猿投の森づくりの会・公式ブログ

猿投の森づくりの会は、公益社団法人 日本山岳会 東海支部内のグループです。愛知県瀬戸市と豊田市にまたがる猿投山の西麓の森で、森の保全や有効利用を目的に活動しています。

2019年07月

第100回  やまじの森自然観察会報告

日時   令和元年7月20日(土)       天気 曇り

テーマ  夏の野草

参加者  15名

コース  ヤマモモ広場 ― 林道 ― 三叉広場 ― 堰堤上の橋手前 
―三叉広場― ヤマモモ広場


今回は記念すべき第100回の観察会です。
台風の影響で朝まで降っていた雨も幸い上がったので初参加2名を含む15名で
出発し、まずは林道脇のコクランを観察しました。黒蘭とはいえ花の色は暗紫
褐色、高山に咲く黒百合に似た色です。昨年は増えたと喜びましたが今年はイ
ノシシに荒らされたせいか2株だけが花を付けていました。
その近くで先月咲いていたイチヤクソウは株ごと掘り取られ姿を消してしまい
ました。これはイノシシではなく明らかに人間の仕業でとても残念なことです。
イチヤクソウの仲間は周囲の樹木の菌根菌と共生し、移植しても栽培は難しい
植物だそうです。

 アサギマダラが好きなヒヨドリバナがあちこちで咲き始めました。今年たくさ
んの花を咲かせた大曲のオオバウマノスズクサは緑色の実をぶら下げています。
近づいて探してみるとお目当てのジャコウアゲハの幼虫を発見、蛹は後ろ手に縛
られた女性の姿に見えることから怪談「皿屋敷」のお菊にちなんで『お菊虫』と
呼ばれます。成虫ともどもウマノスズクサの毒を体内に蓄積し捕食者から身を守
る術を身につけています。蝶たちが優雅にやまじの森を舞う姿が期待できます。

 道沿いの白く小さなハエドクソウの花は薄桃色を帯びて可愛いけれど、可愛く
ない名前はこの根を煮詰めた汁でハエ取り紙を作ったことで付けられたそうです
 皆さんは天井から茶色のハエ取り紙がぶら下がっている光景を知ってる世代で
しょうか?羽化したばかりでまだじっとしているヒグラシも見つけました。
 セミの鳴き声が聞こえる季節がやって来ました。

 三叉広場ではチダケサシ、ミカワショウマの花が盛りを迎えています。どちら
もよく似た白い円錐状の花ですが葉の形が違い、愛知県固有種のミカワショウマ
は先端が尖った卵形の葉が特徴的です。清流に映える満開の清楚な花を見ながら
川沿いを往復しました。

 三叉で昼食後、ヤマモモ広場まで雨にも会わずシダや樹木を観察しながら戻り、
やまじの森の自然を楽しむことができました。

【草の花】
コクラン、ネジバナ、ハエドクソウ、ダイコンソウ、ヘビイチゴ、
ヒメキンミズヒキ、ミズヒキ、ママコノシリヌグイ、ツルニガクサ、
アキノタムラソウ、ヒヨドリバナ、ガンクビソウ、サジガンクビソウ、
ムラサキニガナ、シラヤマギク(蕾)、ノギラン(蕾)、チダケサシ、
ミカワショウマ、オカトラノオ、ヨウシュヤマゴボウ、コウヤザサ

【木の花】
ヤマアジサイ、ノリウツギ、バイカツツジ

【鳥の声】
ヒヨドリ、サンコウチョウ、ヤマガラ、ハシブトガラス、
ホトトギス、メジロ、クロツグミ、ウグイス、ソウシチョウ、コゲラ、
イカル、エナガ、キビタキ、オオルリ、センダイムシクイ、サンショウクイ

オオバウマノスズクサの実ジャコウアゲハの幼虫
オオバウマノスズクサの実        ジャコウアゲハの幼虫
アキノタムラソウオカトラノオ
アキノタムラソウ           オカトラノオ
ヒメキンミズヒキミカワショウマ
ヒメキンミズヒキ            ミカワショウマ 
ハエドクソウコクラン
ハエドクソウ              コクラン
ムラサキニガナヒグラシ
ムラサキニガナ             ヒグラシ

東海自然歩道枯死木処理作業 後日談

2019年3月19日に会員が協力して、東海自然歩道の枯死木処理を行いました。
切株を加工したベンチに枯死木処理作業への御礼の札が掲示されていました。
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定例作業報告

雑木林グループ定例作業
7月8日(火曜日)天候 曇り時々晴 参加者 7名
 
アジサイコース未整備区域の第4日目作業に取り掛かりました。
採光条件改善のため過剰繁茂な常緑樹、生長劣勢木(傾斜木含む)
萌芽更新株の整理伐及び枯死木、ササ類の除去が中心となります。
 
この区域は3本の沢(水路)があり、やや過湿な土壌条件のため
過去、ハナアジサイが植栽されこの季節は大きな花をつけています。
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又、イノシシなどが体に寄生している虫を泥土水を利用した駆除を
行う蒐場(ぬたば)が数か所散見されます。 CIMG1272 s (2)

このコースは幹線林道に交差するまでコース道両側10m~20mの
整理伐を続ける計画です。
CIMG1270 s (2)

人工林グループ
参加者: 11名
 当初の予定では三叉南斜面のコナラの枯死木の伐採予定でしたが、前日の雨のため急斜面での作業は危険なため、Oさんから依頼のあった登山道での枯死木伐採に変更しました。
 二人は前回の北歩道の整備の続きを、残りはこの登山道の枯死木伐採を行いました。三叉を左に折れ川に沿って林道を進み、さらに山道に入って東大演習林を左手に見ながら坂を登り200mほど行ったところが現場です。重たい荷物で現場に着くころには息切れがするほどでした。ここは三、四年前の台風で数本の木が登山道を塞ぐようにして斜めに倒れたため、登山道には斜めになった木の下を通るように迂回路が作られていました。さらにその迂回路の脇には枯れて数年は経つと思われる危険なアカマツの大木が2本ありました。また、この場所から数十メートル下った登山道の脇にもアカマツやコナラの枯死木が3本、さらに下った所にも数本のアカマツなどの枯死木がありました。3箇所に分かれ合計十二、三本の枯死木を伐採しました。迂回路がつけられていた登山道は、本来の道が使えるようになるとともに、他の箇所も含め安全に登山できるようになりました。
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