猿投の森づくりの会・公式ブログ

猿投の森づくりの会は、公益社団法人 日本山岳会 東海支部内のグループです。愛知県瀬戸市と豊田市にまたがる猿投山の西麓の森で、森の保全や有効利用を目的に活動しています。

やまじの森 自然観察会

第156回 やまじの森自然観察会

日 時:2024年3月16日(土)
天 候:晴れ
テーマ:春をさがそう
参加者:23名

コース:ヤマモモ広場  林道  展望台  キツツキコース  アジサイコース  第1管理道  サルナシ湿地  シャラノキコース  ヤマモモ広場

 やっと春めいて暖かくなりました。ケーブルテレビの取材者と共に23名で春さがしにヤマモモ広場を出発してすぐ、林道脇ではショウジョウバカマが咲き、左手奥のトサミズキが満開で黄色い花をたくさん下げていました。コゴメウツギもハンショウヅルも緑の葉芽が出始めています。久しぶりの展望台コースでは昨年よりクロモジ、ヒサカキ等の開花が遅いと感じました。展望台から見える猿投山の山腹がヤマザクラのピンク、タムシバの白に彩られるのもあと少しです。

 シュンランの蕾が数か所で見られ咲いているのも見つけました。サルナシ湿地奥のマンサクは終わり、その代わりにクロモジ、シロモジが花盛りです。今年は各所でオオカメノキの花芽が多く付き、シャラノキコースでも咲き始めています。トサミズキの枝を手に取り花を間近で観察しました。黄色い花弁のなかの雄しべの葯が赤く鮮やかです。ヒサカキの雄花、雌花の違いも覗きこんで確認し、特有の香りを嗅いでみました。数種類の虫にも出会え、春の訪れを体感できたひとときでした。

[観察したもの]
草の花:ショウジョウバカマ、シュンラン、マキノスミレ、ヒメカンスゲ、スズカカンアオイ

木の花:クロモジ、シロモジ、トサミズキ、オオカメノキ、ヒサカキ、ヤマウグイスカグラ、アセビ、ヤブツバキ、オオバヤシャブシ

冬芽、蕾:コゴメウツギ、ハンショウヅル、コウヤボウキ、ミツバツツジ、ザイフリボク、ヒメシャラ、シキミ等

昆虫、その他:テングチョウ、キタテハ、キタキチョウ、スギタニキリガ、ツヤアオカメムシ、ワカバグモ、カナヘビ

鳥(の声): シジュウカラ、ヒヨドリ、ヤマガラ、ウグイス、メジロ、トビ、ノスリ

1
観察会風景

2
ショウジョウバカマ

3
トサミズキ

4
クロモジ

5
ヒサカキ 雄花

6
シュンラン

7
ヤブツバキ

8
オオカメノキ

9
ヒメカンスゲ

10
ヤマウグイスカグラ

11
マキノスミレ

12
キタキチョウ

13
テングチョウ

14
スギタニキリガ

第155回 やまじの森自然観察会

日 時:2024年2月17日(土)
天 候:晴れ
テーマ:冬芽
参加者:15名

観察コース:中電変電所前→ゲート→第一管理道→サルナシ湿地→シャラノキコース→ヤマモモ広場→ゲート→変電所前

 風の無い、いいお天気になりました。今日のテーマは「冬芽」です。冬芽とは冬を越し春に芽を出す花芽や葉芽のことをいいます。樹種ごとにそれぞれ特徴があり、冬芽や葉痕などからその樹木の名前を知ることができます。

 出発してすぐの広場ではオオバヤシャブシとヒメヤシャブシの違い、ノイバラやヌルデの特徴など観察しました。ゲートの前のジャケツイバラの冬芽は茶色の毛で覆われトゲの間に3~4個縦に並び一番上の芽が成長します。
 第一管理道では、コブシの高木の先についた白毛が青空をバックにきれいに輝いています。また花芽をつけたオオカメノキが多数あり、春が楽しみです。管理道奥のミツバツツジの花芽は赤くて大きいです。
 森はアセビの白いつぼ型の花が咲き始め、サルナシ湿地脇のマンサクにも黄色い花が咲いていました。「まんず咲く花」マンサクやアセビの花は春が近いことを知らせています。年々株が小さくなってしまう湿地脇のシュンランは、どうやらイノシシに株を掘られてしまうようです。
 今日はサルナシ湿地にかかる木道に腰掛けてお昼にしました。

 シャラノキコースの途中にはカマツカの木に乾燥したまだ緑色の残るカマキリが引っかかっていました。モズのはやにえでもなさそうで、どうしてここに?と不思議でした。ザイフリボクの冬芽は赤くツヤがあり芽鱗の間から白い毛が出ています。ナツツバキやヒメシャラの冬芽も白毛に覆われています。
 ヤマモモ広場奥のマンサクも咲いていました。ヤマモモ広場で休憩の後変電所前まで戻り、春の気配が感じられた観察会は終了しました。

◎冬芽 アカメガシワ ウグイスカグラ ウワミズザクラ エゴノキ オオウラジロノキ オオカメノキ オオバヤシャブシ クロモジ コアジサイ コウヤボウキ コゴメウツギ コツクバネウツギ コバノガマズミ コバノミツバツツジ コブシ ゴンズイ ザイフリボク サルトリイバラ シロモジ ジャケツイバラ タカノツメ タラノキ ダンコウバイ ツクバネウツギ トサミズキ ナツツバキ ヌルデ ネジキ ノイバラ ノリウツギ ハリエンジュ バイカツツジ ヒメシャラ ヒメヤシャブシ マルバアオダモ ミズキ ミツバツツジ ミヤマガマズミ ムラサキシキブ ヤブムラサキ リョウブ など

◎花 アセビ スズカカンアオイ マンサク ヤブツバキ など

◎鳥の声 ヒヨドリ メジロ ホオジロ カケス シジュウカラ ウソ キジバト コゲラ



第154回 やまじの森の自然観察会

日 時:2024年1月20日(土)
天 気:小雨
テーマ:冬の野鳥観察
参加者:7名

コース:第一管理道➝山道➝東海環状自動車道側道➝巡間町ため池2か所までの往復

 雨の中の開催となったので、当初予定していた中部電力瀬戸変電所前からの歩き出しをやめ、第一管理道奥まで車に分散して乗車し、そこから観察会を開始した。変電所前では参加者を待つ間にコジュケイの鳴き声を聞くことができた。早く到着した方はコジュケイが高く飛ぶ姿を見ることができたとのことであった。

 側道に入るとシロモジの葉が落ちることなく冬芽が雨に濡れて輝いていた。近くの橋からは下見の時はセグロセキレイが見られたが、今日はキセキレイが1羽、餌探しに勤しんでいた。高速道脇のキミノシロダモの実が残っていないかと調べたが、もう見ることはできなかった。歩きを進めるとベニマシコが右へ行ったり左へと飛びまわっていた。アオジも一瞬横切る姿を見ることができた。

 最初の池では、ヨシガモが藪の向こうで泳いでいた。道を横切るジョウビタキの雄も確認でき、せと赤津インター脇では冬芽を見ている時にGさんが掴んだ枝にモズの早贄がありメザシようになった姿を見ることができた。シジュウカラを木々の間に望みながら2番目の池へ向かったが、到着と同時にヨシガモ5羽程が飛び去ってしまい、キンクロハジロと残されたヨシガモが池の遠くで泳いでいた。

 帰りは「せと赤津ビオトープ」の巨木を見ながら下見時に確認したイソヒヨドリがいたエリアをのぞき見しながら帰路に着いた。三日前に実施した下見ではほとんど鳥の声を聞くことはなかったが、今日は鳥の鳴き声を耳にすることが多かった。特にベニマシコに集中している時に鳴いたアオゲラには驚かされたが姿を確認することはできなかった。高木となるオオウラジロノキの冬芽を手元でながめ、アセビの花が咲きだしているのに目を奪われ、足元のスズカカンアオイの花、ヒメユズリハの葉をみて観察会は無事に終了した。

【 観察できた鳥 】
コジュケイ、ヒヨドリ、キセキレイ、マガモ、ダイサギ、ツグミ、アオジ、ハシボソガラス、メジロ、ベニマシコ、アオゲラ、シロハラ、ジョウビタキ、ソウシチョウ、シジュウカラ、ホオジロ、ヨシガモ、キンクロハジロ

【 花 】
スズカカンアオイ、アセビ

【 木 】
キミノシロダモ、オオウラジロノキ、カラスザンショウ、ヒメユズリハ、シロモジ、トウコマツナギ、ハリエンジュ、ジャヤナギ or マルバヤナギ、アセビ

【 実 】
ガガイモ、アオツヅラフジ、タカサゴユリ、トウコマツナギ、ヌルデ

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冬の野鳥観察20240120-01

冬の野鳥観察20240120-02

第153回 やまじの森自然観察会報告

日 時:2023年12月16日(土)
天 気:曇り一時小雨
テーマ:照葉樹
参加者:10名
コース:ヤマモモ広場 → シャラノキコース → サルナシ湿地 → ホオノキ平 → 第一管理道 → 林道 → ヤマモモ広場(昼食)→ 堰堤往復 → ヤマモモ広場

 今回のテーマ「照葉樹」とは、シイ類やカシ類のような厚くて照りのある葉をもつ常緑広葉樹です。やまじの森で見られる照葉樹48種を記したチェックリストを参加者に手渡して出発、まずヤマモモ広場の先の林道沿いでシロダモの赤い実を観察しました。

 シャラノキコースに入るとツルグミとナワシログミの雑種のウラギンツルグミを皮切りにアラカシ、アオキ、ヒサカキ、ムベ、ヒイラギ、シキミとチェックが増えていきました。遊歩道はコナラやアベマキ等の落葉樹の葉が散り敷いてしっとり金茶色、そしてタカノツメの落ち葉は焼き芋のような甘い香りがしています。ヤブツバキ、アセビが咲き始め、シュンランの花芽も見つけました。フユイチゴの甘酸っぱい実も味わいました。

 ヤマモモ広場に戻ってリストをチェックしたあと、雨が降る前にとまずは昼食をとり、そのあと堰堤に行き、久しぶりに見たカゴノキとその背後のリンボクの成長ぶりに驚きました。心配した雨にもほとんど会わずに31種の照葉樹を確認でき、初冬の森歩きを楽しみました。

[ 観察したもの ]
☆照葉樹:アオキ、アセビ、アラカシ、イヌツゲ、カゴノキ、サカキ、サネカズラ、シキミ、シャシャンボ、シラカシ、シロダモ、ソヨゴ、タブノキ、ツクバネガシ、ツブラジイ、ウラギンツルグミ、テイカカズラ、ナワシログミ、ナンテン、ネズミモチ、ヒイラギ、ヒサカキ、フユイチゴ、ミヤマシキミ、ムベ、モッコク、ヤブコウジ、ヤブツバキ、ヤブニッケイ、ヤマモモ、リンボク
☆花:アセビ、ヤブツバキ、オオカメノキ(花芽)、クロモジ(花芽)、シュンラン(花芽)
☆実:シロダモ、アオキ、ソヨゴ、アズキナシ、フユイチゴ、ミヤマガマズミ、ミヤマシキミ、サルトリイバラ、ナンテン、ムラサキシキブ、ヤブムラサキ、アオツヅラフジ、マルバノホロシ
☆鳥の声:ツグミ、ハシボソガラス、ヒヨドリ、メジロ、ルリビタキ、イカル、ソウシチョウ、ウグイス


1観察会風景
観察会風景

2シロダモ
シロダモ

3ムベ
ムベ

4ヤブツバキ
ヤブツバキ

5アセビ
アセビ

6フユイチゴ
フユイチゴ

7ツチグリ
ツチグリ

8ヤブムラサキ
ヤブムラサキ

9オオカメノキ 花芽
オオカメノキ 花芽

10クロモジ
クロモジ

11タブノキ
タブノキ

12カゴノキ
カゴノキ

第152回 やまじの森自然観察会報告

日 時:2023年11月18日(土)
天 気:曇り一時小雨のち晴れ
テーマ:落葉の色彩
参加者:13名

コース:ヤマモモ広場 → 林道 → 第一管理道 → サルナシ湿地 → シャラノキコース → ヤマモモ広場 → ヤマモモコース → ヤマモモ広場


 今日は肌寒い雨上がりの中、葉っぱを入れる袋をもって観察会はスタートした。
 寒くはなったものの紅葉には例年に比べ遅い状況であった。林道脇ではスルガテンナンショウ、少し遠くにミヤマシキミの赤い実が輝いていた。

 また、今年は紫色のムラサキシキブが目立つ存在であった。色づきだしていたのは黄色いシロモジ、タカノツメ、赤いオオカメノキ、イロハモミジ、カキノキがあり、落下したモッコクの赤い葉が印象的であった。

 第一管理道ではシロダモの赤くなった実、ヤブニッケイの黒い実が目を引いていた。オオカメノキで早々と葉を落とした木は花芽が多くついて春を待つ様子であった。サルナシ湿地を過ぎるとガンピの葉が色づき始めていた。

 コウヤボウキには一輪の花が残っていた。ソヨゴの赤い実も落下したものも多くあった。タマミズキの赤い実の成り具合、リンドウの花を確認して、ヤマモモ広場に集まり、みんなで集めた色とりどりの葉を種類別に分けて確認し、葉っぱのステンドグラスを完成させた。薄日が差す中、高く掲げて見ると歓声が上がっていた。天気は良くなかったが、秋の深まりを感じさせてくれる観察会であった。

【観察したもの】

【色づいた葉】
 シロモジ、オオカメノキ、ウリカエデ、イロハモミジ、ヤマザクラ、ガマズミ、ツタ、ガンピ、カマツカ、カキノキ、モッコク、タマミズキ等

【実】
 スルガテンナンショウ、ムラサキシキブ、ヤブムラサキ、シロダモ、ソヨゴ、ヤブニッケイ、フユイチゴ、ミヤマガマズミ

【花】
 コウヤボウキ、リンドウ、ノコンギク

【鳥】
 ヒヨドリ、メジロ、ハシボソガラス、コゲラ、アオジ、ヤマガラ、ソウシチョウ、ルリビタキ


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落葉の色彩20231118-01
落葉の色彩20231118-02
落葉の色彩20231118-03

