やまじの森 自然観察会

第92回やまじの森自然観察会報告

日時   平成30年11月17日(土) 天気   晴れ
 
テーマ  落ち葉の色彩
 
参加者  19名
 
コース  ヤマモモ広場 → 林道 → 1号管理道 → 朴ノ木平 → サルナシ湿地
      → シャラノキコース → ヤマモモ広場
 
 今回は定例観察会と兼ねて、なごや環境大学講座「猿投山で楽しく明るい森づくり!」 第1回"猿投山麓の森の魅力を歩いて体感しよう"が実施され、受講生6名(大人2,子供4)の参加がありました。
 まずリーダーから猿投山麓の森の成り立ち、森の役割、森と人との関係、猿投の森づくりの会の活動、森を歩く際の注意点等についての説明がありました。次に全員に落ち葉を入れる袋を配布し、子供4名には森の探検隊でも使用した折り紙の箱と海老フライを手渡し、それを弁当箱に見立てて独自のお弁当を作ることを提案して出発です。
 シラカシ広場前でヤブムラサキの実を観察し、葉のビロードのような手触りを体感しました。管理道入口のゲンノショウコは実の皮がはじけると祭りの御輿に似ているのでミコシグサとも呼ばれます。皆で探しました。フユイチゴの群生地では赤く色づいた実を何個もいただきました。林道にはシロモジやタカノツメ等の黄色系の葉、クリ、コナラ、アベマキ等の茶色系の葉が多いなか、オオカメノキの赤色は目を惹きます。ウリカエデの色づいた葉が風に舞っています。枝を揺すってたわわに実った種を飛ばしてみました。2個くっついていた種が1個ずつ離れると、くるくる回転しながら落ちていくのを見て楽しみました。次はコバノガマズミとミヤマガマズミの実を食べ比べてみて、その酸っぱさを実感しました。
 朴ノ木平には名前のとおりホオノキの大型の葉が散り敷いています。その葉でお面を作ったり、焦げ茶色のタワシのようなその実を見つけてきた子もいました。サルナシ湿地の階段脇にたくさん落ちていたオオウラジロノキの実はリンゴの仲間だと説明すると、実際かじってみて渋みとはどういうものかを初体験した子もいました。
 シャラノキコースではナツツバキとヒメシャラの樹皮の違いを確認しました。立派なナツツバキが1本、今秋の台風で根こそぎ倒れているのは残念です。
 赤い実をいっぱい付けたタマミズキを見に、ヤマモモ広場から奥へ進みました。周りが除伐されたおかげで明るい森になり、身近な場所で観察することができます。
 広場に戻ってシートの上に採取した落ち葉を並べ、色見本と比べてみたり、子供達はそれぞれ工夫をこらしたオリジナルお弁当を披露してくれました。楽しかったそうです。青空の下、それぞれが自然の恵みを体感した贅沢なひとときでした。
 
■ 観察したもの
 
◆ 花  コウヤボウキ、ノコンギク、ヤクシソウ、リンドウ
◆ 葉  イロハモミジ、ヤマザクラ、ウワミズザクラ、オオカメノキ、
      シロモジ、タカノツメ、コシアブラ、ウリカエデ、ガンピ、アベマキ、クリ、コナラ、ホオノキ、アセビ、ナワシログミ
◆ 実  ムラサキシキブ、ヤブムラサキ、ウリカエデ、ツクバネウツギ、コバノガマズミ、ミヤマガマズミ、タマミズキ、エゴノキ、オオウラジロノキ、アズキナシ、ソヨゴ、ヒサカキ、ヤブコウジ、クサギ、
      フユイチゴ、ツルリンドウ、イタドリ、スルガテンナンショウ、ヤブラン、ゲンノショウコ
◆ 鳥  ジョウビタキ、ホオジロ、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ベニマシコ、ウソ、アオゲラ、ハシボソガラス、エナガ、シロハラ、メジロ、コゲラ、モズ
1ヤブムラサキ2ウリカエデ
       ヤブムラサキ        ウリカエデ
3タカノツメ4タマミズキ
      タカノツメ           タマミズキ
7弁当箱8落ち葉
      秋のお弁当箱        落ち葉いろいろ 
5子供6子供







 

第91回 やまじの森観察会報告書

 日 時 平成30年10月20日 (土)     天気 晴れ

テーマ 木の実・草のタネ

参加者 20名

コース 三叉→北歩道(古窯跡)→トイレ→三叉

三叉まで個々に車で移動し総勢20名の観察会となりました。そのうち初めての参加者が4名ありました。

これから季節は多くの植物にとって生育場所を広げる大切な時期です。動物の力を借りたり風の力を借りたり、重力でコロコロ転がったり思いっきり弾けたりと、少しでも遠くに広がるよう様々な工夫をしています。木の実、草のタネを観察しながらどのような種子散布を行っているかが今回のテーマです。

