3月9日(火) 晴れ
参加者:9名

午前は、なごや環境大学の講座「森林整備のサイクルを学ぶ間伐等体験会」、午後からは、定例の作業と次回実施予定のなごや環境大学「森の手入れ作業」の準備打ち合わせを行った。

 「間伐等体験会」は当初10名の参加者予定でしたが、あいにく事務局も入れて3名の参加者でした。とはいえスタッフは力を抜くことなくがんばり、また参加者の方もしっかりメモを取ったり、のこで受け口、追い口を作り伐ったり、ロープを引いてヒノキを倒したりと楽しんでいただきました。
 まず現場まで森の中を散策し自然観察、木々の説明、手入れされた森の説明等を行いました。次回の植樹体験予定地の、森を切り開き明るくなった場所で、コナラの稚樹を植樹するという計画を説明しました。そのあと人工林に入り、森林のしくみ、植生遷移、森林の効用、人工林での間伐の必要性、伐倒方法などを説明したあと、実際に間伐の体験をしてもらいました。ニホンカモシカのため糞とアオキの食餌跡も観察できた。
 大小2本のヒノキを伐倒しましたが、それらの胸高直径、樹高、年輪を測定してもらいました。
20210309人工林
樹木1、2とも樹齢と樹高はほとんど同じであるが、胸高直径については約1.7倍の違いがあり、同じ時期に植林されても日射の条件等でこんなに違いがあることを実感してもらいました。樹木1は形状比が80近辺で健全であるが、樹木2は144にもなり、ひょろひょろのもやし状態で、このような木はそのうち立ち枯れか強風で倒れる可能性があります。

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参加者の方からメールをいただきましたので、その一つをご紹介します。

私は事務局職員なので運営側としてお伺いしたのですが、皆さまの説明や間伐体験が楽しく、一参加者として講座を満喫させていただきました。
 自然観察では非常に丁寧に樹木の解説をしていただきました。解説を聞くまではただ何かの木が生えていると思っていただけでしたが、樹木の名前や特徴、どう生活と結びついているのか説明を受けることで、木の一本一本に意識が向き、それまでの何倍も自然を楽しむことができました。
 植樹についても事前に1年半もコナラを育てていたことや日を当てるために樹木を切り開いて場所を確保したこと等をご説明いただき、植樹に至るまでにどれほど準備や期間が必要なのかよく分かりました。
 間伐前には森林整備のサイクルについてご説明をいただきましたが、植物の多様性を保ちかつ人間にとって利用しやすい森林にするためには陽樹を中心とした森にする必要があることや人工林の手入れがされなくなった歴史的背景、間伐をすべき理由などを丁寧にご説明いただき、その後の間伐体験と合わせてよく理解することができました。
 その後、初めて間伐体験をさせていただきましたが、見るのと実際にやるのとでは大違いで、思ったようにノコギリを通すことができませんでしたが、皆さんのご指導のおかげで何とか伐倒することが出来ました。
 本日の講座は学んだ知識と体験が結びつくように組み立てをしていただいていたため、より深く森林整備について理解することができました。
 また、学んだことを実践できることや森林整備に少しでも関われたことに喜びを感じました。
私が一番講座を楽しんでいたかもしれません。なごや環境大学の事務局員としてぜひ若者にこの楽しさを体験してほしい、森林整備に興味を持ってほしいという気持ちが一層強くなりました。
 本当に皆さまの日々の活動には頭が下がる思いです。本日は貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。」

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