第148回 やまじの森自然観察会報告

日 時:2023年10月21日(土)
天 気:曇り
テーマ:木の実、草のタネ
参加者:13名

観察コース ヤマモモ広場→林道→東海自然歩道(トイレ前)→北歩道→三叉広場→林道→ヤマモモ広場

やっと秋らしい気候になりましたが今日は曇り空です。
出発のヤマモモ広場のムベの実は大きくなってきました。林道のシロダモの緑色の実は赤く色づき始め、来月には赤い実と黄色の花がいっしょに見られるでしょう。赤猿峠への登り口付近にサルナシの実が落ちていました。サルナシのツルはこの森には数ヵ所ありますが、どのツルも高い木に絡みついて近くで花も実も見ることができません。大曲のススキの根元にはナンバンギセルが3輪まだ咲いていました。林道にはミズヒキ、イノコズチなどが引っ付き虫になり、シラヤマギク、ノコンギク、ヤマシロギク、アキチョウジなどが咲いています。水場近くのアケボノソウは今年は何者かに上部を食べられてしまい株も少なくなりましたが、他のところに少しずつ増えてきています。今日のムササビ君は熟睡中のようで顔を見せませんでした。林道脇のカラスザンショウにまだ小さいクロアゲハ(?)の幼虫がいました。元気な様子でしたが、これからの朝晩の気温の急降下が気がかりです。トイレ脇ではツクバネ、ナナカマド、ツルリンドウが実をつけ、少し雲興寺側へ行ったところにはセンブリが増えつぼみがたくさんついていました。

北歩道にはコウヤボウキが群生して、一年枝の先に薄ピンクの花がさいています。また、北歩道にはヤブムラサキの株が多く、ムラサキシキブとヤブムラサキとを見比べ、葉の感触と実の付き方でよく似た二つの違いを確認しました。

三叉付近にはセンボンヤリが春には可憐な白い花が咲きましたが秋は閉鎖花となり今は槍の穂先のようです。小川の丸木橋の近くにはアケボノソウが数本ちょうど見ごろでした。

今日はお昼になっても気温が上がらず肌寒い日となりましたが、木の実や草のタネそして秋の花をたくさん見ることができました。三叉広場で昼食の後林道をヤマモモ広場まで戻り、秋本番の観察会は終了しました。


観察できたもの(下見含む)

◎木の実と草のタネ アオキ アオハダ イヌコウジュ イノコズチ ガンクビソウ クサギ サルナシ シロダモ シロモジ スルガテンナンショウ センボンヤリ ソヨゴ ツクバネ ツルアリドオシ ツルリンドウ ナナカマド ミズヒキ ムベ ムラサキシキブ ヤブコウジ ヤブニッケイ ヤブムラサキ など

◎咲いていた花 アキチョウジ アキノキリンソウ アケボノソウ コウヤボウキ コメナモミ シラヤマギク センブリ ツルニンジン ナンバンギセル ノコンギク ヤマシロギク など

鳥の声 ウグイス カケス ソウシチョウ ハシボソガラス ヒヨドリ メジロ ヤマガラ など

第147回 やまじの森自然観察会報告

⽇ 時:2023年9⽉16⽇(⼟)
天 気:晴れ
テーマ:秋の野草
参加者:17名
観察コース:ヤマモモ広場 → ヤマモモコース → サルナシ湿地 → ホオノキ平 → カワセミコース → 林道 → ⼤曲→ ヤマモモ広場(昼⾷)→ ゲート → 変電所前(解散)

 9⽉中旬とはいえ連⽇の猛暑です。17名で秋の植物を探してヤマモモコースを歩き、下⾒で⾒たニガクリタケが数⽇後には⼤きく無残な姿になっていることに驚きました。ヒメジソの花を⾒つけ、爽やかな葉の⾹りを楽しみ、イヌコウジュとの違いを確認しました。イネ科のチヂミザサやハイチゴザサの⼩さな花の雄しべ、雌しべもルーペでのぞいてみました。キセルの先の雁⾸に似ていることから名付けられたガンクビソウ、サジガンクビソウも⽬⽴たないけれど花盛りです。
 ホオノキ平の坂道に清楚なシラヤマギクが2株咲いていました。アキチョウジの花を期待してカワセミコースを歩きました。猛暑のせいでもあるのか株数が激減し、上部を喰われた株もありましたが、かろうじて咲き始めた数個の⻘紫⾊の花を⾒つけることができ安堵しました。
 林道に出て道脇の植物を観察しながら⼤曲まで上っていきました。マツカゼソウが⼩さな⽩い花を付けていますがこの葉は匂いが特有のためか⿅は嫌って⾷べません。秋分間近でシュウブンソウが咲き、登⼭⼝ではヒガンバナも咲いていました。⼤曲ではオオバウマノスズクサに季節外れの花が1つぶら下がり、葉の裏にはジャコウアゲハの幼⾍を1匹⾒つけることができ皆で喜びました。
 ヤマモモ広場に戻っての昼⾷後、ゲートを出て変電所前の空き地に移動し、ナンバンギセルの花を観察しました。南蛮という名がついていますが万葉集では思い草と呼ばれた在来種でススキなどの根に寄⽣する植物です。ここでは昨年より株が増えています。
 蒸し暑いひとときでしたが着実に秋が訪れているのを感じることができました。

【上記以外に観察したもの】
[草本] アブラガヤ、トダシバ、ナキリスゲ、ヤブタバコ、ウリクサ、ハシカグサ、キツネノマゴ、マルバノホロシ、アキノノゲシ、センブリ、タケニグサ、ミズヒキ、ヒメキンミズヒキ、アレチヌスビトハギ等
[木本] ムベ(実)、シロモジ(実)、シャシャンボ(実)、アオハダ(実)、クサギ(花、実)、ツクバネウツギ(萼片)等
[きのこ] アンズタケ、ベニウスタケ、カワラタケ等
[鳥の声] ヤマガラ、メジロ、ソウシチョウ、コゲラ、ヒヨドリ
[その他] ヌルデミミフシ、ヤママユの繭

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ヒメジソ

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ハイチゴザサ

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ガンクビソウ

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シラヤマギク

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アキチョウジ

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シュウブンソウ

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オオバウマノスズクサ

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ナンバンギセル

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アレチヌスビトハギ

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アンズタケ

第146回 猿投の森自然観察会報告

日 時 2023年8月19日(土)
天 気 晴れ
テーマ 雑木林の虫
参加者 14名

< 観察コース >
変電所前→ゲート手前を左折
→ゲートへ戻り→アジサイコース→サルナシ湿地
→ヤマモモコース→ヤマモモ広場→林道→変電所前

何探してるの?2023.8

朝から暑い日になりましたが、変電所前から出発しました。
変電所前の石垣のガガイモの花の上には、
ヒメジュウジナガカメムシが数匹ついていました。
ゲート前までの湿った林道に入る手前のナツハゼの木の上に、
コガタスズメバチの15㎝ほどの巣があり、
スズメバチが出入りしていました。静かにそーっと通り過ぎました。
これからの季節注意が必要です。

スズメバチの巣2023.8
スズメバチの巣

今日のテーマは「雑木林の虫」です。
去年虫がいた樹やゲート手前のアベマキの樹液が
出ているところを探します。
下見時には、コナラの細い木にノコギリクワガタを発見しました。
今日はアジサイコースのアベマキの大木に、
ノコギリクワガタが6~7匹ついていました。
ノーチェックの樹で、虫を引き寄せる何かがあったのでしょうか。

ノコギリクワガタ2023.8
ノコギリクワガタ

コナラの下にはドングリをつけた小枝が落ちています。
ゾウムシの仲間のハイイロチョッキリが未熟な緑色の
ドングリに卵を産み付けて小枝を切り落としたものです。
枝を切り落とす行為は、他のメスに同じドングリに
産卵させないためとかえった幼虫に、ドングリ1個分の食料を
確保するためとも言われています。
切り落とされた小枝はかなりの数です。

コナラの枝2023.8
コナラの枝

マダラアシゾウムシ2023.8
マダラアシゾウムシ

足元にはミズタマソウが小さな花の下に小さな実をつけています。
ダイコンソウは集合果になっています。
マツカゼソウの白い花やフユイチゴの花も咲いています。
ノリウツギ、クサギは満開です。ミズヒキ、キンミズヒキ、
ヒヨドリバナ、シュウブンソウなど秋の花が咲き始めました。
アブラゼミ、ミンミンゼミに加えて、ツクツクボウシが
鳴いていますが姿が見えません。

フユイチゴ2023.8
フユイチゴ

連日の猛暑の中でも、森の中はいつもと変わらず
多くの種の虫たちが活動していました。

ゲート近くの小川が流れる場所で昼食をとり変電所前まで戻り、
真夏の観察会は終了しました。


観察できたもの(下見時含む)

◎観察した虫
アブラゼミ ウズグモ オニベニシタバ(幼虫) カナブン コガタスズメバチ コチャバネセセリ キンモンガ コガネムシ ザトウムシ シオカラトンボ ツクツクボウシ(声) ナミアゲハ ノコギリクワガタ マダラアシゾウムシ ミスジチョウ ミンミンゼミ(声) など

◎木の花
クサギ ノリウツギ フユイチゴ マルバハギ など

◎草の花
オニドコロ ガガイモ ガンクビソウ キツネノマゴ キンミズヒキ ゲンノショウコ サジガンクビソウ シュウブンソウ ダイコンソウ ツルニガクサ ヌマトラノオ ノブキ ヒメキンミズヒキ ヒヨドリバナ ヘクソカズラ ミズタマソウ ミズヒキ ミヤマウズラ ヤブラン など

◎鳥の声
エナガ コゲラ ソウシチョウ ヒヨドリ ホトトギス メジロ ヤマガラ


サワフタギの実2023.8
サワフタギ

マルバハギ2023.8
マルバハギ

第145回 やまじの森の自然観察会報告

 日 時:2023年7月15日(土)
 天 気:晴れ
 テーマ:夏の山野草
 参加者:17名
 < 観察コース >
 ヤマモモ広場(集合)➡猿投登山口➡大曲➡水場➡トイレ

 北歩道➡杉の谷入口➡三叉広場(昼食)
 ・・・ヤマモモ広場(解散)

 まだ梅雨明けとはならずに、今日も昨日より蒸し暑くなり
 熱中症注意への喚起がなされる中、17名の参加を得て観察会
 を開始した。

 ヤマモモ広場ではウワミズザクラの赤や黒っぽい実の間に
 ムベの実を
1個確認することができた。
 林道に出てすぐにコクランを観察したが、
新たに、少し先
 の道端で立派なコクランを観察できた。
 また、11日に除伐作業を実施したエリアではシロダモの実
 を確認した。

 林道脇のムラサキニガナやハエドクソウなどを見ながら
 大曲の
オオバウマノスズクサを食草とするジャコウアゲハの
 幼虫を観察した。
 今回は、2匹の幼虫を確認した。雨で土砂流出が目立つ林道
 歩きを
続け、左にアキノタムラソウ、右にバイカツツジの花
 も見られた。
 水場近くの木の穴に住むムササビは顔を出してはいなかったが、
 下見時は帰り道で見ることができた。

 林道脇には房状で黒紫色の実になるヨウシュヤマゴボウの
 花が白く
輝いていた。トイレ脇ではツクバネの成長を眺め、
 トイレ脇の小川を
渡ったところには、ミカワショウマや
 チダケサシ、チダケサシの中に
ツチアケビが見頃を迎えていた。
 北歩道に入り足元に白い花びらが
点々と見られ、見上げると
 リョウブの花が満開を迎えていた。

 ヤブムラサキの葉のふわふわとした感触を指に受けながら
 また、オオルリがいたと聞いて遠くの梢を眺め三叉広場に
 到着した。
 三叉エリアにあったチダケサシは、花の咲く部分がかじられ
 花を見ることが
できなかった。また、ミカワショウマも葉
 だけしか確認出なかった。

 三叉で早めの昼食をとり、小川のほとりでは涼しさを感じとる
 ことができた。
 食事を終え、ツルニガクサの小さな花をみんなでカメラ撮影し、
 下山を
開始した。三叉脇のナツツバキは花を終え、ネムノキの
 花が高い位置で
咲き誇っていた。下山時にサルナシの実も
 林道から見ることができたが、
ノギランはまだ蕾状態であった。

 最後は、ヤマモモ広場から少し下ったところにあるモッコクの
 花を
見て観察会を終了した。

 < 観察できたもの >

 【花】コクラン、ハエドクソウ、ムラサキニガナ、
    ヨウシュヤマゴボウ、
アキノタムラソウ、ミカワショウマ、
    チダケサシ、ツチアケビ、
ツルニガクサ、

 【木の花】バイカツツジ、リョウブ、ネムノキ、モッコク、
      ツクバネ

 【木の実】ムベ、ウワミズザクラ、シロダモ、ウスノキ、サルナシ、
      エゴノキ、シロモジ、

 【鳥の声】ヒヨドリ、ソウシチョウ、メジロ、クロツグミ、
      センダイムシクイ、イカル、ヤマガラ、ウグイス、
      コゲラ、
オオルリ、キビタキ、ヒガラ

第144回 やまじの森 自然観察会報告

日 時:2023年6月17日(土)
天 気:晴れ

テーマ:水辺の植物
参加者:26名

12_観察会風景


【 観察コース 】
ヤマモモ広場 → シャラノキコース → サルナシ湿地 → 
第1管理道 → アジサイコース → 林道 → ヤマモモ広場

 快晴、30度を超えるという予報であっても、森の中は爽やかです。

 シャラノキコースでは、ヒメシャラとナツツバキ両方の白い花が落ちていて、違いを確認することができました。ヒメシャラの木の下で、イチヤクソウ数株が花を付けていました。

 サルナシ湿地の入り口に生えるオニスゲ、ミヤマシラスゲ、ホタル
イ等を観察し、木道へ回り、そこでクロコノマチョウの幼虫を探しました。今年もツルヨシの葉裏で数匹の幼虫と、透けるように美しい黄緑色の蛹を見つけることができました。

