猿投の森づくりの会・公式ブログ

猿投の森づくりの会は、公益社団法人 日本山岳会 東海支部内のグループです。愛知県瀬戸市と豊田市にまたがる猿投山の西麓の森で、森の保全や有効利用を目的に活動しています。

2017年07月

定例作業報告

7月22日(土)晴れ
参加者 17名
 台風3号での降雨により、やまじの森幹線林道の路面が荒れ、また側溝に土砂が詰まった状況になっていました。今回は、総勢で林道整備を行いました。
 作業班を① 土嚢づくり・運搬班(人工林グループ主体)7名、② トイレ下からの側溝及び横断溝(グレーチング掃除)の排土作業班(雑木林グループ主体)10名に分けて作業しました。
 下界よりは気温は少し低いものの、側溝に入っての排土作業は、5分もしないうちに、汗がぽたぽた落ちて熱中症寸前の感覚でした、大事に至らぬようこまめに給水し、作業に当たりました。
 側溝排土は、トイレ下から第二管理道入口(水場上)まで完了しました。
 今回の定例作業日から9月第2火曜日まで、午前中の作業となり、午後は、例年どおり「緑陰講座」の日程となりました。
DSCF2211定例林道整備
DSCF2218排土作業
土嚢づくり・運搬班(人工林グループ)参加者7名
 前回7月11日(火)は、台風3号の影響による被害調査を実施するとともに林道修復のための土嚢づくりを行いましたが、今回は、追加の土嚢づくりと林道の修復作業を実施しました。
 まず、Hさんが、前回作った土嚢を三又左の方向林道が川をまたいでいる箇所へ運び、そこの道路の修復作業とともに、林道より上流側の川を埋め尽くしていた土砂と、林道を貫通している土管の中の土砂の除去を、雑木林Gと一緒に行い、川の流れを元どおりに修復したとのこと。林道上流側を埋め尽くしていた土砂の量は半端なものではありませんでしたので、それを聞いた時はよくやったな〜と感心しました。
 一方、追加の土嚢づくりをKさんら4人で行いました。非常に暑かったため、こまめに休憩と水分の補給をしながら、準備していた100枚の土嚢袋の詰め込み作業を行ない、そのあと土嚢での道路修復にまわりました。他方、土嚢の運搬はYさん運転の軽トラックを使い2人で行ないました。林道の窪みが酷いところは土嚢だけでは対応できないため、丸太を運んできて窪みの中に入れたあと土嚢で固めました。
 午前中2時間の作業でそれなりの成果はありましたが、まだまだ修復すべき箇所は残っており、今後も土嚢づくりと林道の修復作業が必要です。
P1010001

民有林整備活動報告

7月18日(火)上ノ山地内の民有林整備

  参加者 6名
 民有林整備について、伐る木を減らしたいとの相談があり、打ち合わせに結果その意向に沿うこととしました。

今日は、ヒノキと住居側にはみ出しているカシの木の枝をカットしました。カシの木については樹に登っての作業であり、いささか注意が必要であり、相当な時間を必要としました。

カシの木の枝はらいは主としてYY氏とMM氏に担当してもらい、懸命な作業のお蔭で無事終了しました。YY氏、KS氏とGS氏にはヒノキの伐倒を担当してもらいました。

WT氏には住居横のカシ・サザンカの伐倒を担当してもらいました。樹が固くてこずりましたがこれも無事終わりました。

今日は天気もよく、日照りの場所での作業は大変でした。大変お疲れ様でした。
 なお、8月~10月の整備は休みとし、11月から再開します。

201707民有林1
安全のためチルホールをかけて牽引しました
201707民有林2
                              伐倒した切り株です 
年輪が良く詰まっていて 良い木です

 

