やまじの森 自然観察会

第87回 山路の森自然観察会報告

日時   平成30616日(土)   天気 晴れ 
テーマ  水辺の植物 生き物
参加者  13
コース  ヤマモモ広場→シャラノキコース→サルナシ湿地→第一管理道→林道→ヤマモモ広場
    今回から新リーダーを迎え気持ち新たな観察会となりました。

 熊出没情報もあることから ゲートに近いところを歩くことにして、シャラノキコースからサルナシ湿地へ向かうことにしました。
   シャラノキコースの名称となったシャラノキ(標準和名ナツツバキ)とヒメシャラの森には ぽとぽとと花が落ちていました。両者とも植栽されてものです。合弁花で花の形そのままに落ちています。花の大きさがずいぶん違って、自生地ではこうして数メートル離れたところで比べて
見ることはできません。植栽は、比較観察をできることが利点です。高い木は咲いていることを見落としがちですが、一日花ですので落花は開花したことを知らせてくれます。通称シャラノキと言われるのは、平家物語の冒頭に出てくる「祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり沙羅双樹の花の色盛者必衰の理をあらす・・・・」その沙羅双樹(フタバガキ科)の花に似ているからと言われています。仏教三聖木のひとつとされ、お釈迦様が涅槃に入られた時に咲いていたとされ、誕生になった時の木は無憂樹(マメ科)悟りを開かれた時の木はインド菩提樹(クワ科)です。日本のお寺には菩提樹が多く植えられているのはそういった理由です。いずれの花も熱帯に育つものですので国内では植物園の温室でしか見ることはできないです。

散策道を一歩外れ、林の中を歩くと一斉にシャクガの仲間が飛び立ちました。一歩歩くごとに飛び立ち、一体何頭いるのか、捕まえようとしてもすばしっこくて捕獲することができません。シャクトリムシの仲間ですが同定することが出来なくて気になります。

 今回のテーマは水辺の植物・生物でしたので、サルナシ湿地では普段より湿地内の観察時間を多く取りました。堰堤に溜まった砂礫の上には、ツルヨシがずいぶん蔓延ってきていますが、この環境も小さな生き物にとっては良い隠れ家となっていると思います。毎年、アズマヒキガエルが産卵する水の溜まったところには、カヤツリグサ科の湿生植物のスゲ類が増えてきています。左岸の流れのある方は、ツルヨシが少なく、ここでは、山路の森では、あまり見かけないヤマジノホトトギスが多くありました。ほかの地域に多くあって貴重種ではなくても、この森に少ないものは大切にしたいものです。その他にも貴重種が見つかっていますので整備には十分な注意が必要です。

朴の木平近くでは、今回、ムヨウランの仲間が見つかりました。すでに花は終わっていましたが枝がしっかり残っていました。コウヤボウキの大株も元気に育ち、秋が楽しみです。バイカツツジも下向きに隠れるように花をつけていました。6月の季節を代表する花ヤマアジサイも素敵な花です。

今回、初の参加者の方が爬虫類や両生類、昆虫類等の生き物に詳しく、積極的に水辺を歩いて生物を探していただきました。キノコにも詳しく普段気にも留めないような小さなキノコにも名前を付けていただきました。コツボゴケの中のミズゴケノハナはとても可愛らしかったです。

■観察できたもの

木の花 ムラサキシキブ ヤブムラサキ バイカツツジ ネズミモチ ネジキ

◆草の花 オオバノトンボソウ(蕾) ミカワショウマ(蕾)ドクダミ ノゲシ ニガナ ハナニガナ シソバタツナミ コナスビ ハエドクソウ オカトラノノ イヌヌマトラノオ オニタビラコ ヒメジョオン 

◆湿地のカヤツリグサ科 オタルスゲ イグサ ホタルイ ゴウソ オニスゲ ミヤマシラスゲ

◆キノコ ヒメカバイロタケ キイアミアシイグチ カバイロクリタケ キサマツモドキ ツルデングタケ ベニヒガサ ミズゴケノハナ

◆鳥 アオゲラ ヒヨドリ キビタキ メジロ オオルリ ヤマガラ ハシブトガラス サンショウクイ センダイムシクイ ウグイス ヤブサメ エナガ コジュケイ

 

◆昆虫 カワトンボ シオカラトンボ ヤマトシリアゲ キンモンガ ヒョウモンエダシャク キマダラセセリ シャクガの仲間 ヨツボシスジハナカミキリ オバボタル ベニボタルの仲間 アシナガバエの仲間 コオロギの仲間 モリチャバネゴキブリ 