 第一管理道に入ると、一面にイグサ科のクサイが生えています。まっ
たく目立たない草ですが、ルーペで見てみると星のような花や丸い実が可愛くて、しばらくのあいだ皆で観察しました。数か所でバイカツツジが咲いていますが、名前のように梅の花に似た形の可憐な花を葉裏で下向きに付けているので見落としがちです。

 アジサイコー
スでは、コアジサイに代ってアジサイ、ガクアジサイが見頃、林道脇ではウラジロが群生して斜面を覆い壮観です。

 今回はシロモジ、タカノツメ、サルトリイバラ、アマヅル等の実を見つけるだけでなく、スノキ、ウスノキ、ナツハゼ、ニガイチゴの熟した実を味わい、クロモジやクサギの匂いを嗅ぎ、夏鳥の声を聴きながら、五感で自然を楽しむことができました。

< 観察したもの >
水辺の植物:ツルヨシ、オニスゲ、ミヤマシラスゲ、ホタルイ、イグサ等
草の花  :イチヤクソウ、クサイ、コナスビ、ニガナ、オカトラノオ、クモキリソウ、ジガバチソウ(残花)
樹の花  :ナツツバキ、ヒメシャラ、バイカツツジ、サカキ、ムラサキシキブ、アジサイ、ガクアジサイ
鳥(の声):キビタキ、サンショウクイ、ホトトギス、メジロ、シジュウカラ、ウグイス、アオゲラ、ソウシチョウ、センダイムシクイ、ヒヨドリ、コゲラ、ヤブサメ
虫    :クロコノマチョウ(幼虫・蛹)、クスサン(幼虫)、キンモンガ、オオシオカラトンボ(雄、雌)、ザトウムシ


01_ナツツバキ
ナツツバキ

02_ヒメシャラ
ヒメシャラ

03_イチヤクソウ
イチヤクソウ

04_ムラサキシキブ
ムラサキシキブ

05_オニスゲ
オニスゲ

06_クロコノマチョウ_幼虫
クロコノマチョウの幼虫

07_クロコノマチョウ_蛹
クロコノマチョウの蛹

08_クサイ
クサイ

08-2_バイカツツジ
バイカツツジ

09_スノキ
スノキ

10_ウスノキ
ウスノキ

11_クロモジとウラジロ
クロモジとウラジロ

第143回猿投の森自然観察会報告


日時 2023520日(土)  天気 晴れ

テーマ 新緑の雑木林

参加者 23

観察コース ヤマモモ広場→林道→北歩道→三叉広場→林道→ヤマモモ広場

初夏の風がさわやかな朝です。今日は奥の三叉広場まで林道を往復します。出発はヤ マモモ広場から少し下ったハンショウヅルの観察からです。昨年より株も増え花も多くついていましたが見ごろは過ぎていました。大曲のオオバウマノスズクサは何年か 前伐採され壊滅状態になりましたが、今では数本が奥のハリエンジュにツルを絡ませ 花もつきなんとか回復傾向にあります。エゴノキ、タニウツギ、コゴメウツギ、ジャケツイバラも満開は過ぎていました。植物の開花時期はその年によって異なりますが 今年は例年より早いように感じます。林道のコアジサイが薄紫の花を咲かせ始めました。ほんのりといい香りがします。この森では数の少ないコツクバネウツギのオレンジ色の花が咲いています。今日はムササビが顔を出しました。参加者の中には初めて 見たかたも多く森の人気者です。近くの水たまりにタゴガエルの灰色の小さなオタマジャクシがいました。タゴガエルは以前そのあたりで見たことはありましたが、オタ マジャクシは初めてです。ツクバネの花はひっそりと咲き、ヤマボウシの白い花は樹 間から目立ちます。三叉広場は開放感がありホッとします。クロツグミが鳴きその姿 も見ることができました。5月は花の季節で森は一段と華やかです。森の新緑や鳥の 声、樹々の花草の花に元気をもらった観察会でした。

観察できたもの
◎樹の花 エゴノキ オオバウマノスズクサ カイナンサラサドウダン コアジサイ  コゴメウツギ コツクバネウツギ サルナシ ジャケツイバラ タニウツギ ツク バネ ハンショウヅル ミズキ ヤマボウシ など 

◎草の花 イチヤクソウ(蕾) オニタビラコ クモキリソウ ササユリ(蕾) ツ チアケビ トウバナ ニガナ ハナニガナ ヒメアギスミレ ヘビイチゴ ミヤマナルコユリ など

◎鳥の声 ウグイス オオルリ キビタキ クロツグミ コゲラ サンショウクイ  センダイムシクイ ソウシチョウ ツツドリ ヒヨドリ メジロ

◎その他 ジャコウアゲハ タゴガエルのオタマジャクシ ムササビ など

コアジサイ2023.5
コアジサイ
コゴメウツギ2023.5
コゴメウツギ
コツクバネウツギ2023.5
コツクバネウツギ
タニウツギ2023.5
タニウツギ
タゴガエルのオタマジャクシ2023.5
タゴガエルのオタマジャクシ
ムササビ2023.5
ムササビ

観察できたもの
◎樹の花 エゴノキ オオバウマノスズクサ カイナンサラサドウダン コアジサイ  コゴメウツギ コツクバネウツギ サルナシ ジャケツイバラ タニウツギ ツク バネ ハンショウヅル ミズキ ヤマボウシ など
◎草の花 イチヤクソウ(蕾) オニタビラコ クモキリソウ ササユリ(蕾) ツ チアケビ トウバナ ニガナ ハナニガナ ヒメアギスミレ ヘビイチゴ ミヤマナ ルコユリ など
◎鳥の声 ウグイス オオルリ キビタキ クロツグミ コゲラ サンショウクイ  センダイムシクイ ソウシチョウ ツツドリ ヒヨドリ メジロ
◎その他 ジャコウアゲハ タゴガエルのオタマジャクシ ムササビ など

第142回やまじの森自然観察会報告

 開催日:2023年4月15日(土)  天気:雨

 参加者:7名   テーマ:木々の芽吹き

 観察コース:ヤマモモ広場 ⇒ シャラノキコース 
       ⇒ サルナシ湿地
 ⇒ 第一管理道 
       ⇒ アジサイコース ⇒ 林道 ⇒ ヤマモモ広場

 終日雨予報の中、風がほとんどなくヤマモモ広場からスタートした。ヤマモモ広場では、たっぷりの雨に濡れたウワミズザクラが多く望まれ土手にはイチヤクソウの蕾が凛として雨に打たれていた。
 シャラノキ
コースで最初に目に入ったのがアラカシの赤い若葉、通路脇のウラジロノキの若葉などであった。ツクバネウツギやウツギの花芽、また、ウスノキの垂れ下がった花などが印象に残った。
 5日前の下見で試食した
ナワシログミは一個も残っていなかった。鳥に食べられたものと考えられた。これまでも赤い実のないグミを見てきたが、赤くなったら鳥が先に頂いていたのかと納得した。
 アジサイコースに入るとチゴユリや
タチシオデの花が足元に花開いていた。林道脇のハンショウヅルも蕾を膨らませ、ホウチャクソウも大きく伸びていた。

◎芽吹きの状況

 シロモジ、クロモジ、マルバアオダモ、ミヤマガマズミ、コバノガマズミの花は 満開を過ぎようとしていた。また、タカノツメ、ツクバネウツギ、カマツカ、コゴメウツギは蕾が膨らんでいた。

◎野鳥の声

 クロツグミ、キビタキ、オオルリ、ヒヨドリ、コマドリ、ソウシチョウ ヤブサメ、メジロ、シジュウカラ、センダイムシクイ、ウグイス、ハシボソガラス

ウワミズザクラ
ウワミズザクラ
ウラジロノキサカキ
ウラジロノキ         サカキ
イチヤクソウ
イチヤクソウ
ウツギツウバネウツギ
  ウツギ         ツクバネウツギ
ウスノキ5日前のナワシログミ
 ウスノキ       5日前のナワシログミ
赤い実のないナワシログミの前で何を見てる?
赤い実のないナワシログミの前で         何を見てる? 
タチシオデチゴユリ
タチシオデ            チゴユリ
ハンショウヅルコゴメウツギ
ハンショウヅル        コゴメウツギ   


第141回 やまじの森自然観察会報告

日時  2023年3月18日(土) 天気 雨
参加者 6名
テーマ 春をさがそう
コース ヤマモモ広場 ー 林道 ー 展望台 ー キツツキコース ー アジサイコース ー 第1管理道 ー サルナシ湿地 ー シャラノキコース ー ヤマモモ広場
 3日前の下見では暖かな日差しのなか成虫越冬の蝶ルリタテハやテングチョウに出会い、咲き始めた花々をめで、ウグイスの声を楽しみながら散策しましたが、本番は雨の中の観察会でした。林道脇やシャラノキコースのトサミズキ、ヤマモモ広場の谷のキブシは満開で黄色のかんざしのような花房を垂らしています。展望台付近ではガスのような独特の匂いのヒサカキの雄花、雌花やクロモジが咲き、キツツキコースでは数株のマキノスミレの赤紫色の花が可憐です。オオカメノキやコバノミツバツツジも咲き始めています。サルナシ湿地では数年ぶりにヒキガエルの卵塊を見つけましたが水量が少ないので無事に育つか心配です。ヤマモモ広場の上手のヤマザクラがもう咲いているのに気づき驚きました。今年は花暦が早そうです。雨に濡れた花も緑も美しく、春の訪れをしっかり感じることができました。

観察したもの  *( )は下見
[樹の花] トサミズキ、キブシ、クロモジ、シロモジ、ヒサカキ、コバノミツバツツジ、オオカメノキ、シキミ、ヤブツバキ、アセビ、ウグイスカグラ、ヤマザクラ
[草の花] マキノスミレ、シュンラン、ショウジョウバカマ、スズカカンアオイ、ヒメカンスゲ
[鳥] ヒヨドリ、ソウシチョウ、メジロ、コゲラ、(ウグイス)、(ヤマガラ)
[昆虫その他] (テングチョウ)、(ルリタテハ)、(カナヘビ)、アズマヒキガエルの卵塊
12
トサミズキ                            キブシ
34
ヒサカキ 雄花                        ヒサカキ 雌花
56
クロモジ 雄花                      マキノスミレ      
78
コバノミツバツツジ                   シュンラン
910
ウグイスカグラ                   ショウジョウバカマ
1112
テングチョウ                         ルリタテハ


第140回猿投の森自然観察会報告

日時 2023218日(土) 天気 晴れのち曇り

テーマ 冬芽

参加者 12

観察コース 中電変電所前→ゲート→第一管理道→サルナシ湿地→シャラノキコース→ヤマモモ広場→ゲート→変電所前 

おだやかな春を思わせる日差しの中、変電所前から出発しました。今日のテーマは「冬芽」です。冬芽とは冬を越し春に芽を出す花芽や葉芽のことをいいます。冬芽と同時に葉痕(葉が落ちた痕)も観察すると動物の顔や怪獣の顔に見えてきます。樹によって特徴があり、その特徴を見つけて葉を落とした樹の名前を知ることができます。冬芽と葉痕の観察は冬の自然観察の楽しみの一つでもあります。第一管理道手前のコウヤミズキにはもう黄色の花が12輪咲いていました。今年のオオカメノキには花芽の付きが少ないように思います。マルバアオダモの冬芽の色は渋いグレーです。リョウブのナポレオンハットはまだ残っています。ホオノキ平のホオノキの冬芽は大きな薄紫色です。サルナシ湿地脇ではマンサクの花が満開でした。シュンランの花芽を見つけましたが、年々少なくなっているようで心配です。ネジキ、コクサギとともに三大美芽といわれるザイフリボクの冬芽は赤くツヤがあり芽鱗の間から白毛が出ています。アセビは白いつぼ型の花をつけて咲き始めました。ヒメシャラの冬芽は白い毛を出し陽に当たるとキラキラ光っています。もう1ヶ月もすると冬芽は開きはじめ森は華やかになります。参加者のみなさんは観察熱心でお昼にヤマモモ広場に到着できるかなと思っていましたが、時間通りヤマモモ広場奥の南斜面のマンサクの花の下でお昼をとり、変電所前まで戻り、春の訪れを感じた観察会は終了しました。

 

観察できたもの

◎冬芽 アカメガシワ ウグイスカグラ ウリカエデ ウワミズザクラ エゴノキ オオウラジロノキ オオカメノキ オオバヤシャブシ カスミザクラ クロモジ コアジサイ コウヤボウキ コウヤミズキ コゴメウツギ コバノガマズミ コバノミツバツツジ コブシ ゴンズイ ザイフリボク サルトリイバラ シロモジ ジャケツイバラ タカノツメ タラノキ ダンコウバイ ツクバネウツギ ナツツバキ ヌルデ ネジキ ノイバラ ノリウツギ ハリエンジュ バイカツツジ ヒメシャラ ヒメヤシャブシ ホオノキ マルバアオダモ ミズキ ミヤコイバラ ムラサキシキブ ヤブムラサキ リョウブ など

◎花 アセビ コウヤミズキ スズカカンアオイ マンサク ヤブツバキ

◎鳥の声 ヒヨドリ ツグミ オシドリ ヤマガラ ハシブトカラス ソウシチョウ コゲラ メジロ シジュウカラ ウグイス

アセビ2023.2
アセビ
オオカメノキ2023.2
オオカメノキ
コウヤミズキ2023.2
コウヤミズキ
ザイフリボク2023.2
ザイフリボク
ヒメシャラ2023.2
ヒメシャラ
マルバアオダモ2023.2
マルバアオダモ
リョウブ2023.2
リョウブ