第76回山路の森定例観察会報告

日時  平成29年7月15日(土)    天気 晴れ
テーマ 夏の野草
参加者 18名
観察コース ヤマモモ広場→林道を三叉広場→ヤマモモ広場
 梅雨のさなかの観察会です。九州北部では記録的な豪雨にみまわれ多くの被害が出ています。今週には東海地方でも五条川が氾濫しました。「いまだ経験したことのない大雨」。異常気象が異常でなくなってきています。これ以上の被害が出ないことを祈ります。
   猿投の森の中は、一段と緑が濃くなってきました。今日はヤマモモ広場から林道を三叉広場まで往復しました。これから秋に向けて次々と花が咲きます。今の時期は秋の花までの合間で花が少ないかなと思っていましたが、いろいろ咲きはじめていました。林道の両脇にはコアジサイの花殻の緑がきれいです。ヒヨドリバナの株も増えてきました。秋にアサギマダラが吸蜜にきてくれるでしょうか。
 ヤマアジサイはそろそろ終わりですが、まだ装飾花を上に向けているものもありました。ハエドクソウの目立たない白い花が満開です。
 大まがりのオオバウマノスズクサの実は5㎝ほどの楕円形の実をつけていました。まだ緑色です。
 4日前の下見の時に、積んであった砂利の上に何かの卵が3個あるのを作業中の森の会の方が発見しました。長さ1㎝くらいの楕円形の乳白色の弾力のある卵です。たぶんカナヘビの卵だろうとのことですが、この強い夏の日差しを浴びて大丈夫かな。カナヘビの卵だとしたら湿り気が必要とのこと。そして今日はその卵が見当たりませんでした。誰かが湿気のある木陰に移してくれたのかも。無事に孵化するといいのですが。
 ナツツバキは白い小型の花を咲かせていました。一日花で木の下には落ちたばかりの花が一面に敷き詰められていました。
 三叉広場周辺には、オカトラノオ、ムラサキニガナ、チダケサシが咲きはじめていました。アケボノソウは小川が増水した時に流されたのでしょうか、場所を変えて3本健在です。ミカワショウマも葉が繁ってきました。
 この暑い夏に咲く花、この夏を乗り切って秋の出番を待っている花たち、どちらもたくましく、エネルギーを感じます。

○観察した主なもの
 コクラン ドクダミ🌸 コアジサイ ノギラン(蕾) ヒヨドリバナ(蕾) シュウブンソウ マツカゼソウ ハエドクソウ🌸 ヤマアジサイ🌸 オトコエシ アマヅル ヒメジョオン アキノタムラソウ🌸 コウヤザサ チダケサシ🌸 ミカワショウマ オカトラノオ🌸 ダイコンソウ🌸 ヨウシュヤマゴボウ アケボノソウ ナツツバキ🌸 ネムノキ🌸 バイカツツジ🌸

○鳥の声
 センダイムシクイ ヒヨドリ メジロ アオゲラ サンショウクイ ヤマガラ ソウシチョウ ウグイス オオルリ コゲラ シジュウカラ クロツグミ エナガ サンコウチョウ イカル ホトトギス

オオバウマノスズクサの実
オオバスズクサの実
オカトラノオ
オカトラノオ
ナツツバキ2
ナツツバキ
ムラサキニガナ
ムラサキニガナ

定例作業報告

7月11日(火)晴れ 参加者15名
雑木林G
作業者:7名。
作業概要:薄日の中、サルナシ湿地のアシ刈りとホウノキ平および1号管理道脇の笹刈りを実施しました。木道に覆いかぶさっていたアシはなくなり、木道の右にはエゴノキの実、左にはサルナシの実を観察することができるようになりました。
 林内の笹刈りを行なった結果、ホウノキ平では、「トンボソウ」のすらりとした姿を、管理道脇では「ウスノキの赤い実」を見ることができ、甘酸っぱ い味がしました。
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サルナシ湿地 葦刈り前
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サルナシ湿地 葦刈り後
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ホウノキ平 笹刈り前
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ホウノキ平 笹刈り後
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サルナシの実
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ウスノキの実