◆爬虫類 カナヘビ シマヘビ ◆両生類 タゴガエル ◆その他 ザトウムシ サワガニ

コツボゴケの中のミズゴケノハナ
コツボゴケの中のミズゴケノハナ

テングツルタケ
テングツルダケ
バイカツツジ
バイカツツジ
ヤマアジサイ
ヤマアジサイ
落花したヒメシャラの花
落花したヒメシャラの花
オカトラノオ
オカトラノオ


 

 

 

 

 

第86回 山路の森自然観察会報告

日時  平成30年5月19日(土)天気 晴れ
テーマ 新緑の雑木林
参加者   12名
コース   ヤマモモ広場 --   WC -- 三又 -- WC -- ヤマモモ広場
    前夜からの激しい雨も幸い朝にはあがり、集合時には青空が見えました。テーマどおりの新緑のなか、ヤマモモ広場から林道に沿って三又へ向かって歩いていきました。今年は花暦が例年より早く、ゲート前のジャケツイバラはすでに散っていましたが、猿投山登山口手前では黄金色の花を楽しむことができました。しかしながらこれは蛇結茨の名前のように驚異的な繁殖力で他に絡みつき鋭い刺があるので厄介物です。
 例年はこの時期には見られないコアジサイもすでに花を咲かせています。一般的なアジサイとは違って装飾花がなく淡青色の両性花だけの清楚な趣きで、顔を近づけるとほんの僅か良い香りがします。葉は鋸歯がはっきりしてつややか、秋の黄葉も見事です。
 大曲のオオバウマノスズクサは元気に葉を茂らせてサキソフォンのような形の花をいくつもぶら下げていました。筒状の花弁のように見えるのは萼で紫褐色の模様が目立ちます。今日は解剖をしてみました。雌しべにくっついて花粉をつけた雄しべもあります。なんだか奇妙な生き物の顔のようにも見えて、自然の造形の妙に感心してしまいました。
 緑の梢の間に真っ白に見えるのはヤマボウシ、桃色の縞模様が愛らしい釣り鐘型の花はカイナンサラサドウダン。ウラジロマタタビも白い花をいっぱい付けています。今秋はキウイフルーツに似た山路産の実をぜひ味わってみたいと思うのですが林道から手を伸ばしただけでは取れそうもありません。
 三又までの林道歩きでしたが様々な花に出会え、オオルリやキビタキ等の鳥のさえずりが聞こえ、蝶が舞い、何よりも緑の草や木々からパワーをもらえたひとときでした。
 
[ 観察したもの]
 
木の花
ウラジロマタタビ、エゴノキ、オオバウマノスズクサ、カイナンサラサドウダン、コアジサイ、コゴメウツギ、
コツクバネウツギ、ジャケツイバラ、ツクバネ、ヤマボウシ、ガンピ(蕾)、ヤブムラサキ(蕾)
 
草の花
ニガナ、ハナニガナ、ニョイスミレ、ヒメアギスミレ、ギンリョウソウ、コナスビ、ミヤマナルコユリ、
タツナミソウの仲間、アズマナルコ、オタルスゲ、ジュズスゲ、カニツリグサ、ヌカボ、イチヤクソウ(蕾)
 
鳥の声
アオゲラ、イカル、ウグイス、エナガ、オオルリ、キジバト、キビタキ、クロツグミ、コゲラ、サンショウクイ、
シジュウカラ、ツツドリ、ハシボソガラス、ホトトギス、ヒヨドリ、メジロ、ヤブサメ、ヤマガラ
 
その他
コミスジ、ジャコウアゲハ、ナガサキアゲハ、キンモンガ、カワトンボ、ギンヤンマ、アマガエル

オオバウマノスズクサ[1]
オオバウマノスズクサ
オオバウマノスズクサ(内部)[1]
オオバウマノスズクサの内部
カイナンサラサドウダン[1]
カイナンサラサドウダン
カワトンボ[1]
カワトンボ
コアジサイ[3]
コアジサイ
ツクバネ[5]
ツクバネ





第85回山路の森自然観察会報告

日時  平成30年4月21日(土)    天気 晴れ
テーマ 木々の芽吹き
参加者 19名
観察コース  ヤマモモ広場→シャラノキコース→サルナシ湿地→ホオノキ平→1号管理道→シラカシ広場→ヤマモモ広場
 3月下旬からの初夏の陽気に木々はあっという間に若芽をのばし、森のヤマザクラは早々に花を散らしウワミズザクラに代わっていました。ゲート手前のジャケツイバラは花穂を上にのばし今にも咲きそうです。
 今日のテーマは「木々の芽吹き」ですが、森は新緑の装いです。季節が例年より早く進んでいるようです。
 今日はヤマモモ広場からの出発です。広場のコナラは雄花が多数垂れ下がりその上部には目立たない小さな雌花が咲いています。コナラの新葉の銀色の毛の美しさは、この時期にしか出会えない感動です。この銀色の毛に出会えるか楽しみにしていましたが、今年は葉の展開が早く緑色の若葉になっていました。