第139回猿投の森自然観察会報告

日時  令和51月21日(土)  天気  晴れ
テーマ 冬の野鳥観察        
参加者  14名
観察コース 中部電力瀬戸変電所前林道入口ゲート第一管理道途中から山道東海環状自動車道側道赤津インター脇巡間町(はざまちょう)ため池取水池山道第一管理道アジサイコースシラカシ広場ゲート変電所前
 良い天気に恵まれたが冷たい風の吹く出発となった。
  出発地点の瀬戸
変電所前は風の通り道で特に寒いと感じた。土手の上のサザンカではメジロの鳴き声が聞けた。
  その後は寒かったために足早に歩きシラカシ
広場脇のツバキを見て第一管理道へと入ったが鳥の姿はなく、高速道路脇の道を歩き始めてノスリの飛ぶ姿を見ることができ、一気にその場の雰囲気が盛り上がった野鳥観察であった。更にその後はベニマシコが側道脇で多く見られ、「アオジもいる」との声まで入り、ゆっくりと 観察しながら進んだ。
 赤津インター脇を抜けて巡間町ため池に着き、ヨシガモの群れ、
キンクロハジロ、カイツブリなどを観察することができ、少し寒かったが、この場所で鳥を観察しながらの昼食とした。
  下見時に観察できたマガモは見ることが出来なかった。
帰りは逆光となり、ふり返りながら観察して出発地に戻った。終礼は風の当たらない陽だまりの林道入り口で行い、真上では松の実 を食べるヤマガラを見ることができた。

画像2
シラカシ広場脇の椿
IMG_7575ノスリを確認
   ノスリを見る参加者
画像3画像4
ベニマシコ         ベニマシコ
画像5画像6
ヨシガモ          ヨシガモ
画像7画像8
    マガモ        松の実を食べるヤマガラ
画像9
赤津インター脇を歩き巡間町ため池へ向かう




〇鳥

 メジロ、ヒヨドリ、ソウシチョウ、ベニマシコ、アオジ、ノスリ、トビ、セグロセキレイ、ハシボソガラス、キジバト、ホシハジロ、ヨシガモ、キンクロハジロ、カイツブリ、シロハラ、カワラヒワ、コゲラ、ヤマガラ
〇途中で目についたもの
 ヒメユズリハ、カラスザンショウ、アオツヅラフジ、イタチハギ、ヤブツバキ

第138回猿投の森自然観察会報告

日時  2022年1217日(土)   天気 曇り

テーマ 照葉樹

参加者 9

観察コース  
 ヤマモモ広場→シャラノキコース→サルナシ湿地→ホオノキ平→第一管理道→林道→ヤマモモ広場
 

 森の落葉樹は秋の名残を残しながらもまだ葉を落としています。林床は明るくなり緑の葉が目立ってきました。
 今日のテーマは「照葉樹」です。
 照葉樹とは冬でも葉を落とさない厚くて照りのある緑の葉を持つ常緑広葉樹のことです。猿投の森ではヤブツバキ、ヒサカキ、アオキなどが代表です。よく似た葉を持つ照葉樹ですが、葉の付き方(互生か対生か)、鋸歯の有無、分裂葉か不分裂葉か、葉柄の長さ、冬芽の形などで見分けます。
 今にも降りそうな曇り空の下、タカノツメの甘い香りのする落ち葉を踏みながら出発です。ヤブツバキが咲き始めました。12月は実も多い季節です。アオキの実は赤くなってきました。ヤブムラサキの紫色の実が少し残っています。フユイチゴの赤い実は食べごろです。赤紫色のツルリンドウの実はつややかです。ホオノキ平ではシャシャンボの実が生っていました。ミヤマシキミの赤い実のとなりには薄いピンクの花芽がついています。毎年赤いビーズのような実をつけていたタマミズキはヤマモモ広場近くや第二管理道のどちらも今年は実が確認できませんでした。
 ゴールのヤマモモ広場で今日見た緑の葉を確認し、30種類の照葉樹をみつけることができました。解散直後、雨が降り出しました。
 

観察できたもの
◎照葉樹
 アオキ アセビ アラカシ イヌツゲ ウラジロガシ サカキ シキミ シャシャンボ シラカシ シロダモ スイカズラ ソヨゴ タブノキ ツクバネガシ ツブラジイ テイカカズラ ナワシログミ ナンテン ネズミモチ ヒイラギ ヒサカキ フユイチゴ マンリョウ ミヤマシキミ ムベ モッコク ヤブコウジ ヤブツバキ ヤブニッケイ ヤマモモ 

◎花 
 アセビ(花芽) シュンラン(花芽) スズカカンアオイ(花芽) ミヤマシキミ(花芽) ヤブツバキ
 

◎実 
 アオキ シャシャンボ ソヨゴ ツルアリドオシ ツルリンドウ フユイチゴ ミヤマシキミ ムラサキシキブ ヤブコウジ ヤブムラサキ など

ヤブツバキ2022.12
ヤブツバキ
アオキ2022.12
アオキ
フユイチゴ2022.12
フユイチゴ
ツルリンドウ2022.12
ツルリンドウ
ミヤマシキミ2022.12
ミヤマシキミ
名残の秋2022.12
名残の秋

第137回 やまじの森自然観察会報告

日時  令和41119日(土)   天気  晴れ

テーマ 落ち葉の色彩         
参加者 15

コース 
ヤマモモ広場 ー 林道 ー 第1管理道 ー サルナシ湿地 ー シャラノキコース -ヤマモモ広場 - ヤマモモコース往復 ー ヤマモモ広場(昼食) 

 やまじの森は今、紅葉、黄葉の最盛期です。葉っぱを入れる袋を参加者に渡して出発しました。ウワミズザクラ、コアジサイ、アカメガシワ、シロモジ等、黄色の葉が多い森ですがそこにイロハモミジやツタなどの赤、散り敷くアベマキやコナラの茶、常緑樹やシダの緑が入り様々な色彩を楽しむことができました。1枚の葉の中にも赤、橙、黄、緑、茶などの色が混ざっています。日光の当たり方で紅葉の程度が異なります。同じ科でもタカノツメは鮮やかな黄色、コシアブラは淡い黄色で個性的です。天気に恵まれたので、木々の葉が青空に映え、木漏れ日に透ける様子にも歓声が上がりました。 

 ヤマモモ広場に戻り、集めたものを種類別に分け確認したあと、葉っぱのステンドグラスを作成しました。自然界の色彩美を存分に味わうことができました。 

【観察したもの】

[紅葉、黄葉]
イロハモミジ、ウリカエデ、オオカメノキ、ヤマザクラ、ウワミズザクラ、カマツカ、コゴメウツギ、シロモジ、クロモジ、アカメガシワ、コアジサイ、ガンピ、モチツツジ、ヤマツツジ、ヤマボウシ、ヒメシャラ、ガマズミ、ミヤマガマズミ、ツタ、ヌルデ、ヤマウルシ、カキノキ、タチシオデ 等

[花]
ノコンギク、コウヤボウキ、ヤブツバキ、リンドウ(蕾)

[実]
フユイチゴ、ムラサキシキブ、ヤブムラサキ、オオウラジロノキ、ウスノキ、スルガテンナンショウ

[鳥]
ソウシチョウ、ハシブトガラス、ヒヨドリ、コゲラ、ルリビタキ、シジュウカラ、ハシボソガラス、エナガ、メジロ

イロハモミジカマツカ
イロハカエデ         カマツカ
ガンピウリカエデ
ガンピ           ウリカエデ
シロモジアカメガシワ
    シロモジ          アカメガシワ   
オオカメノキタカノツメ
オオカメノキ        タカノツメ
カキノキドウダンツツジ
  カキノキ         ドウダンツツジ
ウスノキコアジサイ
ウスノキ         コアジサイ
集めた色とりどりの葉
集めた色とりどりの葉
葉っぱのステンドグラス
葉っぱのステンドグラス


第136回 やまじの森自然観察会報告

日時:令和4年10月15日(土) 天気:晴れ

テーマ:木の実、草のたね 参加者:17名

観察コース:ヤマモモ広場→林道(東海自然歩道)→トイレ→北歩道→やまじ小屋跡→三叉(昼食)→林道→ヤマモモ広場

 今日は天気も良く林道を歩いて三叉までのコースとした。歩き初めて直ぐにマツカゼソウに注目が集まり、猿投山登山口の手前では、ヤマザクラに絡んだサルナシの実が望遠を覗くと確認できた。大曲ではナギナタコウジュの花がこれからの状態にあり、3日前は美味しそうな大きなアケビが実のっていたが、もうはじけてしまっていた。足元にはナンバンギセルの花が一輪咲いていた。
   ジャコウアゲハの幼虫の食草
であるオオバウマノスズクサがほとんどなくなり、増えることを期待したい。
   林道には、オオウラジロノキの実がころがり、林道脇ではセンボンヤリの閉鎖花を見ることができた。

   水場近くになると今が盛りのアケボノソウ、アキチョウジがみんなの興味を引き付けていた。
   ムササビの巣は顔出しがなく巣の周りの白いのが目を引いた。トイレ脇では、ツクバネ、ナナカマド、ヤブコウジの実を見ることができた。
   北歩道ではアキノキリンソウの花、ツルリンドウの実、コウヤボウキの花を見た。歩きの途中でヤブムラサキの葉に触りふわふわ感を感じとっていた。
   やまじ小屋跡ではセンブリの花が咲き始めていた。
   一本のハギの花を見終えて昼食タイムとした。
   トイレ脇での休憩時、三叉での昼食時にそれぞれ一頭のアサギマダラがすいすいと飛び

まわっていた。やまじの森は木々がやや色づきはじめ初秋の味わいを感じた観察会であった。

□ 木の実とタネ
   オオウラジロノキ、シロモジ、ツクバネ、ミヤマシキミ、ヤブコウジ、 ツルリンドウ、クサギ、アキノキリンソウ、ガンクビソウ、マツカゼソウ、イヌコウジュ、チゴユリ、ナナカマド
□ 咲いていた花
 アケボノソウ、アキチョウジ、センブリ、ナンバンギセル、ノコンギク,コウヤボウキ、アキノキリンソウ等
□ 鳥
 メジロ、ヒヨドリ、モズ、カケス、ヤマガラ、アオゲラ

IMG_6756サルナシを見る
サルナシを見る
IMG_6792アキチョウジ
アキチョウジ
DSC_1434ヤブコウジDSC_1438アケボノャE
ヤブコウジ      アケボノソウ
DSC_1474シロモジの実DSC_1475マツカゼャEの実
シロモジの実       マツカゼソウの実
DSC_1560センブリDSC_1570クサギ
センブリ          クサギ


第134回猿投の森自然観察会報告

日 時 2022820日(土)  天気 曇り

 テーマ 雑木林の虫

 参加者 19

 観察コース 変電所前→ゲート手前を左折→ゲートへ戻り→アジサイコース→サルナシ湿地→ヤマモモコース→ヤマモモ広場(昼食)→林道→変電所前

    出発地の変電所前の石垣にはガガイモの毛深い淡紫色の花が咲いていました。少し歩いたところのススキの根元に毎年この時期咲いているナンバンギセルはまだ花芽が出たばかりの状態でした。
    湿った林道にはノブキの白い花が咲きはじめました。
    今日のテーマは虫の観察です。
  ゲート手前を左折し奥へ行ったところのアベマキの樹に下見の時にはカブトムシのオスやコクワガタがいましたが、今日は天気のせいか暑さのせいか見つけることができませんでした。カラスザンショウの小木に8㎝くらいのクロアゲハの幼虫(たぶん終齢)がついていました。頭部や胸部をたたくと赤い臭角を出し今日一番の人気者になりました。サルナシ湿地ではクロコノマチョウの蛹を見つけましたがすでに羽化した後でした。ガガンボが忙しく動いています。
 下見の時にはミツバツツジの葉の中にハラビロカマキリを見つけました。足もとに置いてみるとお尻を上げて威嚇ポーズをとりました。カマキリの威嚇ポーズ、かわいいです。
 森の中はもうツクツクボウシが盛んに鳴いて夏の終わりを知らせているようでした。
 ガンクビソウ、ヒヨドリバナ、ミズヒキなどの秋の花が咲きはじめ季節は遅れることなく移り変わろうとしています。ヤマモモ広場から林道を変電所前まで戻り、暑かった真夏の観察会は終了しました。

 

観察できたもの(下見時含む)

◎観察した虫 アオバハゴロモ ウスバキトンボ ガガンボ カブトムシ キンモン

ガ コガネムシ クロアゲハ(幼虫) コクワガタ サトキマダラヒカゲ シオヤア

ブ タマムシ ツクツクボウシ ナミアゲハ ハラビロカマキリ ヒメウラナミジャ

ノメなど

クロアゲハの幼虫2022.8
クロアゲハの幼虫
シオヤアブ(♂)2022.8
シオヤアブ(♂)
ハラビロカマキリ2022.8
ハラビロカマキリ
◎木の花 クサギ ノリウツギ フユイチゴ マルバハギなど
ガガイモ2022.8
ガガイモ
ヌマトラノオ2022.8
  ヌマトラノオ
マルバハギ2022.8
マルバハギ
◎草の花 オニドコロ ガガイモ ガンクビソウ キツネノマゴ キンミズヒキ サジガンクビソウ ダイコンソウ ツルニガクサ ナンバンギセル ヌスビトハギ ヌ 
マトラノオ ノブキ ヒヨドリバナ ヘクソカズラ マルバノホロシ ミズタマソウ ミズヒキ メマツヨイグサ ヤマノイモ ヤブランなど 
  
◎鳥の声 メジロ コゲラ ヒヨドリ ソウシチョウ

第132回 やまじの森自然観察会報告

日時   2022年6月18日(土)   天気  曇り一時雨 
テーマ  水辺の植物         参加者 16名
コース  ヤマモモ広場ーシャラノキコースーサルナシ湿地ーホオノキ平ー第1管理道ーアジサイコースー林道ーヤマモモ広場 

