたりの、側溝や斜溝に満杯に溜まっている土砂を人力で排除しました。予定より早く終わったので、6名で5次協定の間伐場所まで車で移動し、今年初めての間伐作業を開始しました。終盤2時ごろから小雨の中作業を進めました。5次協定の間伐場所は大曲下の人工林で、林道と小川に挟まれた細長い地域です。安全のため上と下の二手に分かれ途中昼食を挟んで作業をしました。林道と小川とは結構の高低差があるため、作業場所はかなりの勾配です。
 上手のグループでは、1、2本目のヒノキは予定通りの方向に倒すことができ、倒すときのあのドスンという快音を聞くことができました。3本目に間伐したヒノキ木はフジが絡みついていて、悪いことにその木の上端で隣の木の枝に乗移り絡んでいました。これはまずいなと思いつつも倒さなければなりません。案の定、手順通り受け口、追い口と進めても倒れません。上の方でフジのツルが隣の木の枝にしっかりと絡みつきびくともしません。ツルが外れないかなと木回しで何回もぐるぐる回してもゴムを回しているみたいです。いよいよ文明の利器の出番です。
 一方下手のグループでも、急斜面の場所で密接して立っているヒノキの間伐で、やはり掛かり木になり苦労しました。木回しを使ってもうまくいきません。最終的にロープで切断位置を遠くから横へ引っ張り、無事倒すことができました。ここの現場は、密生した同じような間伐対象の木があり、この先も同じような掛かり木が起こるだろうなと思います。 この日は合計8本程伐倒しました。今年度も、いろいろな場面に遭遇するだろうと思いますが、知恵と道具を使い、安全に第一に、楽しみながら間伐作業を進めていきたいと思います。
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第18回わいがや講座

2016年11月1日(火)
開催場所:尾張旭市新池交流館ふらっと
参加者 8名+講師
テーマ:「ギフチョウの現状
講 師:猿投の森づくりの会員・ かすがいギフチョウのすむ里山づくりの会 代表
     日本鱗翅学会 自然保護委員会東海支部長        高橋 匡司 氏
講義の内容
 ギフチョウの種類、分布域、生態、食性、置かれている環境、今後の取り組みなどについて、南山大学の江田教授の資料等を参考に詳しい説明がありました。
 日本にはヒメギフチョウとギフチョウの2種類のギフチョウがいて、本州中央部で東と西に棲み分けている。ヒメギフチョウは、日本以外にもロシアや朝鮮にも分布しているが、ギフチョウは日本だけに生育している。
 東海地方にはギフチョウが生息している。愛知県内では、尾張東部丘陵から豊田市にかけての地域と、岡崎から新城にかけての地域の二つの分布域に分けられる。生息地によって個体差があり、また食草が異なる。前者はスズカカンアオイを、後者はヒメカンアオイを食草としている。これらのカンアオイは毒素を持っていて、スズカカンアオイがヒメカンアオイよりも毒素が強い。ヒメカンアオイを食草としているギフチョウをスズカカンアオイの地域に持ってきても生存が困難である。
 ギフチョウは「春の女神」と言われ、またオオムラサキとともに「里山のシンボル」とも言われている。
 ギフチョウは、3月までは蛹で過ごし、4月になって成虫になり、スズカカンアオイの立ち上がっている新しい葉の裏側に8〜12個産卵する。時間が経つとスズカカンアオイの葉は水平に展開し伸長すると、卵は隠れた状態になり敵から身を守れる。1週間でふ化したあと幼虫は集団で過ごし、4回脱皮を繰り返し蛹になり冬を越す。蛹を見つけることは非常に困難である。
 ギフチョウは環境省のレッドデータブックに掲載されている絶滅危惧種である。愛知県では宅地造成による都市化、工業団地の進出、農薬散布などにより生育環境が悪化し激減している。海上の森での調査では、2001217頭、200285頭、200350頭、愛知万博後の2006年には3頭であった。愛知万博による開発は予定より狭まったがギフチョウの生息地は破壊された。また、人間が里山を必要としなくなったため、そこに適応していたギフチョウは住めなくなった。その結果20151頭、20160頭であった。
 成虫は、コバノミツバツツジ、スミレ、サクラなどの花を吸蜜する。
 猿投の森では現在生息が確認されていないが、食草であるスズカカンアオイが多数生育しており、コバノミツバツツジなど吸蜜源も豊富である。ギフチョウを呼び戻すためには下草刈りや間伐等により食草や吸蜜源が保存できる環境保全が必要である。ギフチョウの移動範囲はおおよそ1.5kmである。スズカカンアオイの生育を調査し地図にプロットするのもよい。
 今後の活動について活発な意見交換がされました。女性会員からは、今後もギフチョウの調査活動に参加したいという力強い発言がありました。ギフチョウの生態について色々と知ることができ大変勉強になりました。ありがとうございました。
 

 産卵中のギフチョウ
 ギフチョウ

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次回予定 12月6日(火)  1:30〜3:30  

テーマ:瀬戸の植生と森づくり

講 師:北岡 明彦 様

 豊田市役所 産業部森林課在職

場 所:尾張旭市 新池交流館ふらっと

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