猿投の森づくりの会・公式ブログ

猿投の森づくりの会は、公益社団法人 日本山岳会 東海支部内のグループです。愛知県瀬戸市と豊田市にまたがる猿投山の西麓の森で、森の保全や有効利用を目的に活動しています。

2016年12月

定例作業報告

2016年納会1217日(土)
参加者26
 毎月の第4土曜日に定例作業をしていますが、年末なので1週間前に変更して仕事納めをしました。
 当日は曇りで寒い日になりました。火にあたり、暖を執ることはこの機会しかない生活になった事を、強く感じました。

 最初は先月のイベントの後始末、備品の棚卸、自然観察会、餅つきに別れて作業をしました。
 前日にトン汁、もち米の水溶き等の準備をしました。
 餅つきの回数を重ねてきた事もあり順調に進みました。
 昨年は30KGで8臼をつきましたが、今年は20KGと少なくしました。
 やはり餠を上手につく人、反す人は限られている感じがします。
 途中から子供さんも参加されて、なごやかにできました。
 参加した皆さんは、お腹いっぱい御餅を食べ、切り餅・大福もちをお土産に、大満足でした。
 また、沢山の差し入れをいただき、ありがとうございました。  DSCF4115

定例作業報告

東大演習林作業
20161220日(火)曇り

参加者7名 (人工林グループ)

 今回は、東大演習林での今年最後の間伐実施日です。と言っても今年2回目です。朝集合時間に駐車場に行くと、その家の所有者の家族Iさんがおられました。初対面でしたので挨拶し、日頃のご好意に謝意をお伝えしました。いつでもどうぞと、駐車場の利用を快諾していただきました。
 3チームに分かれて互いに離れた位置から作業を開始しました。久しぶりの作業でしたので、体が慣れていない、結構きついなと言いながらも、快い汗をかきながら作業を進め、40本伐採しました。
 終了時間が過ぎてもひたすら作業を続けられていたのは、チームの中で最も年上のお二人でした。お元気でなによりです。ご苦労様でした。 20161220東大演習林

第69回 山路の森定例観察会

  日時 2016年12月17日(土) 晴れのち曇り    
     参加者  13名
  テーマ  照葉樹
  コース  モモノキ広場→ カワセミコース→ 朴木平→  サルナシ湿地→ 古窯跡→ 
        ヤマモモ広場→ 林道→ 堰堤→ ヤマモモ広場・昼食・解散
         朝は「今年一番の寒さ」と言う気象予報士の言葉に、いつもより一枚多く着込んでやってきました。
         モモノキ広場は野鳥の混群が来ていてすでに11種も鳴き声を聞いたと教えて頂きました。
         森は木々の葉の落葉ですっかり明るくなっていました。
         今日のタイトルは 「照葉樹」 照葉樹とは光沢のある葉を持った木です。
         葉の表面がクチクラ層(角質の層)で発達した光沢の強い深緑色の葉を持つ樹木です。
         シイ類、カシ類、タブ類、ツバキ等です。
         目にした照葉樹は下記に名前を記しました。
         サルナシ湿地から北に上がると左側の岩の所にドロバチの巣がありました(雨に濡れない場所)
         3年ほど前、堰堤を造るために大きなカゴノキ(常緑広葉樹)が切られてしまいました。
         其れを思い出し、どうなっているかと、行ってみると立派に萌芽していました。
         素晴らしい生命力に一同感激しました。
         いつもは昼ご飯を食べると解散ですが、今日は森作りの人たちが1年の締めくくりに餅つきが行われていて、お誘いを受けて帰りに寄ってお餅を沢山食しました(大根おろし、あんこ、黄な粉)、漬物、豚汁、寒い日ではありましたが、身体も心も大変温まりました。
  今年もいろいろありがとうございました。
  来年もどうぞよろしくお願いいたします。
◇目にした照葉樹 (26種) ソヨゴ アラカシ ネズミモチ 
アオキ ヤマモモ サカキ ヒノキ ウラジロガシ ナワシログミ 
ヤブツバキ モッコク シキミ(蕾) ミヤマシキミ イヌツゲ アセビ ムベ  シロダモ ヒイラギ ヒサカキ シャシャンボ フユイチゴ 
テイカカズラ カゴノキ
◇野鳥(鳴き声も含む)(26種)  ヒヨドリ  アオジ  
シジュウカラ  メジロ  ウグイス  ウソ  エナガ 