今回の観察会は、初心者向けの解説を先頭集団で行いました。三叉を少し直進したところにアケボノソウを1株だけ見つけることが出来、間近で花を観察することが出来ました。日当たりの良さそうな散策路脇にはセンボンヤリの閉鎖花がタネとなって群生していました。センボンヤリはムラサキタンポポとも言います。春には開放花として裏が紫、表は白色の花を咲かせます。タンポポのように綿毛のあるタネを付けますが薄っぺらで子実の充実していないものが多いです。秋にはもう一度蕾を付けますが開かないうちに自家受粉をして確実にタネを作ります。しかし同じ遺伝子を持ったクーロン化が進むこととなり、環境に適さなくなった時には、いちどに消滅するという危険性もあります。やまじの森でみられるその他の閉鎖花を持つものにはスミレ類、タツナミソウ類 キッコウハグマ ヒメハギなどがあります。

北歩道にはムラサキシキブとヤブムラサキが隣合わせにあります。ヤブムラサキ葉はビロードのような手触りです。紫色の実の半分を毛の多いガクに包まわれ下向き付けていました。古窯のほうに下りるとイナカギクが咲いていました。この葉もビロードの手触りです。秋の代表的な花のひとつのアキノキリンソウはイノシシの犠牲になっていましたが、何株かは黄色い可憐な花を見ることが出来ました。

トイレの近くでは植栽のナナカマドが赤い実を付け、ツクバネもたくさんの実を付けていました。ウラジロマタタビ(通称サルナシ)も実を付け食べ頃でした。三叉に近くではオオウラジロノキの実とウラジロノキの実が落ちていました。同じバラ科の裏白の木ですが葉や実はずいぶん違います。

下見の時に確認しておいた音楽祭の植樹祭会場の隅に咲いていたセンブリを観察しました。 

最後に拾ってきた木の実などを並べて確認作業をしました。

歩きながら作ったというKさんの葉っぱのどんぐり雛はとても可愛くて思わず写真に収めました。

 

■ 観察できたもの

 ガンクビソウ アケボノソウ コウヤボウキ ミヤマシキミ ツルリンドウ ヒヨドリバナ イナカギク アキノキリンソウ コメナモミ ハキダメギク ヤクシソウ アキチョウジ、ノガリヤス 

実(タネ)シロモジ ツバキ ミヤマシキミ ナツフジ ツルリンドウ ヤブムラサキ オオウラジロノキ アオキ ツクバネ ササユリ サルナシ ヤマガキ クサギ ウラジロノキ オオウラジロノキ オオバヤシャブシ ウリカエデ ヤブコウジ ナナカマド チゴユリ ササクサ ミズヒキ

◆鳥 アオゲラ エバガ メジロ カケス ヒヨドリ コゲラ ヤマガラ トビ 
実のいろいろ
木の実の色々
アケボノソウ
アケボノソウ
どんぐり雛
ドングリ雛
センブリセンボンヤリ
センブリ           センボンヤリ
ミヤマシキミヤブムラサキ
ミヤマシキミ          ムラサキシキブ
オオウラジロノキ・ウラジロノキの木の実
オオウラジロノキの実








