猿投の森づくりの会・公式ブログ

猿投の森づくりの会は、公益社団法人 日本山岳会 東海支部内のグループです。愛知県瀬戸市と豊田市にまたがる猿投山の西麓の森で、森の保全や有効利用を目的に活動しています。

2020年06月

定例作業報告

6月27日(土) 天候 晴時々曇り 

雑木林グループ  参加者 14名

(午前の作業)

カワセミコース林道改修工事の二日目、完成を目指しリーダーYさんを中心に全員参加で取り組みました。

改修工事の全体像を描き、線引き、資材配置確認などを終え、杭材のヒノキ原木の伐採、高低差10mに及ぶ材の引き揚げ作業を進める傍ら、4名の女性参加者も加わりヒノキの皮剥ぎ作業を手際よく進めました。中心基礎杭配置、打ち込み、ボルト固定で午前作業を終えました。

(午後の作業)
 
杭打ち込み、歩道となる木道用丸太材の配置、段差調整をしながら既設側溝、路面となじむように繰り返し試しながら丸太を納めました。最後はヒノキ丸太材に滑り止めの刻み加工をして完了しました。 

(女性参加者の午後作業と研修)
 
Sさんのリーダーで1号管理道、アジサイ道、ヤマモモ道を歩きながら実地で「雑木林の調整伐の基本」を学びました。

 除伐する樹木の選定、活かす樹木の割合は、繁茂の旺盛な樹種の根から除去、日照条件と草本、木本の成長など多岐な亘りました。

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人工林グループ
参加者:6名
前回に続き第2管理道の枯死木等の整理伐を行いました。
この道路の山側斜面は急勾配になっているため、土砂崩れに伴い道路上に倒れかかり危険な生木が数か所にあり、その処理を行いました。
また他の斜面には道路に向かって倒れそうな枯死木が数本ありその処理を行いました。大きなものは直径が60cm超のアカマツ、75cm超のコナラなどです。
75cmのコナラにはツルが高さ20mの頂上まで覆い尽くし、あたかも枯れていないかのようでした。これらを倒すと周りが一気に明るくなりました。
道路上にイボタガの幼虫がまるくなっていました。
次回はさらに先に進み枯死木等の処理を行う予定です。
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イボタガの幼虫







109回 やまじの森観察会

令和2620日(土) 天気 晴れ

テーマ 水辺の植物 

参加者 23

コース ヤマモモ広場シャラノキコースサルナシ湿地第1管理道アジサイコースシラカシ広場・林道ヤマモモ広場

   新型コロナウイルスによる自粛のため3か月ぶりの観察会となりました。久しぶりにお会いする皆様はどなたもお元気で安心しました。

   ヤマモモ広場からシャラノキコースへ進むとナツツバキの花が落ちていました。ヒメシャラとともに高木で、落ちている花を見て開花を確認することができました。二つの花を並べると花の大きさで違いが分かりました。バイカツツジが葉の陰に隠れるように平開花を反り返らせて咲いていました。オオバノトンボソウもあちこちに数本見つけることができました。立ち上っても虫害なのか先枯れを起こすこと多いランです。ジガバチソウも茶色いタイプのものをみることができました。

   サルナシ湿地では今回のテーマの水辺の植物のオニスゲ、ミヤマシラスゲ、イ、ゴウソ等を観察しました。堰堤に砂が溜ったサルナシ湿地では、今ツルヨシが一面に繁茂しています。今年はそのツルヨシにクロコノマチョウの幼虫が多く発生していました。ヨシ原を歩くだけで数匹の幼虫がズボンに付くほどです。なかなかユニークな動物顔の幼虫に大いに盛り上がりました。終齢近いものや既に蛹になってしまったものまで、じっくり観察ができました。湿地の橋を渡ったところで休憩タイム、いつの間にか腕の所に大きなスズメガのペアが止まっていました。あとで調べてもらうとクチバスズメと分かりました。クシヒゲベニボタルのペアもその近くで観察でき今回は昆虫日和となりました。

    第一管理道からアジサイコースへ行く途中にササユリが咲いているという情報を戴いていましたが多くは散っていて一輪だけ遠目で観察、残念に思いながら林道に出たところで新鮮な香りたつササユリの花に出会えました。前日の雨でヤマアジサイの白がいっそう映えていました。いつも気にかけていたハンショウヅルはすでにタネになりつつあります。

