日 時 平成30年10月20日 (土) 天気 晴れ
テーマ 木の実・草のタネ
参加者 20名
コース 三叉→北歩道(古窯跡)→トイレ→三叉
三叉まで個々に車で移動し総勢20名の観察会となりました。そのうち初めての参加者が4名ありました。
これから季節は多くの植物にとって生育場所を広げる大切な時期です。動物の力を借りたり風の力を借りたり、重力でコロコロ転がったり思いっきり弾けたりと、少しでも遠くに広がるよう様々な工夫をしています。木の実、草のタネを観察しながらどのような種子散布を行っているかが今回のテーマです。
今回の観察会は、初心者向けの解説を先頭集団で行いました。三叉を少し直進したところにアケボノソウを1株だけ見つけることが出来、間近で花を観察することが出来ました。日当たりの良さそうな散策路脇にはセンボンヤリの閉鎖花がタネとなって群生していました。センボンヤリはムラサキタンポポとも言います。春には開放花として裏が紫、表は白色の花を咲かせます。タンポポのように綿毛のあるタネを付けますが薄っぺらで子実の充実していないものが多いです。秋にはもう一度蕾を付けますが開かないうちに自家受粉をして確実にタネを作ります。しかし同じ遺伝子を持ったクーロン化が進むこととなり、環境に適さなくなった時には、いちどに消滅するという危険性もあります。やまじの森でみられるその他の閉鎖花を持つものにはスミレ類、タツナミソウ類 キッコウハグマ ヒメハギなどがあります。
北歩道にはムラサキシキブとヤブムラサキが隣合わせにあります。ヤブムラサキ葉はビロードのような手触りです。紫色の実の半分を毛の多いガクに包まわれ下向き付けていました。古窯のほうに下りるとイナカギクが咲いていました。この葉もビロードの手触りです。秋の代表的な花のひとつのアキノキリンソウはイノシシの犠牲になっていましたが、何株かは黄色い可憐な花を見ることが出来ました。
トイレの近くでは植栽のナナカマドが赤い実を付け、ツクバネもたくさんの実を付けていました。ウラジロマタタビ(通称サルナシ)も実を付け食べ頃でした。三叉に近くではオオウラジロノキの実とウラジロノキの実が落ちていました。同じバラ科の裏白の木ですが葉や実はずいぶん違います。
下見の時に確認しておいた音楽祭の植樹祭会場の隅に咲いていたセンブリを観察しました。
最後に拾ってきた木の実などを並べて確認作業をしました。
歩きながら作ったというKさんの葉っぱのどんぐり雛はとても可愛くて思わず写真に収めました。
■ 観察できたもの
◆花 ガンクビソウ アケボノソウ コウヤボウキ ミヤマシキミ ツルリンドウ ヒヨドリバナ イナカギク アキノキリンソウ コメナモミ ハキダメギク ヤクシソウ アキチョウジ、ノガリヤス
◆実(タネ)シロモジ ツバキ ミヤマシキミ ナツフジ ツルリンドウ ヤブムラサキ オオウラジロノキ アオキ ツクバネ ササユリ サルナシ ヤマガキ クサギ ウラジロノキ オオウラジロノキ オオバヤシャブシ ウリカエデ ヤブコウジ ナナカマド チゴユリ ササクサ ミズヒキ
◆鳥 アオゲラ エバガ メジロ カケス ヒヨドリ コゲラ ヤマガラ トビ
木の実の色々
アケボノソウ
ドングリ雛
センブリ センボンヤリ
ミヤマシキミ ムラサキシキブ
オオウラジロノキの実