ジョウビタキ  ソウシチョウ  ルリビタキ  コゲラ  シロハラ

PC170047ドロバチ巣 PC170051ツルアリドオシ実
ドロバチの巣     ツルアリドオシ
PC170053カゴノノキ PC170057ヤブムラサキ実
 カゴノキ       ヤブムラサキ  




 

東海自然歩道枯死木処理作業

 12月7日(水)晴れ
 初めての東海自然歩道整備を自然歩道のパトロール員・JAC東海支部員・猿投の森づくりの会員の総勢13人で行いました。幹線林道(東海自然歩道)から入る組と、奥から尾根に上がる道から入る組の2班に分かれて作業しました。
 伐倒作業は猿投の森づくりの会員が行い、JAC東海支部員は道具の運搬と、ハイカーの方の安全確保の仕事をして頂きました。直径の小さい枯死木は、日ごろからパトロールの方が処理していただいているため少なく、大径の松枯死木が多く、中には折れた枝が宙ぶらりんになっており危険なケースも多々ありました。作業では、全体的には掛り木もも少なく順調に進み、全部で60本伐倒処理することが出来ました。12月23日(金・祝日)も作業をする予定にしておりますが、事前情報では多くの人が参加してくれそうです。

DSCF1853カレマツ

第19回わいがや講座

2016年12月6日(火)
開催場所:尾張旭市新池交流館ふらっと
参加者 24名+講師
テーマ:「瀬戸の植生と、これからの森づくり
講 師:            とよた森林学校主任講師    北岡 明彦 様

講義の内容
(レジュメから)
Ⅰ 瀬戸の潜在自然植生
 ·   潜在自然植生は標高によって異なる。
 ·       概ね標高300m以下・・・シイーカシ林
 ·       概ね標高300m以上・・・モミーカシ林
 潜在自然林はどこでわかる
 ·       神社仏閣の森(鎮守の森)は長い間皆伐されることがないため、その地域本来の森林の姿(極相林)を垣間見ることができる。
(例)定光寺、雲興寺、猿投神社東の宮など
Ⅲ 瀬戸の現植生
 1   瀬戸市〜東濃地方にかけては「日本三大ハゲ山地帯」の一つとされ、明治時代には広大なハゲ山が広がっていた。明治時代以降、多くの経費と時間をかけて植林活動を続けた結果、現代では緑が回復した。

 2        瀬戸市の地質は庄内川沿いの中生代チャートとそれ以外の地域の花崗岩に大別され、植生も大きく異なる。
 3        花崗岩地帯(風化土は貧栄養で固着性が低く水はけが良すぎるのが特徴)では平安時代から焼き物の産地として森林の過剰利用が続き、ハゲ山が広がった。
 4        ハゲ山地帯の沢沿いには東海地方固有湿地が発達し、そこにはシデコブシやシラタマホシクサなどの東海丘陵要素植物が豊産することが注目される。
 5        潜在自然植生はシイーカシ林とモミーカシ林であるがほとんど消滅し、各地の鎮守の森でわずかに見られるに過ぎない。
 6        現植生はアカマツ林、コナラーアベマキ林、スギーヒノキ人工林が多く見られる。しかし、植生遷移の進行に伴い、アカマツ林はコナラーアベマキ林に、コナラーアベマキ林はシイーカシ林に順調に遷移しつつある。これは、植生遷移の終着点で原生林の姿でもある極相林に近づいている証拠である。

(講話のメモから・・・聞き間違いがあるかも知れません)

       矢作川の左岸と右岸とではカンアオイの種類が異なる。右岸はスズカカンアオイ、左岸はヒメカンアオイが分布している。アリにより種子が運ばれ優勢のスズカカンアオイがヒメカンアオイを淘汰してきたが矢作川を越えることができなかった。
 
        一本木を切ることは命を断つこと。自然への畏怖を思いながら手を加えること。
 
    本来の植生=潜在自然植生(原生林の姿)

         他の地域から持ってきて植えることは、やってはいけない。
 
   ツブラジイ〜ツクバネガシ林には、ヤブニッケイ、カラタチバナ、ヒイラギ、リンボク、タマミズキ、ムヨウランなどの随伴種が生育する。これらも含めた森林として考えることが重要。