人工林G
参加者6名
 朝礼で、大雨の後林道脇の土手が崩れているという情報があり、枯死木の状況も確認しながら三又までゆっくり車を走らせた。大雨による流水のため林道のあちこちで凹みができていた。土手の崩壊も小規模ではあるが数カ所確認できたが車の通行は可能であった。
 三又から左の方向に進んでいくと、林道が川をまたいでいる箇所では、川の林道上側は、そこでせき止められ土砂で埋まっていた。道路下を貫通している土管入り口部分は砂の中に埋もれ、川水は道路の上を流れて川下へ流れ込んでいた。この時の川の流れは少なかったが、流量が多くなると氾濫し道路が川のようになるであろう。応急的に土嚢を積んで、川下の方へ導かれるようにする必要がある。その位置からさらに上の方、新しく修復された堰堤のところまで確認したが特に異常はなかった
 三又から右の方に進むと、50m位行ったところで直径が50〜60m位のアカマツの倒木が林道を塞いでいた。右手土手の上にあった枯れたアカマツが今度の雨風で高さ7〜8m程のところで折れ、折れた先の10m程が急斜面の方向へ倒れ、先の部分が林道に覆いかぶさっていた。
 倒木処理グループと、土嚢を作るグループの二手に分かれた。倒木を処理するグループは、チェーンソーを使い倒木をだるま落としで処理し、丸太切りのあと林道横に集積した。そのあと枯れて立ったままの残りの部分のアカマツを伐倒した。この倒したあとのアカマツを処理するときに、枯れたアカマツノの樹皮が剥がれたが、その中にたくさんの虫がいた。この倒木の周りには倒れたら林道にかかるだろう危険なアカマツの枯死木がまだ2本残ってり処理が必要である。
 土嚢作成ブループは、土嚢袋をやまじ小舎に取りに行き、大曲に積んであった砂利を利用して土嚢づくりを開始した。この砂利は以前県の方から使っていいと言われていたもの。倒木処理グループも合流し土嚢袋が底をつくまで、おおよそ80個位の土嚢を作った。
 残りの時間は委員長から依頼のあったゲートより外側、市道脇にある枯死木の処理に向かった。しかしこのアカマツはまだ枯れていなかったので伐倒はやめた。ただその道路反対側にはアカマツの枯れたのが3本あり、通行人に対し危険であるのがわかった。ただそれはD学園の所有地であり無断で切ることはできないため、電話で確認をとった。担当の方が不在であったが、夕方電話があり伐倒の許可と依頼を受け、この夏の間に処理することとした。ただし、切る前と切った後の写真の送信を依頼された。
 今後の予定としては、道路と土手の応急的処理、および枯死木の処理が必要だが、前者については仕事の分量から全体で処理する必要があろう。





              

わいがや講座

2017年7月4日(火)
開催場所:尾張旭市新池交流館ふらっと
参加者 10名
テーマ:「自然観察から見た猿投山」
講 師:竹田 義彦 様

講義の概要

1.自然観察会の推移
 山路の森で自然観察会を始めてから6年が経ち7年目に入った。当初は2〜3名の参加者であったが、今では15〜20名程の参加者があり月1回の会として成り立っている。

2.当初はたくさんの種類が観察できたが最近極端に減少しているものがある。山路の森で今までに観察された山野草はリスト(174種類)のとおりであるが、そのうち特に次のものが少なくなっている。
ミズタマソウ、イチャクソウ、オオバウマノスズクサ(ジャコウアゲハの食草)、オトコエシ、ツルニンジン、センニンソウ、アキノキリンソウ、シユウブンソウ、ワレモコウ、オオヒキヨモギ(絶えた?)、アキチョウジ、シマジタムラソウ、カキドオシ、ゲンノショウコ(赤花)、マツカゼソウ、ササユリ、ミヤマナルコユリ、ホウチャクソウ、トリアシショウマ、シュンラン、オオバノトンボソウ、フデリンドウ、アケボノソウ、カキノハグサ、ヒメハギ
3.減少の原因として、人間の活動によって多くがなくなっている。
下草刈りは時期を見て行うのが良い。きれいに刈り過ぎるといっぺんになくなる。
4.山野草は生態系の中で大事な役目をしている。

5.鳥は34種類が観察された。その他チョウ、トンボ、ヘビ、カモシカ、タヌキ等が観察されている。

6.猿投の森の古窯について、その歴史、地理、種類等について説明があった。
 黄瀬戸、志野、織部、瀬戸黒などの桃山期の焼き物の多くを産み出したのは瀬戸ではなく美濃が中心であった。
 名古屋考古学研究室によって瀬戸古窯の分布、発掘調査が行われた。その分布図の説明があった。
7.猿投山の地質・花崗岩について説明があった。
 猿投山の地質は中世代白亜紀の末期に形成された花崗岩が基礎になっている。猿投山北断層を境として南側の伊奈川花崗岩、北側の苗木花崗岩に分かれる。他に猿投山には球状花崗岩がある。
 東山路地区では林道に沿って断層が通っている。

 意見交換のときに、山野草の存在する場所の調査を行ったらどうかとの提案があった。

IMG_0938170704わいがや講座
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