 雨を心配しながら出発し、シャラノキコースへ向かいました。昨年のこの時期の観察会ではヒメシャラ、ナツツバキ2種の花の大きさを比べたが、期待の花が樹上にも地面にも見当たらず、落花した数輪のヒメシャラをなんとか見つけることができました。高温の日が多かったせいか開花が例年より早かったようです。
 サルナシ湿地では今年も昨年に続きアズマヒキガエルの産卵はなくオタマジャクシを残念ながら見られません。木道の両側に生えているツルヨシの葉にクロコノマチョウがいないかと皆で探し、三日前の下見では前蛹状態だった個体が透き通った緑の蛹になっており、幼虫も見つけることができて満足しました。
 アジサイ、ガクアジサイ、ヤマアジサイそして終盤のコアジサイが梅雨空に映え、遠目にササユリが1輪咲いていました。もっと多く咲くようになって欲しいものです。
 キビタキやクロツグミ等の野鳥のさえずりも楽しめた梅雨の合間の贅沢なひとときでした。

【観察できたもの】
(水辺の植物) オニスゲ、ミヤマシラスゲ、ツルヨシ
(草の花 ) クサイ、ササユリ、ジガバチソウ、オカトラノオ、オオバノトンボソウ、ヤマトウバナ
(樹の花) バイカツツジ、ムラサキシキブ、サカキ、アジサイ、コアジサイ、ヤマアジサイ、ガクアジサイ
(樹の実) オオウラジロノキ、シロモジ、クロモジ、ウスノキ、スノキ、ナツハゼ、オオカメノキ、ハンショウヅル
(鳥の声) イカル、ソウシチョウ、クロツグミ、サンショウクイ、キビタキ、ヒヨドリ、ホトトギス、ヤマガラ、メジロ、ウグイス、サンコウチョウ、コゲラ
(その他) クロコノマチョウ、ヨツスジハナカミキリ、チュウガタシロカネグモ
_DSC4301
ヒメシャラ
_DSC4335
オニスゲ
_DSC4345
クロコノマチョウ 蛹
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クロコノマチョウ 幼虫
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ササユリ
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ガクアジサイとヨツスジハナカミキリ
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バイカツツジ
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オオウラジロノキ
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ムラサキシキブ
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ハンショウヅル 実


第131回猿投の森自然観察会報告

日 時 2022521日(土)   天気 曇り

テーマ 新緑の雑木林

参加者 14

観察コース ヤマモモ広場→林道→北歩道→三叉広場→林道→ヤマモモ広場

 

初夏の風がさわやかな季節となりました。先月の観察会からのこの1ヵ月の森は新緑から深緑へとめまぐるしく移り変わっています。5月初旬にはムベ、シャガ、ホウチャクソウなどの花が咲いていましたが、今日は残念ながらこれらの花たちは見ごろを過ぎていました。

今日は雨の心配をしながらですが久しぶりにヤマモモ広場から三叉広場までの林道を往復します。

最初にヤマモモ広場から少し下ったところのハンショウヅルの観察に行きました。ハンショウヅルももう見ごろは過ぎましたが、昨年より花数が増え、株も年々増えてきています。気まぐれなイノシシに掘り起こされないように祈るばかりです。林道に黄色の花殻が落ちています。高い樹にツル状の枝を巻き付けて花を咲かせているジャケツイバラの花殻です。上を見上げると大きな黄色の花穂が見えます。大まがりにはオオバウマノスズクサの新葉が奥のハリエンジュの樹にツルを這わせ花も咲いていました。昨年より小範囲の場所になりました。葉がジャコウアゲハの幼虫の食草となるため今日もジャコウアゲハが飛来していて葉裏の卵も確認しました。林道の両脇のコアジサイはそろそろ咲きはじめです。装飾花のない薄紫の花はかすかな香りがします。コゴメウツギは高さ2mあまりのこんもりとした茂みを作り小さな白い花が可憐です。足もとにはオニタビラコ、ニガナなど黄色い花が目立ちます。北歩道の南側の湿地にはミズキの段状に広がる枝先に白い花が広がっていました。

雨にも降られず三叉広場で昼食後ヤマモモ広場まで戻り緑の中の観察会は終了しました。

 

観察できたもの

◎木の花 エゴノキ オオバウマノスズクサ コアジサイ コゴメウツギ コツクバネウツギ ジャケツイバラ タニウツギ ツクバネ ハンショウヅル ミズキ など

◎草の花 イチヤクソウ オニタビラコ ギンリョウソウ トウバナ ニガナ ニョイスミレ ヒメアギスミレ ヘビイチゴ ミヤマナルコユリ など

◎鳥の声 センダイムシクイ ヒヨドリ イカル ソウシチョウ ウグイス クロツグミ キビタキ オオルリ メジロ サンショウクイ ホトトギス ヤブサメ ツツドリ コゲラ

エゴノキ2022.5.18
エゴノキ
オオバウマノスズクサ2022.5
オオバウマノスズクサ
コツクバネウツギ2022.5
コツクバネウツギ
シャガ2022.5
シャガ
タニウツギ2022.5
タニウツギ
ハンショウヅル2022.5.18
ハンショウヅル
ムベ2022.5
ムベ

第130回山路の森自然観察会報告書

日  時   令和4年4月16日(土) 9:30 ゲート前
テ ーマ   「 木々の芽吹き 」   参加者 22人  
観察コース  ヤマモモ広場→シャラノキコース?サルナシ湿地→
  弟1管理道→アジサイコース?シラカシ広場→ヤマモモ広場・ランチ 
 こ寒い朝となりましたが歩き始めると暖かくなってきました。
オオカメの花は終わり、高木のウワミズザクラが咲き出しました。足元には
ニガイチゴの白い花が咲き、カンアオイの新葉が立ち上がっていました。
チゴユリがいくつも咲いていて順番待ち無しで写真が取れました。
タチシオデが20cm~30cm程の高さになって早いものは雄花、雌花がついています。タカノツメは三出複葉の緑の葉を広げています。
 サルナシ湿地に近づくと、オオウラジロの花が咲き、若枝は綿毛に覆われ真っ白です。足元にヒメハギが一輪咲いていました。
 第一管理道にはナワシログミの実が少し赤みを帯びてきました。来月には食べることができるかもしれません。
目を上げるとコナラ新葉は銀色の毛に覆われたビロード状の葉で大変美しいです。今しか見ることが出来ません。
 ヤマツツジは赤い蕾、ニオイタチツボスミレは咲いていました。
 すみれの香りはわかる人、分からない人がいます。微妙な香りでしょうか。
 林道に出るとタンザワウマノスズクサの花が咲きだしました。サキソホンの形が面白いです。ホウチャクソウの蕾もみつけました。
 今でしか見られないシダのシシガシラの芽吹きを見ました。
 春は心躍る季節です。次回はもっと花が咲き出すことでしょう。
◎芽吹きの植物  ガンピ、ミヤマガマズミ、コバノガマズミ、タカノツメ
      シロモジ、マルバアオダモ、ミヤマナルコユリ、カマツカ、
      コゴメウツギ(蕾)、ツクバネウツギ(蕾)
野鳥の声 エナガ センダイムシクイ、ウグイス、オオルリ、コゲラ、
      ヒヨドリ、アオゲラ、メジロ、キビタキ、ヤブサメ、ノスリ
P4160084 (2)タチシオデ
タチシオデ
P4160123タチツボスミレP4160076チゴユリ
タチツボスミレ         チゴユリ
P4160088ニガイチゴP4160102 (2)ヒメハギ
ニガイチゴ          ヒメハギ
P4160119コナラP4160121ニオイタチツボスミレ (2)
          コナラ         ニオイタチツボスミレ 
P4160100 (2)オオウラジロノキP4160134シシガシラの芽出し
オオウラジロノキ      シシガシラの芽出し

第129回 やまじの森自然観察会報告

日時:令和4319日(土)

天気:晴れのち曇り テーマ:春をさがそう 参加者:18

観察コース:ヤマモモ広場→林道→展望台→キツツキコース→アジサイコース→第一管理道→サルナシ湿地→シャラノキコース→ヤマモモ広場

ヤマモモ広場から林道に出たすぐにトサミズキの花が咲いていました。トサミズキの自生は当然なく、この森に植栽されたもののタネを鳥が運んだものと推測されます。林道脇の高い位置にキブシが簪のような花序を付けて垂れ下がっていました。雌花や両性花を付ける花序は短く、雄花は長いようです。ハンショウヅルは元気に新芽を出していました。くれぐれも人的被害に会わないことを祈るばかりです。カワセミコースに入ってすぐから展望台に向かいました。この道はクロモジの幼木が多いです。展望台から東大演習林方面に毎年タムシバが見られますが今年は月末頃になるのではないでしょうか。風に乗ってヒサカキの花の匂いがかすかに感じられました。少し戻り、キツツキコースからアジサイコースへと下りた沢筋にショウジョウバカマが可憐に咲いていました。第1管理道ではナワシログミが実を付けていました。実が苗代を作る頃に熟すことから名付けられています。サルナシ湿地には、昨年落ちてすぐに根を出したどんぐりが割れ、中の脂肪真っ赤になっているものをいくつか見つけました。また草本類の花の少ないこの時期に咲くヒメカンスゲの花は貴重です。下見の時はルリタテハやキタキチョウなどを見ましたが今回はここでクワゴマダラヒトリの幼虫を見たきりです。シャラノキ群生地の脇でウグイスカグラを観察、開花まではあと一歩。ゆっくりとした春の訪れを感じながらヤマモモ広場まで戻ってきました。

 

◆観察できた主なもの

◇花 トサミズキ キブシ アセビ ヤブツバキ ヒサカキ クロモジ ウグイスカグラ(蕾) シキミ オオバヤシャブシ ダンコウバイ オオカメノキ(蕾) ヒメカンスゲ ショウジョウバカマ

◇鳥 ウグイス ヒヨドリ メジロ ハシブトガラス ソウシチョウ ヤマガラ ミソサザイ シジュウカラ ウソ 
◇昆虫 クワゴマダラヒトリ

観察会風景
観察会風景
ナワシログミの実ウグイスカグラ
ナワシログミの実       ウグイスカグラ
オオカメノキの蕾キブシ
オオカメノキの蕾           キブシ
クロモジショウジョウバカマ
クロモジ          ショウジョウバカマ
トサミズキヒサカキ雄花
トサミズキ         ヒサカキ雄花
ヒメカンスゲ1根付いたどんぐり
ヒメカンスゲ        根付いたどんぐり
クワゴマダラヒトリ
クワゴマダラヒトリ


第128回 やまじの森の自然観察会報告

日時:令和4219() “雨水 9:30~13:30
天気:晴れのち曇り    テーマ:冬芽    参加者:12名
観察コース:中部電力変電所前ゲート第1管理道サルナシ湿地シャラノキコースヤマモモ広場(昼食)➝ゲート変電所前
 今月も先月に続き中部電力変電所前から観察会を開始した。観察会に先立ち、Tさんがコクサギの枝を持ってきて、三大美芽の一つである旨の説明を受け出発した。元駐車場跡と思われる場所ではオオバヤシャブシとヒメヤシャブシ、ノイバラとミヤコイバラ等の比較やヌルデの芽などに皆さん興味津々であった。ゲートへの道ではマルバアオダモ、三大美芽のネジキ、ナツハゼとカマツカ、ゴンズイ、まだ蕾のダンコウバイ、木々の同定等を行いながら歩みを進めた。ゲート手前のジャケツイバラやキブシは、まだこれからと思われた。ゲートを入り、ノリウツギ、カキノキ、コウヤミズキを確認した。第1管理道では、コブシの膨らんだ蕾、高木のミズキとネムノキの枝ぶりを眺め、オオカメノキの花芽と葉芽、バイカツツジ、ガマズミ等を確認し、遊歩道に入った。ホオノキ平脇ではオオバウマノスズクサを、湿地脇ではオオウラジロノキを見た。小川のそばにあるマンサクには花が咲いていることを確認できた。シュンランは蕾をつけているのが少ないと感じた。シャラノキコースに入っては、低く刈り込められたホオノキの芽を、三大美芽のザイフリボク、ナツツバキやヒメシャラを見た。ヤマモモ広場奥のマンサクにも花が咲いていることを確認した。また、広場脇にはリュウキュウマメガキがあるよと教えて頂き、気づかないものだと痛感した。天気の崩れもなく、春がすぐそこまで近づいていることを感じた観察会であった。

【観察できたもの】

冬芽 
 主なもの 
三大美芽ネジキザイフリボク、【コクサギ
オオバヤシャブシ、ヒメヤシャブシ、ヌルデ、アカメガシワ、
ノイバラ、ミヤコイバラ、マルバアオダモ、サルトリイバラ、
タカノツメ、タラノキ、エゴノキ、ヤマハゼ、ウリカエデ、
リョウブ、ウワミズザクラ、ミヤマガマズミ、ナツハゼ、
カマツカ、ムラサキシキブ、コアジサイ、ゴンズイ、クロモジ、
キブシ、ダンコウバイ、ジャケツイバラ、ウグイスカグラ、
ヤマコウバシ、ウスノキ、タマミズキ、ナツツバキ、
ヒメシャラ等