   あまり派手な花もなく時間を持て余すのではないかと思われた今月の観察会でしたがクロコノマチョウ等の昆虫の出現で、いつもになく楽しい観察会となりました。

観察できたもの

花 オカトラノオ オオバノトンボソウ ジガバチソウ ササユリ バイカツツジ等

昆虫 クロコノマチョウ シロシタホタルガ クシヒゲベニボタル クチバスズメ シオカラトンボ ジャコウアゲハ等

鳥 キビタキ ヒヨドリ ウグイス ソウシチョウ コゲラ シジュウカラ ヤブサメ メジロ ヤマガラ サンショウクイ センダイムシクイ エナガ ホトトギス

クロコノマチョウ
クロコノマチョウ
クロコノマチョウ3クロコノマチョウ 蛹
クロコノマチョウ
クシヒゲベニボタル
クシヒゲベニボタル
クチバスズメ (3)
クチバスズメ
バイカツツジ 
バイカツツジ
ヤマアジサイ (2)
ヤマアジサイ
ハンショウヅル タネ
ハンショウヅル  タネ
オオバノトンボソウ
オオバノトンボソウ

 

定例作業報告

6月9日(火曜日) 天候晴時々曇り 
雑木林グループ
参加者 7名 
4月からの新年度の作業計画は大幅に遅れていますが、主要課題の
林道「カワセミコース沿いの整備」でも観察者、作業者の安全を優先し
路肩崩壊部分の改修に着手いたしました。
 
約10m長さに亘り、山側からの土砂崩壊が林道に連鎖をし、幅員が
1/2に欠落、約8m下の谷に落ち込む土留工作と通行路としての橋掛
けを行う計画です。
 
今日の作業はヒノキ4本を伐倒し用材確保に取り組みました。崩壊する
急斜面の作業で困難を極めましたが、通行路となる木橋部分の用材を
確保するにとどまり、杭材など副資材は次回作業日に持ち越しました。
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人工林G
参加者:8名
人工林グループの6人は、前回に引き続いて第2管理道沿いのアカマツやオオバヤシャブシなどの枯損木伐倒および整理伐を行いました。
前回やり残した道路の山側の崖上のアカマツの大木はチルホールも駆使しながら安全第一で伐倒作業を行いました。
また、管理道工事の谷側のヒノキ植林地の中にはヒノキの間を何度も湾曲して伸長したオオバヤシャブシが何本もあり、この除去には意外と手間取りましたが何とか無事に除去し、明るい空間となりました。
人工林グループの他の2人は、毎年恒例のA地区、B地区、C地区それぞれの基準木24本の胸高直径測定を実施しました。昨年に比較して胸高直径で0.2cmから0.6cm、平均で0.4cm大きくなっていました。
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令和2年度ハチトラップ設置結果報告

 6月9日(火)
 4月14日に設置したスズメバチのハチトラップを回収しましたので報告します。第一地区11ヶ所で179匹、第三地区5ヶ所で37匹を捕獲しました。
 一昨年(228)に次ぐ、216匹の多さでした。
 アジサイコースおよびそのコースから展望台に向かったトラップに多く入りましたが、森の整備をした部分であり、三叉の小屋跡付近では0匹と、トラップ周りの風の流れ などが関係しているのかなあと考えた次第です。
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オオスズメバチ・トラップ設置のまとめ            M・O 記
 猿投の森づくりの会では、県有林やまじの森の人工林、雑木林の間伐・除伐作業や林道、管理道、遊歩道等の整備作業を行っている。 

作業時にハチ刺されによる被害を少なくするために、2015年からハチトラップを約2ヶ月間設置している。 

令和2年は、昨年度と比べ一昨年に匹敵するスズメバチの捕獲数となった。今年の特徴としては、5月中旬のトラップ確認では、入ったばかりの生きたオオスズメバチを見ることができたが、回収時には生きたハチは見当たらず、ヨツボシモンシデムシと思われる虫が多く、その虫の活発な動きでスズメバチと見分けが付きにくいトラップもあった。

 スズメバチ以外の昆虫として、第1地区のアジサイ道脇②ではハナムグリの仲間が17匹、展望台登り口南③と展望カワセミ分岐⑤でシデムシ類が6~7匹みられた。また、シャラノキコース下⑨では生きたミヤマクワガタが1匹入っていた。第3地区の小屋跡③ではスズメバチの捕獲はなく、アリが多く入っていた。全般にトラップには、蛾やチョウも若干入っていた。

下表にカーソールを置き、左ダブルクリックすると表が拡大されます。
蜂トラップ2020 (2)

(1)第1地区:「山路の森」入口からヤマモモ広場に至るエリア
   第3地区:三叉路を中心としたエリア
(注2)「ハチ計」はオオスズメバチとその他のスズメバチを含めた数です。

***【トラップ設置】越冬した女王バチの営巣開始に合わせてハチトラップを設置し、夏から秋にかけて活動するスズメバチの増加を防ぐ***


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