 サルナシ湿地ではアズマヒキガエルのオタマジャクシでしょうか、水の中に真っ黒に集まって動いていました。晴天続きで水が枯れてしまうことが心配です。「ヘビや鳥に気づかれないように無事に育ってね、あんまり動くと見つかるよ!」
 ホオノキ平ではタチシオデが咲き、ヒメハギも咲いていました。ヒメハギがこの場所で咲いているのは初めてみたような気がします。歩道の足元にあり踏まれてしまいそうです。
 1号管理道のナワシログミの実は大きく膨らんでやわらかくなってきました。林内のあちこちには、スルガテンナンショウが頭をもたげ、チゴユリ、ホウチャクソウが咲きはじめていました。今日も気温が上がったようですが、林内は涼しく新緑のさわやかな観察会でした。

観察できたもの
◎木の花 
ウワミズザクラ コバノガマズミ ミヤマガマズミ ヤブツバキ コバノミツバツツジ ミツバツツジ モチツツジ ヤマツツジ ミヤコツツジ ニガイチゴ マルバアオダモ ツクバネウツギ ウスノキ ミツバアケビ ヤマブキ カマツカ(蕾) ジャケツイバラ(蕾) タカノツメ(蕾) エゴノキ(蕾) ナツハゼ(蕾) ガンピ(蕾)
◎草の花 
チゴユリ タチシオデ ヒメハギ ホウチャクソウ カキドオシ スルガテンナンショウ シャガ ニガナ(蕾) イチヤクソウ(蕾)
◎鳥の声 
センダイムシクイ キビタキ サンショウクイ ノスリ クロツグミ オオルリ コゲラ メジロ ヤマガラ シジュウカラ コマドリ ヤブサメ ウグイス エナガ 

◎その他 カエルの声

シャガ1
シャガ
スルガテンナンショウ
スルガテンナンショウ
チゴユリ1
チゴユリ
ひめはぎ1
ヒメハギ
ホウチャクソウ
ホウチャクソウ










第84回山路の森自然観察会報告

日 時   平成30年3月17日(土)  天気 晴れ
テーマ   春をさがそう
参加者   21名
コース   三又広場 →WC → ヤマザクラコース → 北歩道 →三又広場(昼食) 終了
   今回は少し暖かくなってきました。空も青空が見えます。安心して観察会ができました。
 ヤマザクラコースの入り口はショウジョウバカマの大群落でした。森づくりの人達が笹狩りをして下さるお陰です。まだ蕾が多く、花は数えるほどしか咲いていませんが、初々しい春の花です。
 よく見るとロゼットの葉の先に小さな栄養繁殖体がしっかり出来ています栄養繁殖体は古い葉に出来るようです、地面にくっついて親の隣で繁殖します。
 タネの場合はもっと遠くで繁殖し子孫を増やします、2通りの繁殖をする力強い植物です。
 この尾根にはヤマザクラの他にオオバヤシャブシが大きくなっていますはげ山の時代に植栽されました。ボロボロした木の幹が印象的です。
 この時期シラキの木が目立ちます、白っぽい灰色ですべすべした木肌です。秋には美しい紅葉の葉を付けます。又この時期冬芽と葉痕を見てください。可愛い坊やの顔をした葉痕です。
 ミヤマシキミは蕾が膨らんできました。クロモジ、アセビは日当たりのいいところは咲き始めました。
 枯れ草をめくるとタチツボスミレ?の葉がたくさん見られます。
 シュンランも花芽を膨らませています。
 皆で春の花が咲くのを見守りましょう。
 今回はご報告があります、この会を立ち上げた竹田さんが今回を最後に引退されました。健康を害して少しのんびり過ごすことになりました。7年間長い間ありがとうございました。 
観察したもの
【木】 クロモジ、オオバヤシャブシ、ヤブツバキ、アセビ、
    ミヤマシキミ、アカガシ、ウラジロガシ、ツクバネガシ
    シラカシ、ヤマザクラ、ミヤマシキミ、シロダモ
【花】 スズカカンアオイ、ショウジョウバカマ、ヤブツバキ
    クロモジ
【蕾】 ミヤマシキミ、シロモジ、アオキ
 