  マンサク、ヤブツバキ、

  オシドリ、ヒヨドリ、メジロ、アオジ、ウグイス、
シロハラ、エナガ
ハシボソガラス、ルリビタキ、コゲラ、
イカル

20220219観察会

第127回 やまじの森自然観察会報告

日時  2022年1月15日  天気  晴れ 

テーマ 冬の野鳥観察      参加者 16名

コース 変電所前 → ゲート → 第1管理道 → ホオノキ平手前左折 → 東海環状側道を北へ → 車止めでUターン  貯水池コース  ホオノキ平  カワセミコース  ヤマモモ広場  ゲート  変電所前 

image029観察会風景
観察会風景
 前日の積雪も解け氷が張っていたが穏やかな日差しです。案内役のMさんに開始前に近くにいたツグミの写真を見せていただき、多くの野鳥に会えると期待して変電所前を出発しました。第1管理道までにヒヨドリ、カラス、カケスの鳴き声を聞き姿は見たけれど、昨年ここで出会えたウソはまだやまじの森に来ていないらしい。好物の桜の蕾が膨らめば頭が黒く頬が紅色の愛らしい姿が見られることでしょう。

image002ツグミ
               ツグミ

 第1管理道を左折し、沢を何度か渡り東海環状自動車道の側道に出ました。ここではセイタカアワダチソウが生い茂り、綿毛と実をいっぱい付けているのでベニマシコが見られるはず、と皆静かに目を凝らしていると左右の草むらや灌木の中にいたり、道路を渡って飛んだりしています。 
image004ベニマシコ
ベニマシコ
 でも遠いし小さいし動きがせわしなくてなかなか姿をとらえることができません。スズメ大で長めの尾を持ち、少し地味な雌が多いなかで幸運な人は赤味が濃い雄を見ることができました。トウコマツナギも茂って実を付けており、それを目当てにアオジやメジロもいますが、不慣れな観察者には見えるのは一瞬のみです。
image008メジロimage006ルリビタキ1
メジロ       ルリビタキ
 アオツヅラフジの青い実が黒く熟してヒヨドリが食べていました。果肉はアルカロイドの1種の毒成分を含んでいるので人間は食べてはいけません。 
image010ヒヨドリ
ヒヨドリ
 他にエゴサポニンという毒を持つエゴノキの実はヤマガラの大好物、人間には毒でもそれを食べる鳥がいるというのは不思議です。
image018タマミズキ
タマミズキ
 ヤマモモ広場の奥のタマミズキはたっぷり赤い実を付けてまるで花が咲いているようです。鳥にとってはあまり美味しくないからまだ残っているとのことですが、他の木々の実がほとんど無くなってきました。ヒヨドリ、メジロ、シロハラ等がやってきて食べつくすので見頃はあとしばらくでしょう。

 やまじの森は鳥が少ないのではと思っていましたが珍しい何種類かを観察し、植物の冬芽の膨らみに春の訪れを感じることができました。

image012スズカカンアオイ
スズカカンアオイ
image014ダンコウバイimage016ヤブムラサキ
ダンコウバイ          ヤブムラサキ 

【観察したもの】

[鳥]ツグミ、シジュウカラ、ヒヨドリ、カケス、シロハラ、
   アオジ、
ベニマシコ、カワラヒワ、メジロ、
   ジョウビタキ、ルリビタキ、
コゲラ、ハシボソガラス、
   ハシブトガラス

[実]ガマズミ、シャシャンボ、ヌルデ、タマミズキ、
   ヒメヤシャブシ、
オオバヤシャブシ、トウコマツナギ、
   セイタカアワダチソウ他

[花]スズカカンアオイ

第126回猿投の森自然観察会報告

日 時 2021年12月18日(土)  天気 晴れ時々曇り 
 
テーマ 照葉樹 
 
参加者 11名 
 
観察コース ヤマモモ広場→シャラノキコース→サルナシ湿地→第一管理道→林道→ 
ヤマモモ広場 
 
 
 
  昨日の雨の後は真冬の寒気団が南下し寒い日になりました。森へ向かう車
窓から見える猿投山は山頂付近が白くなっていました。寒い中ヤマモモ広場
から出発です。
今日のテーマは「照葉樹」です。照葉樹とは葉の表面にクチクラ層が発達
し厚くて照りのある葉を持つ常緑広葉樹のことです。クチクラ層とは葉の表
面を保護する角皮のことで葉の表面を保護するだけでなく水分の発散を防ぐ
などの役割をしています。猿投の森では、ヤブツバキ、サカキ、ヒサカキ、
アオキなどが照葉樹です。よく似た葉の多い照葉樹ですが、葉の付き方(互
生か対生か)、鋸歯の有無、分裂葉か不分裂葉か、複葉か単葉か、葉柄の長
さ、冬芽の形などで見分けます。例年通り照葉樹のチェックリストを参加者
のみなさんにお渡しし、木の葉も採集します。今日のコースではどのくらい
照葉樹を見つけることができるでしょうか。
森の中の林床は明るくなり常緑樹が目立ちます。ナツツバキやヒメシャラ
の冬芽に陽があたって白く光っています。赤い実がサクランボのようにかわ
いく揺れているソヨゴの木は、クリスマスカラーの飾りをつけたツリーのよ
うです。シュンランの花芽も見つけました。ツルグミの特徴、ヤブニッケイ
とシロダモの違い、シャシャンボとヒサカキの見分け方、皆さんといっしょ
におさらいしました。ヤマモモ広場の下のタマミズキは今年もたくさんの実
を付けていました。 ヤマモモ広場到着前からアラレが降りはじめました。広場到着後、採集し
た葉とチェックリストを合わせ36種の照葉樹を確認することができました。 観察できたもの ◎照葉樹 アオキ アセビ アラカシ イヌツゲ ウバメガシ 
ウラジロガシ キヅタ サカキ サネカズラ シキミ 
シャシャンボ シラカシ シロダモ スイカズラ  ソヨゴ タブノキ ツクバネガシ ツブラジイ ツルグミ 
テイカカズラ ナワシログミ ネズミモチ ヒイラギ 
ヒサカキ ヒメユズリハ フユイチゴ マンリョウ ミヤマシキミ ムベ モチノキ モッコク ヤブコウジ 
ヤブツバキ ヤブニッケイ ヤマモモ リンボク ◎花 ヤブツバキ シュンラン(つぼみ) ◎実 アオキ サルトリイバラ ソヨゴ ツルアリドオシ 
ツルリンドウ フユイチゴ マンリョウ ミヤマシキミ 
ムラサキシキブ ヤブコウジ ヤブムラサキ など ◎鳥の声 コゲラ ヒヨドリ アオジ ヤマガラ メジロ 
ハシボソガラス
5Cヨゴ2021.12
ソヨゴ
アオキ2021.12
アオキ
シュンラン 2021.12
シュンラン
タマミズキ2021.12
タマミズキ
ヤブツバキ2021.12
ヤブツバキ
ヤブムラサキ 2021.12
ヤブムラサキ

第125回山路の森自然観察会報告

日 時    令和3年11月20日(土)   天気 晴れ
テーマ    落ち葉の色彩          参加者20人
観察コース  ヤマモモ広場?林道?第一管理道?ホウノキ平?
       サルナシ湿地?シャラノキコース?ヤマモモ広場
       (昼食・解散)
 今日は緊急時態宣言が解除されて2ヶ月目になりました。外出時
にはマスク着用が身に付きました。今回は参加者に落ち葉を集めて
いただくため、袋を渡ししてから出発しました。
ステンドグラスを作るためです。
 森はイロハモミジの赤や、ウリカエデの黄色が目立ちます。色が
抜けてきてパステルカラーのタカノツメ、コシアブラの葉は森の中
を明るくしてくれます。ガマズミ、オオカメの葉の赤は存在感があ
ります。赤でもみんな違います、黄色もそれぞれ違います。そんな
ことに気がつく森の秋です。
 第一管理道に着くと足元に赤いフユイチゴの実が沢山ありまし
た。ムラサキシキブとヤブムラサキの実があり違いが良くわかりま
した。ホウノキ平にはさすがホウノキの葉が沢山落ちていました。
葉の裏を上にして落ちている葉が多いようです。何故でしょう?
サルナシ湿地にはツルヨシがまだ枯れずにありました。夏にはクロ
コノマチョウの幼虫が沢山いました。湿地の出口にオオウラジロの
木があります。オオウラジロの実で、果実酒を作ると最高だそうで
す。
 シャラノキコースにはコウヤミズキの実があり、ヒメシャラの
冬芽は絹糸のように光っていました。
 駐車場に戻り持ち帰った葉っぱで3グループのステンドグラスを
作りました。太陽を背にして3枚のステンドグラスは輝いていまし
た。素敵!、素晴らしい!と声が上がりました。
風もない暖かな秋の日でした。

○咲いていた花 ヤマツツジ ノコンギク
○見つけた実  クサギ フユイチゴ ヤブムラサキ ムラサキ
        シキブ ミヤマガマズミ ガマズミ オオウラ
        ジロノキ スルガテンナンショウ コウヤミズキ
○鳥の鳴き声  ルリビタキ コゲラ メジロ ソウシチョウ 
        ヤマガラ エナガ ヒヨドリ トビ アオジ
        シロハラ ハシボソガラス
PB170327 (2)ノコンギクPB170329スルガテンナンショウ
ノコンギク        スルガテンナンショウ
PB170333 (2)オオカメノキ
オオカメノキ
PB170335ヤブムラサキPB170337 (2)ムラサキシキブ
ヤブムラサキ      ムラサキシキブ
PB170340アベマキの落葉PB170341 (2)タカノツメ
アベマキの落葉        タカノツメ   
PB170352ホウノキ落ち葉PB200363シラカシ広場の入り口
ホウノキ落葉        シラカシ広場の入口  
PB200394 (2)PB200397 (2)
PB170330フユイチゴ
フユイチゴ


第123回やまじの森自然観察会報告

日 時: 令和3年9月18日()      天気 :雨 (台風14号接近)

テーマ: 秋の野草             参加者:7

観察コース:ヤマモモ広場ヤマモモコースサルナシ湿地
ホオノキ平カワセミコース林道大曲ヤマモモ広場(解散) 

 福岡県に上陸した台風14号が四国を横切り和歌山県から太平洋に抜ける中、強風と大雨が予想されたために参加者は極少なかった。しかし、現地は大雨、土砂災害警報等の発令もなく雨も小降りであったので観察会を実施した。

 足元の悪い中、山野草を求めて林内を散策した。まず、目についたのはアキノキリンソウの蕾、その後ヒメジソ、ハイチゴザサを確認した。遊歩道には栗の実が落ち、ケショウハツのキノコが雨に濡れていた。また、サワガニが足繫く走り回り雨の日の山道を感じさせた。サルナシ湿地ではミズキの赤い実の房が落ち、ホオノキ平にはガマズミの実が落ちていた。近くのオオバウマノスズクサでは、ジャコウアゲハの幼虫もまだまだ元気であった。シロモジの実もはじけているものがあり、アキチョウジも雨に輝き、秋の始まりを感じた。カワセミコースでは、ホタルガが木の葉の上で休み、遊歩道にはシマジタムラソウも咲き誇っていた。大曲りまでの林道では、ヤブタバコ、シュウブンソウ、リョウメンシダが良く目についた観察会であった。 

咲いていた花:

ヒメジソ、ハイチゴザサ、サジガンクビソウ、ガンクビソウ、シラヤマギク、ナキリスゲ、シマジタムラソウ、イヌコウジュ、ヤブタバコ、ダイコンソウ、

キツネノマゴ、ヒメキンミズヒキ、ヤマハギ、シュウブンソウ、アキチョウジ、ツユクサ、ミズヒキ

やまじの森の鳥:

 キビタキ、メジロ、セグロセキレイ、ハシブトガラス、コゲラ、エナガ

昆虫:

 ハラビロカマキリ、ナツアカネ♀


写真集は画面左クリックで拡大出来ます0918観察会0001



第122回 やまじの森自然観察会報告

日時   2021年8月21日(土) 天気 曇り
テーマ  雑木林の虫
参加者  15名
観察コース  変電所前 ー ゲート手前左折 ー 雑木林ルート ー 
                        第一管理道 ー サルナシ湿地 ー カワセミコース ー
                     林道 ー 変電所前

 8月にもかかわらず連日の大雨で実施が危ぶまれたが予報に反して幸い曇り空の下出発できました。変電所先のススキの根元に出たばかりのナンバンギセルを見つけ、林道脇ではノブキの白い花が咲き始めていました。アブラゼミやツクツクボウシは声だけ聞こえ、虫を探しながら歩いたが姿は見られなかったけれど、ゲート前のジャケツイバラを左折した所のアベマキの幹上にカブトムシとコクワガタを発見。その奥ではノコギリクワガタ、モノサシトンボ、マユタテアカネ、サトキマダラヒカゲも目前で見られました。今年は大雨予報のため残念ながら子供の参加がなく大人だけでしたが嬉々として観察しました。
 サルナシ湿地のツルヨシの茂みではクロコノマチョウの幼虫や蛹はもう見つからなかったが、成虫が2頭いました。蝶だけれど日中はじっとしていて薄暮時に活動するそうです。
 3日前の下見時には林道で甘い香りのするクサギの花の蜜を求めてナガサキアゲハが、そしてその先でなんとアサギマダラが舞っていました。ヒヨドリバナが咲いたせいでしょうが例年より早い飛来に驚きました。今日は帰り道でモンキアゲハが飛んできました。
 雨にも会わず虫たちに出会え、草木の緑や花たちに癒されたひとときでした。

[観察した虫]  カブトムシ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、ゴマダラカミキリ、モノサシトンボ、ヒメアカネ、サトキマダラヒカゲ、クロコノマチョウ、モンキアゲハ、マツカレハ(蛾)、アブラゼミ、アオクサカメムシ、オオスズメバチ

[草の花]  ノブキ、ガンクビソウ、サジガンクビソウ、シュウブンソウ、ヒヨドリバナ、ノコンギク、ヤブラン、キンミズヒキ、ミズヒキ、ギンミズヒキ、ヌスビトハギ、キツネノマゴ、ツルニガクサ、オニドコロ、ハエドクソウ、ヘクソカズラ

[木の花] イヌザンショウ、ノリウツギ、クサギ、フユイチゴ

[鳥の声]  ヒヨドリ、メジロ、イカル、ソウシチョウ、コゲラ、エナガ

[その他]  タマゴタケ、ベニウスタケ、アズマヒキガエル、マムシ

01カフ_トムシ♀ コクワカ_タ♂02ノコキ_リクワカ_タ♂と♀
カブトムシ♀ コクワガタ♂     ノコギリクワガタ♂と♀
03モノサシトンホ_♂04モノサシトンホ_♀
モノサシトンボ♂        モノサシトンボ♀
05マユタテアカネ若齢♂06サトキマタ_ラヒカケ_
マユタテアカネ若齢♂       サトキマダラヒカゲ 
07クロコノマチョウ08アオクサカメムシ
クロコノマチョウ          アオクサカメムシ
09アフ_ラセ_ミ20マツカレハ
アブラゼミ           マツカレハ 

121回山路の森自然観察会報告

日 時    2021年7月17日 (土)  天気 晴れ
テーマ    夏の山野草
参加者    19名
観察コース  ヤマモモ広場⇒林道⇒大曲⇒水場⇒トイレ⇒
       三叉広場⇒杉の谷堰提⇒北歩道出会い⇒
       三叉広場(昼食)・解散⇒ヤマモモ広場

