水源の森の働きについて考えてみよう!

日時 令和2年1月25日(土)

場所 東大赤津研究林

講師 東大生態水文学研究所・澤田晴雄、井上淳

スタッフ6 

新しい年が明けて第2回目の講座は東京大学生態水文学研究所赤津研究林。この日の受講者は12名。先回の馬ケ城浄水場から4kmちょっとの至近距離にあり、この森の流域の水も赤津川の取水口から浄水場へ送られています。

まず会議室で講師の澤田先生からプロジェクターやリーフレットを使って、今ほど森が豊かなのはかつてなかったこと。100年前に県の依頼で、一面のはげ山であった森の緑化に向けた研究、直営による治山工事を含めた取組みの経過。林内の長期にわたる樹木相の移り変わりの調査によって、この60年間で広葉樹やヒノキの材積が著しく増えているのに対し、マツ科では大きく減少していることなどの説明を受けました。

そのあと実際に研究林の中を歩いて、1929年から90年にわたって継続的に森から流出する川の水量を観測している量水堰や、地形や植生の類似した隣り合う流域で森林の伐採による流出量の変化を観測する施設や、2000年の東海豪雨で崩壊した斜面と、その隣の似通った植生の谷で間伐をわざと遅らせ下草のない様子などについて説明を受けながら、たっぷり1時間半くらい歩いて観察しました。

標高差100mくらいの観察トレッキングの後は各自持参の弁当で講師の澤田先生、井上先生にも入ってもらい意見交換しながらのランチタイム。

アンケートでは「瀬戸の森の歴史を知ることができた」、「森を歩いて規模感や地質、木々を体感できた」、「実際の森を見ながらの説明をたくさん聞けて分かりやすかった」、「1922年からの砂防で今現在裸地面積率が下がった研究データをぜひ世界のはげ山の緑化に活用していただきたいと思った」などの感想が寄せられました。
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