   ヤマザクラの野生寿命100から150年。200年は生きない。ヤマザクラの実生苗はない。カスミザクラの実生苗は多い。

   豊田市の山地帯と丘陵地の植生遷移の模式図2枚を参考に、森の一生の説明があった。瀬戸の植生遷移はこれらの模式図の中間、両方の要素が重なる。

         森は800年かけて裸の状態から原生林までゆっくり動いている。森林の一生は800年、人間の一生は80年。森林を観察するには、人間の尺度ではなく、森林の尺度で眺める必要がある。

   コナラの実から育てるには皆伐する必要がある。(親木の下に実生苗は育たない)

    針広混交林は目指しているがまだ実現していない。2−3年ごとに30%ずつ切るか巻枯らし間伐する。

   ギフチョウは人間が森林を適切に利用することによって増えた。(薪炭林や原木林として利用させてもらってきた結果として、落葉広葉樹林が成立し、そこに多くの動植物が生きてきた。)

   ギフチョウの減少の一番の原因は採集(高値で売れる)である。
わいがや講座
 

   最後に小川代表から絶賛の声で締めくくりがありました。貴重な話をありがとうございました。模式図を念頭に今後勉強していきます。

     加藤委員長、企画ありがとうございました。

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次回予定 2月7日(火)  1:30〜3:30  

テーマ:外来種

講 師:小 川 様  (愛知県 環境課)

場 所:尾張旭市 新池交流館ふらっと

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山桜フィールド活動

炭焼き
12月3日(土)
参加者  3名
 前回作業で取った炭材の竹を炭焼き窯まで3往復して竹を米袋に一杯入れた袋12袋を背負子に積み運びました。竹のイメージ軽く感じますが、米袋2袋は中々持てなくて結構大変でした。帰りには太ももの後ろが貼ってしまいました。

午前中は殆ど竹を運ぶだけになりました。

 昼はトウモロコシの焼いたもの、蒸したものをテストをして、里芋、ぎんなを食べました。昼から前回炭作りをしたドラム缶を開けました。前々回の炭作りの時間を30分短くしましたが、全体的に上は消し炭、下は木と同じですが、少し木になっている部分が多い気がします。ヒノキ・スギノキは炭には難しい木かもしれません。

 松ぼっくりを花炭に7個しました。せんべいのカンで花炭にしましたが、全体的にはうまく出来ているいますが、少し変形している部分があり納得できない部分もあります。

猿投の森 秋景色 2016

 一日の最低気温が8度を割る頃になると、葉柄の付け根にコルク質の離層という組織がつくられ、養分を含んだ水分の行き来が遮断されます。低温になり葉緑素が分解されると、葉の中にもともとあったカロチノイド(黄色の色素)が目立って表れます。紅葉する葉では光合成で生産された糖分が光との反応でアントシアニン(赤色色素)に変わり紅葉します。

 最低気温が5度を割る頃に紅葉が一段と進むといわれます。暖かい日の後に気温が急に8度以下に下がると離層もいっきに出来るため見事な紅葉が楽しめるのですが、
 今年の秋は暖かく離層ができるのが緩やかなため、光合成された糖分は幹に取り込まれてしまったため、葉の中に糖分が残り少なく綺麗な紅葉になってくれません。
今年の紅葉の写真は見事な黄葉ですが、黄葉の中にはウリカエデが沢山あります。ウリカエデの黄葉は、赤や黄色が入り交ざる錦色になりますが、今年は殆んどの木が黄葉ばかりです。赤色の葉は、いまひとつですが、タカノツメ、シロモジなどの黄葉は見事な写真が撮れたと思います。
 猿投の森の2016
年の秋景色を楽しんでください。

2016.11 鈴木治男)
第1管理道
DSCN9984第一管理道
RSCN0007第一管理道未整備RSCN9987整備済 第一管理道沿
未整備の沿線          整備済み沿線
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シャラノキコース
DSCN9991シャラノキコース

 DSCN9990シャラノキコースDSCN9995シャラノキ
DSCN9992シャラノキ 川沿い
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ヤマモモ広場
DSCN9994
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アジサイコース
DSCN9983アジサイコースs
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北歩道
DSCN9997北歩道DSCN9999北歩道
ツガ広場
DSCN9998ツガ広場
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人工林 トイレ下
 DSCN9996トイレ下人工林
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RSCN0008 エサキモンキツノカメムシDSCN9989リンドウ 朴木 
エサキモンキツノカメムシ           リンドウ

 







 

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