 今日は東海地方は梅雨明けとなりました。
そうとは知らず、ここに来るまでは暑くて辛かったのですが森に入
った途端ひんやりと気持ちが良くなりました。
森の力は偉大です。大型クーラーが設置されているようです。
皆さん元気に林道を北に向かいました。
道端にはハエドクソウが元気に小さい花を沢山付けて揺れています。
ダイコンソウも頑張って咲いています。
いつの間にかツルニガクサが20cmほど大きくなっているのもありま
した。ムラサキニガナはたおやかな花ゆえ写真が撮りにくい。

大曲ではオオバウマノスズクサが沢山絡まっている場所があり、ジャ
コウアゲハの幼虫の観察会になりました。
生まれたばかりの幼虫、終令を迎えた幼虫、蛹になった幼虫といろ
んな姿を見ることができました。
脅かすと大きな目のような物体がでてくる姿など色々見せてくれま
す。くふうされた変身ぶりには感心させられます。
小さな体で一生懸命生きている姿が愛おしくなり、「がんばってね」
とエールを贈りたくなりました。

水場を過ぎると杉の木のムササビ君の巣に声をかけましたが、まだ
就眠中のようでした。夜行性なので仕方がありませんね。
トイレの北側、小川を飛び超えていくと姿の良いチダケサシ、ミカ
ワショウマが咲いていました。三叉広場にはチダケサシが元気でした
、杉の谷堰提にはミカワショウマが沢山咲いていて安堵しました。
足元にはニシキゴロモが沢山あり今咲き初めた所です。
北歩道に向かう道のナツフジはまだ蕾でした。
梅雨が明けたので雨や、雷の心配もなく、涼しい森の中での花探は
楽しい一時でした。昼ごはんをいただき、皆さんからトマト、キュ
ウリのお漬物、クッキーなど手作り品をいただきました。
帰り道はツチアケビを見て、涼しい森から太陽の照りつける街に帰
って行きました。

  観察できたもの
咲いていた花
 ハエドクソウ、ダイコンソウ、ツルニガクサ、
ヒヨドリバナ、ヒメキンミズヒキ、ムラサキニガナ、ニシキゴロモ
チダケサシ、ミカワショウマ、ツチアケビ、オオバノトンボソウ
コクラン、ノギラン、アキノタムラソウ

実 
ヒメコウゾ、ウスノキ、ヤブコウジ、シロモジ

野鳥  ソウシチョウ、サンコウチョウ、ヒヨドリ、コゲラ、
クロツグミ、アカゲラ、メジロ、イカル、キビタキ
1,タマゴタケ7月14日2,タマゴタケ7月17日
タマゴダケ
3,ジャコウアゲハの幼虫4,ジャコウアゲハ蛹
ジャコウアゲハ 幼虫      ジャコウアゲハ蛹
5,ハエドクソウ6,P7170770チダケサシ
ハエドクソウ        チダケサシ
7,ミカワバイケイソウ8,オオバノトンボソウ
  ミカワバイケイソウ    オオバノトンボソウ   
9オオバノトンボソウ210,コクラン
オオバノトンボソウ2         コクラン
  

第120回猿投の森自然観察会報告

日 時 2021619日(土)     天気 雨

テーマ 水辺の植物

参加者 7

観察コース  ヤマモモ広場→シャラノキコース→サルナシ湿地→第1管理道→アジサイコース→シラカシ広場→ヤマモモ広場

 

今年の梅雨入りは例年より早く、今日は朝から雨です。雨に濡れた木々の葉はキラキラと光って鮮やかさを増しています。今日はヤマモモ広場からの出発です。

シャラノキコースではヒメシャラが咲き少し遅れてナツツバキも咲きはじめました。一日花で白い落花が目を引きます。ヒメシャラの方が少し小ぶりで落花でも区別がつきます。散策路では踏まないように気をつけて歩きました。コアジサイは林内のあちこちで薄紫の花を咲かせていましたがそろそろ終わりのようです。

サルナシ湿地ではオニスゲ、ミヤマシラスゲ、イ、ツルヨシなどの水辺の植物を観察しました。湿地の半分ほどを覆っているツルヨシには今年もクロコノマチョウの幼虫がたくさん発生していました。クロコノマチョウはタテハチョウ科の一種で、幼虫は鮮やかな黄緑の体に毛深い黒い顔(頭)に一対の突起があり角か耳のように見えます。顔は黒い縁取りがあったり顔全体が黒かったりと一個体ごとに違いそれぞれ愛嬌のあるかわいい顔をしています。5回ほど脱皮を繰り返し終齢(最終脱皮後)では6㎝から8㎝ほどに成長し、前蛹(蛹になる直前の状態)では吐いた糸で葉の裏に腹端を固定し垂れ下がり体を丸めて一日ほどで透き通るような黄緑の美しい蛹になります。サルナシ湿地では卵から成長段階の幼虫や前蛹、蛹などいろいろな形状を見ることができます。これからしばらくの間楽しめそうです。

アジサイコース周辺のササユリは少し遅かったようです。ヤマアジサイやガクアジサイ、植栽されたいろいろのアジサイが森を彩り、水色の大玉のアジサイも今が見ごろです。林道のそばのコナラの根元にはツチアケビが花を咲かせていました。

観察会終了までやむことのない雨でしたが、雨の中の緑の中を歩く楽しさも体験できた観察会でした。

 

観察できたもの

◎水辺の植物 オニスゲ ミヤマシラスゲ イ ツルヨシ など

◎花 ナツツバキ ヒメシャラ コアジサイ ササユリ バイカツツジ ヤマアジサイ ムラサキシキブ ヤブムラサキ ドクダミ 
ヤマトウバナ トウバナ ジガバチソウ オカトラノオ ツチアケビ ガンピ   ネズミモチ ヤブニッケイ サカキ など

◎鳥の声 クロツグミ キビタキ オオルリ ヤマガラ ヒヨドリ 
メジロ サンショウクイ ソウシチョウ ツツドリ ホトトギス 
ハシボソガラス ヤブサメ など

オカトラノオ2021.6
オカトラノオ
ガンピ2021.6
ガンピ
クロコノマチョウの幼虫2021.6
クロコノマチョウの幼虫
ツチアケビ2021.6 Ⅱ
ツチアケビ
ツチアケビ2021.6
ツチアケビ
ヒメシャラ(左)とナツツバキ2021.6
ヒメシャラ(左)とナツツバキ
ムラサキシキブ2021.6
ムラサキシキブ

自然観察会

5月12日(水) 観察会の下見会 天気 曇り 
参加者 自然観察グループ4名

   15日の観察会は、愛知県に新型コロナウイルスによる緊急非常事態宣言が出され、郊外であるやまじの森への人の流入が多くなることが予想されるため中止とした。一か月空けると自然の移り変わりも大きいので下見会だけは静かに行った。

   林道を三又までゆっくり歩いたが多くの樹の花、草の花を見ることができた。特に注目を集めているのがカワセミコース入口付近の林道沿いのハンショウヅルである。釣鐘型の赤紫の花を半鐘にたとえられた蔓性低木である。これを目当て訪れる人も多く、当日も散策している人に保護をお願いされた。大曲のところのオオバウマノスズクサも沢山の花を付けていた。サキソフォンのような花の形が面白い。ジャコウアゲハの食草となるため卵や幼虫がいないか確認する人も多い。瀬戸市の名木指定にされているヤマザクラの向かい側のジャケツイバラも見事に花を咲かせていた。ゲート手前にもあるが以前のような勢いがない。三又付近では、高い枝にミズキ、そしてフジの花も見られた。

その他に花の開花がみられたもの

◆木本類 コゴメウツギ、ムベ、タニウツギ、ハリエンジュ、コツクバネウツギ、サワフタギ、ツリバナ、カマツカ、カイナンサラサドウダン、ニガイチゴ、ヤマツツジ、モチツツジ等。

◆草本類 タツナミソウの仲間、ニガナ、オニタビラコ、トウバナ、ニョイスミレ、スルガテンナンショウ、ミツバツチグリ、イワニガナ、ヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴ、ヒメアギスミレ、スズカカンアオイ、チゴユリ、タチドコロ等。

オオバウマノスズクサ
オオバウマノスズクサ
ジャケツイバラ
ジャケツイバラ
ノダフジ
ノダフジ
ハンショウヅル
ハンショウヅル
ミズキ
ミズキ

  5月15日(土)開催の「自然観察会は中止します。」

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         5月15日(土)開催の「自然観察会は中止します。」    
                                                                                       
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 今週末15日(土)実施予定の「自然観察会」は、コロナ対策で,「まん延防止等重点措置」から「緊急事態宣言」の適用段階に12日から入りますので中止とします。

          猿投の森づくりの会 自然観察グループ 大塚

第119回 やまじの森の自然観察会報告

日時: 令和3年4月17日() 天気: 雨

参加者: 10名  テーマ:木々の芽吹き

観察コース: ヤマモモ広場(駐車場)シャラノキコース
       サルナシ湿地第一管理道アジサイコース
        ➝シラカシ広場林道ヤマモモ広場

    前日からの雨が少しひどくなり一般参加者も5名と少なかった。予定した観察コースでは草木類の芽吹きをいっぱいに感じ取れた。
  ヤマモモ広場では、高木となるウワミズザクラを間近で観察し、シャラノキコース入口やシラカシ広場では雨を感じつつ上の方に咲くウワミズを確認した。数年前に倒木となったナツツバキから新しい芽吹きが見られ、木々の生命力の強さを感じた。散策路では、ホオノキの新芽も托葉を切り離しつつ葉脈らしき姿がしっかりと観察できて美しさを感じた。タカノツメは花芽を出し、湿地のエゴノキにも小さな花芽が垂れていた。前々日に確認したオオウラジロノキの花は雨で見ることが出来なかった。ホオノキ平脇では、スノキが自分も見てくれと言わんばかりに小さな花を咲かせていた。また、タチシオデの花も凛として可憐さを漂わせていた。ミヤマガマズミやコバノガマズミの白い花を多く観察することができた。アジサイコースに入ってもタチシオデ、チゴユリが咲き、サワガニが歩き回っていた。雨も強く青空に映えるコナラの新芽は望めなかったが、林道脇ではホウチャクソウの蕾がふくらみ、ウラジロやシシガシラの新芽に生命力を感じ、スルガテンナンショウも所々に見られた観察会であり、散策路の草刈りについても考えさせられた観察会であった。

【芽吹きのいろいろ】

 ザイフリボク、ツクバネウツギ、ウツギ、マルバアオダモ
 ウスノキ、
カマツカ、コウヤミズキ、ミヤマイボタ
 ナツハゼ、シロモジ、クロモジ、
ミツバアケビ
 ミヤマナルコユリ、ハンショウヅル

【鳥&さえずり】

 ヒヨドリ、センダイムシクイ、ウグイス、エナガ、メジロ
 ハシボソカラス

20210417観察会写真 (2)
20210417観察会写真12 (2)

第118回 やまじの森自然観察会報告

日時  令和3年3月20日(土)
天気  晴れ
テーマ 春をさがそう
参加者 30名
観察コース  ヤマモモ広場ー林道ー展望台コースーホオノキ平ーサルナシ湿地ーシャラノキコースーヤマモモ広場

 春の日差しに誘われて小学生1名を含めた総勢30名が春さがしに出発しました。まず林道脇ではキブシが咲いていました。淡黄色の房状に垂れた花は舞妓さんのかんざしのようです。年中緑で生い茂るウラジロにも春を見つけました。1対の葉片の中心にくるりと巻いた芽が見え、これが伸びまた左右に葉片を広げて毎年1段ずつ成長していきます。
 展望台への道を上っていくとガスのような特有の匂いが、、、ヒサカキです。雄花、雌花、両性花とも白っぽく目立たないけれどもびっしりと花をつけ、匂いで存在感を示しています。ヒメヤシャブシの雄花が垂れ下がりその近くには小さな雌花が付いていました。展望台から猿投山を見ると芽吹き始めた木々の緑の中でタムシバの白とヤマザクラのピンクが春色を構成しています。
 サルナシ湿地ではシュンランが可憐です。今年も水量が少ないせいかアズマヒキガエルの卵やオタマジャクシが見つからないのは残念です。丸木橋を渡った奥の場所ではクロモジ、シキミの花が満開、ショウジョウバカマやギフチョウの食草のスズカカンアオイも咲いていました。やまじの森の春にギフチョウが舞う日が来て欲しいものです。
 シャラノキコースではオオカメノキが白い花をたくさん咲かせ、トサミズキは満開で辺りが黄色に染まり見頃です。林道に出て少し上ったところのヤマザクラも暖冬とは言えこの時期に満開とは驚きました。ヤマモモ広場の奥のコバノミツバツツジも開花しました。先月の冬芽観察からひと月後の森の変化に感動し、春を満喫できたひとときでした。

[樹の花]: キブシ、ヒサカキ、タムシバ、ヒメヤシャブシ、クロモジ、シロモジ、シキミ、オオカメノキ、アセビ、トサミズキ、コバノミツバツツジ、ヤマザクラ、ヤブツバキ、ヤマウグイスカグラ

[草の花]: シュンラン、ショウジョウバカマ、ヒメカンスゲ、スズカカンアオイ、マキノスミレ、タチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ

[鳥(姿または声)]: ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ヒガラ、シジュウカラ、エナガ、マヒワ、ウソ、コゲラ、コサメビタキ、ハシブトガラス、ソウシチョウ、サンショウクイ、ノスリ

[昆虫]: ビロードツリアブ、ルリタテハ、クワゴマダラヒトリ(幼虫) 

DSC_24940320キブシ
キブシ
DSC_24990320クロモジ
クロモジ
DSC_25290320春蘭
シュンラン
DSC_25360320スズカカンアオイ
スズカカンアオイ
DSC_25410320ショウジョウバカマ
ショウジョウバカマ
DSC_25730320トサミズキ
トサミズキ
DSC_25790320マキノスミレ
マキノスミレ
オオカメノキDSC_25880320
オオカメノキ
s-DSC_26060320ヤマザクラ
ヤマザクラ
DSC_26170320コバノミツバツツジ
コバノミツバツツジ