第90回山路の森自然観察会報告

日時    平成30年9月15日(土)  天気   雨
テーマ   秋の野草
参加者      13名
コース   ヤマモモ広場 ー 林道 ー 第2管理道入口 ー ヤマモモ広場 
 停滞する秋雨前線のせいで連日すっきりせず、朝から雨。三叉まで行き昼食をとる予定を変更し、アケボノソウの群生地まで行こうと13名で出発しました。林道沿いには秋の野草が雨に濡れて咲いています。この季節にはシュウブンソウ、ガンクビソウ、ヤブタバコ等のキク科の花が多く見られ、シラヤマギク、ノコンギクも咲き始めました。シソ科のイヌコウジュが群生し、薄紅色の小さな花をつけています。香じゅの名前どおり葉を揉むとミント系のよい香りがします。同類のヒメジソとよく似ているので葉や萼の形の違いを確認しました。大曲りには昨年までナギナタコウジュがありましたが、今年は皆で探したけど見つかりません。どこかに生き残っていることを期待しています。アキチョウジも青紫色の丁字形の花をつけていて、この花に出会うのは秋の楽しみのひとつです。
 薄暗い林道脇の腐葉土の上にオレンジ色の物体!なんとタマゴタケでした。数日前の下見では生えてなかったのに6、7本が半円を描くように並んでいます。菌輪のことを妖精の輪、フェアリーリングというのだと教えていただきました。毒きのこのベニテングタケと同じような色なのにこれは美味しいと評判です。メンバーのさんが先日スープにして食し、とても美味しかったとも聞きました。でも食べるのには勇気のいる派手さですね。以前きのこに詳しい人と一緒に採取し調理したイグチのきのこ汁を食した際、舌がピリピリして不安になりました。きのこは素人には怖いです。今回の下見でカエンタケを三叉広場手前の林道脇で1株見つけました。猛毒であるだけでなく触ると皮膚がただれるので用心してください。キイボカサタケも可憐ですが毒きのこです。
 花弁に斑点があり夜明けの空に見立てて名を付けられたというアケボノソウも今年は株が増え、つぼみをたくさんつけています。音楽祭の頃には見頃となるので楽しみです。
 聞こえる鳥の声もわずかでしたが、先頭を歩いていたMさんがヤマドリの雄を発見、写真を撮って見せてくださいました。百人一首の和歌のとおり長い尾を持った柿色の美しい鳥でした。
 ヤマモモ広場に帰ってくると出発時つぼみだったツルニンジンが開花し出迎えてくれました。始終雨でしたが林道を歩いて秋の訪れを楽しむことができました。
 
[ 上記以外に観察できたもの ]
 
草の花 : ヒヨドリバナ、スズカアザミ、ダンドボロギク、センボンヤリ(閉鎖花)、ボントクタデ、ハナタデ、ミズヒキ、キンミズヒキ、ヒメキンミズヒキ、ヤブラン、オトコエシ、ヌスビトハギ、アレチヌスビトハギ、ゲンノショウコ(赤)、ナキリスゲ
 
木の花 : ノリウツギ、クサギ
 
鳥の声 : コゲラ、エナガ、メジロ、カケス、キジバト、ヤマガラ、
      アオゲラ、ヒヨドリ、 シジュウカラ 
                                   アキチョウジオトコエシ
アキチョウジ    オトコエシ
ノコンギクカエンタケ
ノコンギク     カエンタケ
キイボカサタケタマゴタケ
キイボカサタケ       タマゴタケ

 

第89回山路の森定例観察会報告

日時  平成30年8月18日(土)   天気  晴れ
テーマ 雑木林の虫
参加者 17名
観察コース  ゲート手前→ヤマモモ広場→ヤマモモコース→サルナシ湿地→ホオキ平→1号管理道→アジサイコース→シラカシ広場→ヤマモモ広場
   今年の夏は異常気象と言われ、東海地方でも40℃超えをしたところがあり、気温が人の体温より上をいくという恐ろしい現象が起きていました。お盆を過ぎてようやくこの暑さは収まりつつあるようです。
    今日のテーマは「雑木林の虫」です。この厳しい暑さの中、虫たちは元気に活動しているのでしょうか。最初はゲート手前にある樹液の出ているアベマキの樹を見に行きました。下見の時にはコクワガタ、ミヤマクワガタ、カブトムシ等が十数匹、樹の上部に這っていましたが、今日は残念ながらコクワガタが2~3匹這っていただけでした。背中をつまもうとすると樹から落ちて枯れ葉の中に潜ってしまいます。
    森の中ではもうツクツクボウシが鳴いていました。イヌザンショウにはジャコウアゲハが訪れていました。セミの抜け殻でセミの種類を同定したり、ススキの葉の裏のクモの巣を観察したり、なかなか前へ進めません。
     ハラビロカマキリは掴もうとするとこちらを見てお尻を上げて威嚇するようなポーズをとりました。ジョロウグモは三層の巣を作り、獲物にした虫たちの残骸を外側の網に引っ付けていました。シラカシ広場のシラカシの樹にクワガタを2~3匹見つけました。大型の方はノコギリクワガタでは?とのことでした。
     この暑さの中、森の中にはいろいろな虫がいるのに驚きました。そしてその虫たちの行動をしばらく観察することは、とても興味深く楽しいことでした
     林内には秋の花が咲きはじめました。植物や生きものはどうやってこの気候の変化を敏感に感じとることができるのでしょうか。
     ノリウツギが白い花をつけはじめ、ミズタマソウが白い可憐な花とその下に丸い果実をつけています。ダイコンソウの集合果は例年よりみんな大きいような気がします。
      シマジタムラソウが沢の近くに薄紫の花をつけていました。クサギの花は満開です。
      アジサイコースの谷筋にはイノシシの親子がいました。人間に驚いた親イノシシは向う側の斜面を駆け上がってしまい、残されたウリボウは上流へ下流へ走りまわり親を探していたようです。
     ジョロウグモの姿を見て、ツクツクボウシの鳴き声を聴いて、秋の気配を感じた観察会でした。