【鳥】 エナガ、コゲラ、ヤマガラ、ヒヨドリ、ウソ、アオジ
    メジロ、シロハラ

P3170322ミヤマシキミ、P3170315シュンラン
ミヤマシキミ   シュンラン
P3170311クロモジ、P3130284シラキ
クロモジ    シラキ
P3170293栄養繁殖体IMG_1543
 ショウジョウバカマ栄養繁殖体  
P3170291ショウジョウバカマ
ショウジョウバカマ



第83回山路の森自然観察会報告書

日時   平成30年2月17日(土)  天気 曇り一時みぞれ
テーマ  冬芽とロゼット
参加者  15名
コース  ヤマモモ広場→丸木橋→サルナシ湿地・朴の木平→1号管理道→シラカシ広場・林道→ヤマモモ広場

ヤマモモ広場を出発点に観察を行いました。冬芽の観察は、芽の形、葉が落ちた痕の形(葉痕)や維管束痕の並び等を小人や動物等に例えて楽しむ観察です。広場だけでも多くの樹種があり、それぞれルーペで覗いたりカメラで撮ったりで しばらく移動できません。声をかけなければ半日でもそこから動かないのではないかと思うぐらい熱心です。手に取って冬芽を見れば同定でそうですが、高い木が多く枝に残っている実とか樹形・樹皮、下に落ちている葉と入念な観察が必要です。
広場から少し下ったところを左に林内へ入ると今年も春の訪れを告げる木といわれるマンサクが花をつけていました。1998年、県下で葉枯病が発見されて以来全国的に広がり大木のマンサクが次々に枯れました。近頃では、実生からの幼木や枯れた木の脇からの萌芽更新が見られるようになりましたが、花を見る機会はかなり少なくなっていますので大切にしたい木の一つです。昨年と比べると周辺が整備され明るくなっていて新たな植生に期待が膨らみます。ヤマモモ広場からこの周辺は不思議なところでヒメシャラの幼木も多く数年後が楽しみです。
散策道に戻るとキブシが蕾を垂らしていました。まだまだ硬いですが黄色い花が楽しみです。
じっくり観察していると木の枝には長枝と短枝がみられます。長枝は光を求めて伸びていきます。短枝は留まって複数の葉を付け効率よく光を取り込みます。短枝が発達している木は輪生状に葉を付け、花、そして実をつけることが多いようです。今回、山路の森で観察した短枝が顕著に発達した樹木は オオカメノキ、タカノツメ、ズミ、アオハダ、カマツカ等でした。節のようになった葉痕を数えると短枝ができた年数を知ることができます。
霙が降ってきましたのでサルナシ湿地へ急ぎました。数日前、少し暖かい日もあり期待をしてアズマヒキガエルの産卵の確認に行きましたが見られませんでした。
ショウジョウバカマの花芽がロゼットの真ん中に大きくなりつつありました。そのほかのロゼットはシュウブンソウ、ニガナを見つけることができました。
今日の収穫物はリスからのたくさんの贈り物のまつぼっくりのエビフライです。お食事会でも開いたのでしょうか、120個余りありました。山路の森でこんなにたくさん拾ったのは初めてでした。食欲旺盛な元気なリスがいることの確認となりました。
シラカシ広場で食事をしてからヤマモモ広場へ移動、寒い2月の観察会を終えました。

□その他に観察できたもの
◆樹木 ウワミズザクラ ハリエンジュ ケヤキ ツクバネウツギ シロモジ リョウブ ヤマコウバシ ヌルデ ヒメシャラ ニシキギ タラノキ クロモジ エゴノキ アセビ?? マルバアオダモ ネジキ バイカツツジ ヤマフジ ムラサキシキブ ミヤマガマズミ ゴンズイ オオウラジロノキ コブシ ネムノキ イヌザンショウ シロダモ ツクバネガシ ヤツデ?? コゴメウツギ等
◆鳥(鳴き声を含む) ヒヨドリ ヤマガラ メジロ コゲラ シロハラ トビ エナガ シジュウカラ ツグミ キジバト ウソ アオジ ハシボソガラス
◆ その他 ヒヨドリらしき巣

観察会の様子
観察会の様子
春が待ち遠しい キブシ
春が待ち遠しい キブシ
短枝が発達しているオオカメノキの花芽
短枝が発達しているオオカメノキの花芽
リスの食痕 エビフライ
リスの食痕 エビフライ
記事検索
プロフィール

管理者

QRコード
QRコード