観察できたもの
◎   虫たち ツクツクボウシ アブラゼミ ミンミンゼミ ジャコウアゲハ ムラサキシジミ バッタ ハラビロカマキリ アキアカネ イトトンボ ハグロトンボ    コクワガタ ノコギリクワガタ ジョロウグモ キンモンガ シロシタバ

◎   樹の花 ノリウツギ クサギ イヌザンショウ

◎   草の花 ミズタマソウ ヘクソカズラ ヒメキンミズヒキ ハエドクソウ マツカゼソウ ヤブラン フユイチゴ ミズヒキ ツルリンドウ アキノタムラソウ シマジタムラソウ ガンクビソウ サジガンクビソウ ツルニガクサ ミズギボウシ

◎   鳥の声 ヒヨドリ アオゲラ コゲラ メジロ ソウシチョウ サンショウクイ シジュウカラ エナガ ホトトギス キジバト

◎   その他 カナヘビ イノシシ親子

クサギ
クサギ
シマジタムラソウ1
シマジタムラソウ
ダイコンソウの集合果
ダイコンソウの集合果
ノコギリクワガタ
ノコギリクワガタ
ノリウツギ
ノリウツギ
ミズタマソウ
ミズタマソウ

第88回山路の森自然観察会報告書

日時  平成30年7月21日(土) 天気 晴れ
テーマ  夏の野草
参加者  14人
コース  ヤマモモ広場 →林道 →ゲート →堰堤 →山道 → 林道 →三又 →  周辺を観察 →昼食・解散
     毎朝天気予報は危険情報、無用な外出はしないようにと注意を呼び掛けている。
     山路の森は木々も多く標高もあり街中よりも5℃は低いので涼しいです。夏の草花が 
咲き出しました。
キンミズヒキ、ツルニガクサ、ママコノシリヌグイ 等又、イワタバコが蕾を付け、1輪咲いていました。
    今日は青い花、ツユクサ(露草)について書いてみます。万葉集では月草と書かれているようですが、色が着く、から着草と言われたようです。又、蛍草、青花、帽子花ともいわれました。
  ツユクサの花の色素は水や光に弱く色褪せるので友禅の下絵を描くのに使われました。しかしこの小さなツユクサではあまりに少なすぎるので大きな花のオオボウシバナ用いられました。花の大きさは4.5cmあります。現在は化学染料が用いられこの花の需要も少なくなりました。花言葉は 「尊敬」 「変わらぬ思い」 です。
    それにしても、1日花で花びらも解けてしまうので儚い花ですね。しかし茎の節から根を出し繁殖するという力も持っているしぶとい植物でもあります。
    花の構図は2枚の青色の花びらと1枚の白っぽい細長い花びらがあり6本の雄蕊がありますが短い4本は花粉のない仮雄蕊、長い2本の雄蕊には花粉が付いています雌蕊は付いているのと、無いのがあります。よく見ると分かります。受粉しなくても繁殖できる能力があるので強い植物です。身近な植物なので観察してみると面白いです。
    さてホトトギスの鳴き声がウグイスに似ているところがあり、ウグイスのところで托卵したのでは、と教えていただきました。鳴き声でそうだったのかと、初めて気が付きました。
【観察できたもの】
◆草の花  キンミズヒキ、ツルニガクサ、ヌスビトハギ、ノギラン、チダケサシ、ミカワショウマ、ムラサキニガナ、ツユクサ、ハエドクソウ、オニドコロ、タチドコロ、イワタバコ、ママコノシリヌグイ
◆鳥     メジロ、ヒヨドリ、センダイムシクイ、ヤブサメ、キビタキ、クロツグミ、 ヤマガラ、ウグイス、コゲラ、エナガ、キジバト、ヒガラ、ホトトギス
◆昆虫  シオカラトンボ、コクワガタ、クワガタ、タマムシ、コガネムシ、ミスジチョウ
◆爬虫類  カナヘビ

P7170315ダイコンソウ
ダイコンソウ
P7170322ヤブレガサ (1)
ヤブレガサ
P7170329継子のしりぬぐい
ママコノシリヌグイ
P7170341コクラン (2)
コクラン
P7170343ツユクサ (1)
ツユクサ
P7210383イワタバコ (1)
イワタバコ
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