第117回猿投の森自然観察会報告

日 時 令和3年2月20日(土)  天気 晴れ 
 
テーマ 冬芽 
 
参加者 23名 
 
観察コース 中電変電所前→ゲート→第1管理道→ホオノキ平→サルナシ湿地
     →シャラノキコース→ヤマモモ広場(昼食)→ゲート
     →中電変電所前  今月から通常の観察会に戻りましたが、今回も密を避けマスク着用で変電
所前から出発しました。  今月のテーマは「冬芽」です。冬芽とは冬を越して翌春に成長する花芽や
葉芽のことをいいます。葉を落とし今は休眠状態となっている裸木も活動再
開のためのエネルギーを冬芽に蓄えて春の準備をしています。冬芽は、魚の
鱗のような皮や毛でおおわれている鱗芽、おおわれていない葉の葉脈がその
まま出ている裸芽、葉柄や樹皮の中に隠れている隠芽などに分けられます。
 冬芽の観察はその形、色、大きさといっしょに葉痕、維管束痕、側芽など
も観察します。
葉痕は葉の落ちた跡です。その中には維管束痕といって水分や養分の通った
管の跡があり、樹によって数や配列が違い、冬芽と葉痕全体がいろいろな動
物や人の顔に見えたりして、冬芽の観察の楽しみの一つです。  参加者のみなさまは観察熱心であちらこちらで足が止まり、これも観察会
の楽しさ、おもしろさなのですが、なかなか前へ進みません。  冬芽の中で目立つのはオオカメノキです。日当たりのいいところではチョ
キの真ん中に丸い花芽をつけています。子供が両手をあげているようです。
ネジキは三大美芽の一つで赤い帽子をつけたロンドンの衛兵のようです。こ
の森では数の少ないダンコウバイは花芽が大きく膨らんでいます。マルバア
オダモはきれいな薄紫の毛に包まれた鱗芽です。頂芽の両横には側芽が控え
ています。
シロモジ、クロモジは葉芽を真ん中に両方に丸い花芽が出ています。コウヤ
ミズキの花芽は赤い雄しべを少しのぞかせ今にも咲きそうです。リョウブは
ナポレオンハットをつけ北風に吹き落とされそうです。帽子が落ちると裸芽
になってしまいます。ホオノキ平のホオノキは大木で高いところに冬芽がつ
いていますが、下からでも確認できるほど大きな芽です。早春の花アセビ、
マンサク、ヤブツバキ、スズカカンアオイが咲き、アオキの実は赤くなって
きました。
 花芽をつけたシュンランの株もあちこちで見つけることができました。コ
ロナ禍の中でも自然は何も変わらず、三寒四温を繰り返しながら、春はそこ
まで来ています。 観察できたもの ◎冬芽 オオバヤシャブシ アカメガシワ ヌルデ タカノツメ 
    サルトリイバラウワミズザクラ マルバアオダモ 
    ウリカエデ ネジキ ミヤマガマズミ リョウブ     エゴノキ カマツカ ムラサキシキブ ヤブムラサキ 
    ゴンズイ クサギ ヤマコウバシ シロモジ 
    クロモジ ダンコウバイ オオカメノキ タニウツギ 
    タラノキ バイカツツジ ホオノキ コウヤミズキ
    ザイフリボク ナツツバキ ヒメシャラ     ヤマウグイスカグラ ウグイスカグラ タマミズキなど ◎花 スズカカンアオイ ヤブツバキ アセビ マンサク ◎鳥の声 ジョウビタキ メジロ ヒヨドリ ハシブトガラス アオジ 
     ヤマガラ ソウシチョウ(姿) コゲラ

アオキの実2021.2
アオキ
オオカメノキ2021.2
オオカメノキ
コウヤミズキ2021.2 (1)
コウヤミズキ
ヤブツバキ2021.2
ヤブツバキ
ヤマコウバシ冬芽2021.2
ヤマコウバシ冬芽
リョウブ2021.2
リョウブ

第116回山路の森自然観察会

 日 時   2021年1月16日(土)晴れ 9時30分より

 集合場所  変電所前

 テーマ   冬の野鳥観察

 コース   変電所⇒ 第1管理道⇒瀬戸の水源⇒高速道路高架⇒くぐり抜けた所・Uターン⇒変電所

 1月8日に緊急事態宣言が出されたので、今回は自然観察中止ということになりそこで観察会の関係者だけの観察をしました。

 変電所の前の広場は早速ウソの雌が2羽いました。そこから山路の森に入って ゲートが見える所に来るとソウシチョウが45羽が行ったり来たりしていましたが飛んで行きました。土曜日なので車も多く、人もいるので鳥も落ちつかない様子です。

 ゲートを通過して第1管理道に入ると、鹿に食べられたアオキが何箇所かありました。花がらをつけたヤマアジサイ、ヒヨドリバナ、茶褐色の葉を付けたヤマコウバシ、シロモジ(多かった)が特に目立ちました。

 オオカメノキ、ダンコウバイの冬芽は大きくなっていました。

 瀬戸市の水源を過ぎて高速道路をくぐるとセイダカアワダチソウがかなり残っていてこれを目当てに野鳥が来るようです。特にベニマシコは好きなようですが今日はここにはいませんでした。 

 遠くの木に何十羽とマヒワが止まっていました。かなり珍しい鳥です。双眼鏡で見るとゆっくり休んでいるようでした。でも5分ぐらいすると全部飛び立って行きました。マヒワは寒いせいかコロコロして太目に見えました。

 マヒワの中にカワラヒワが2羽 混じっていたようです。

 又反対側の上空に1羽鳥が舞い始めましたがノスリでした。

 帰りは往路を帰って来ました。

 駐車場まで来ると雨がポツンと落ちてきました。間に合ってよかったです。

 今日はカケスのガラガラ声が何度も聞くことができました。

 又寒さ対策をしてきましたが、途中で1枚脱いで歩くほど暖かくなりました。

  

赤い実 ヤブコウジ、ツルアリドウシ、アオキ、フユイチゴ

鳥   ソウシチョウ、ベニマシコ、マヒワ、カワラヒワ、
 コゲラ、モズ、
カケス、アオジ、ジョウビタキ、ノスリ、
 メジロ、トビ、ヒヨドリ、
ハシボソガラス、
 ハシブトガラス、キジバト、シロハラ

20210116観察会 鹿に食べられたアオキ
             鹿に食べられたアオキ
20210116観察会 葉の落ちないシロモジ
葉の落ちないシロモジ
キアシナガバチの巣
キアシナガバチの巣
キブシの実
キブシの実
ツルアリドオシ
ツルアリドウシ
マヒワの群
マヒワの群

第115回 やまじの森自然観察会報告

 日時 令和2年12月19日(土) 天気 曇り時々晴れ・一時霙  
テーマ 照葉樹 参加者 19名
コース ヤマモモ広場→シャラノキコース→サルナシ湿地→第一管理道→林道→堰堤→ヤマモモ広場
    照葉樹というと宮崎県・綾の森の日本最大級照葉樹林が思い浮かびます。こちらでは寺社叢林に見られる小規模照葉樹林を見るだけで、一度は行ってみたい所の一つです。この地方でも数百年の時を経れば極相林となってシイ、カシの森になると言われていますが、落葉樹・常緑樹と両方ある今のやまじの森は楽しいです。
    照葉樹の代表といえばヤブツバキです。「巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ思はな 巨勢の春野を」と万葉集にも詠まれるほど古くから愛されてきた木です。艶やかな葉に赤い花は目も心も惹かれます。やまじの森にもぽつぽつ咲き始めました。瀬戸市の花でもあり大切にしたい木です。
    今回の観察会では、昨年同様にやまじの森で確認されている照葉樹(常緑樹)48種の表をもとに特徴を話しながら同定、観察を行いました。(参考資料 猿投の森の樹木調査 鈴木治男 文一総合出版 照葉樹ハンドブック)同じように見える照葉樹ですが、葉の形、葉のつき方、葉の縁、葉裏の色・葉脈、匂いなどが同定の鍵です。やまじの森の観察会では参加者の皆さんが先生。自身で勉強されたこと、他の観察会での知識を披露していただき和気あいあいと行われました。最後の観察地はヤマモモ広場から50mほど行ったところを右に上がった堰堤でした。ここでは珍しいカゴノキ(クスノキ科)があります。堰堤工事で伐採されましたが脇から萌芽し3m以上の株立ちになっています。今後も大切に見守りたいです。 出発点のヤマモモ広場まで戻り、採集してきた葉を並べて確認作業を全員でしました。葉が1枚になると難解ですがベテランの方は簡単に正解されていました。同定作業が終わる頃には霙が降ってきました。
【照葉樹】アオキ アセビ アラカシ イヌツゲ ウロジロガシ カゴノキ キヅタ サカキ サネカズラ シキミ シャシャンボ シラカシ シロダモ スイカズラ ソヨゴ タブノキ ツクバネガシ ツブラジイ テイカカズラ ナワシログミ ナンテン ネズミモチ ヒイラギ ヒサカキ フユイチゴ マンリョウ ミヤマシキミ ムベ モッコク ヤブコウジ ヤブツバキ ヤブニッケイ ヤマモモ リンボク 
【花・実】 ヤブツバキ ミヤマシキミ アオキ マンリョウ マルバノホロシ 
        フユイチゴ 
【鳥・鳴き声】ヒヨドリ ソウシチョウ メジロ ハシブトガラス カケス エナガ 
        シジュウカラ コゲラ アオジ

サルナシ湿地の木道を渡る参加者
サルナシ湿地の木道を渡る参加者
葉の同定会
葉の同定
参考ハンドブックとチェック表
参考ハンドブックとチェック表
大きくなったカゴノキ
大きくなったカゴノキ
カゴノキカゴノキの樹皮は鹿の子柄
カゴノキの葉    鹿の子柄の幹
ヤブツバキ
ヤブツバキ

第114回 やまじの森自然観察会報告

日 時  令和2年11月21日()  天気  晴れ、風やや強し 

テーマ  落ち葉の色彩      参加者  26名(内子供1名) 

観察コース ヤマモモ広場➝林道➝第一管理道➝サルナシ湿地
            シャラノキコース➝ヤマモモ広場
 

 一昨日まで小春日和が続き、昨日のにわか雨、今日の快晴と数日前のシロモジやモミジの葉の輝きはなくなり、雨と風で散ってしまい足元は落葉で満たされていました。みなさんには、配付した袋を持って頂き思い思いに落ち葉を拾い、それぞれの葉を確認しながら足を進めていただきました。ウラジロの葉を飛ばしたり、林道脇ではブルーのクサギの実、赤いマルバノホロシの実を見ることができました。管理道脇では赤いフユイチゴが見られ、ウリカエデやタカノツメに陽があたって黄色く輝き、バイカツツジやイロハモミジの赤みがかった葉が林内に残り、森に彩りを添えていました。

一方で、ナツハゼの実、ヤブツバキの花は確認できず、コウヤボウキやリンドウの花も終わりに近づきつつありました。最後は、ヤマモモ広場から少し下ったところにあるタマミズキの赤い実を見て広場に戻り、拾ってきた葉を広げて確認し合い、Gさん作成の黒い画用紙に拾ってきた葉を貼り付けて陽に透かして見ました。どのステンドグラスもそれぞれ特徴ある色彩となり、とても綺麗でした。のんびりと晩秋の1日を楽しむことができました。

 

咲いていた花: コウヤボウキ、リンドウ、ノコンギク

見つけた実: クサギ、マルバノホロシ、フユイチゴ、
              ヤブコウジ、
バイカツツジ、イタドリ、
              マンリョウ、ヤブムラサキ、
オオウラジロノキ、
       スルガ
テンナンショウ

鳥の鳴き声: ソウシチョウ、ヒヨドリ、シジュウカラ、メジロ、
       アオジ、コゲラ
、カケス、ヤマガラ

キノコ:   ツチグリ

20201121観察会
20201121観察会2

第113回 やまじの森自然観察会報告

日時   令和21017日(土)    天気  雨

テーマ  木の実・草のタネ          参加者 14

コース  三叉広場 - 北歩道 - WC - 三叉広場 - 
               林道終点 - 三叉広場
 

 急に季節外れの肌寒い気候になりましたが、雨にも関わらず初参加の小1男子を含め14人で秋を探しに出かけました。三叉広場では春には白い可憐な花を咲かせたセンボンヤリ(千本槍)の閉鎖花が何本も槍の穂先のように突っ立っていて、この実が乾燥すれば金茶色の毛槍に変身します。オオウラジロノキの実も道にころがっています。林檎の仲間なのでかじれば青りんごのような味がし、果樹酒にすると美味しいそうです。

 北歩道ではコウヤボウキが咲き始めました。一年枝の先端に桃色を帯びた白い花を付けるキク科の木本です。アケボノソウやアキチョウジも咲いています。赤く艶やかでひときわ目立つミヤマシキミの実は有毒、シキミと同様の「悪しき実」が名前の由来でこれは食べることはできません。地面を這うツルアリドオシの小さな赤い実の頂には2個ずつ並んで咲いた花の跡が見えます。ツクバネ(衝羽根)の枝先にぶら下がった実には4枚の苞が付いていて羽根つきの羽根にそっくりです。

 林道沿いのクサギ(臭木)にも実がついていました。星形に開いた赤い萼の真ん中には瑠璃色の実が輝いていて見事な色合いです。この葉を揉むとゴマのようなにおいで臭くなんかありません。センブリの葉をちぎってその苦さを味わったりもして、五感で雨の観察会を楽しむことができました。

 

[上記以外に観察したもの]

花:
 アキノキリンソウ、スズカアザミ、コメナモミ、ガンクビソウ、ノコンギク、イヌホオズキ、ノガリヤス、キッコウハグマ(閉鎖花)

実:
 チゴユリ、ササユリ、アオキ、ナツフジ

鳥:
 カケス、シジュウカラ、メジロ、ヒヨドリ、ハシボソガラス
 エナガ

image001センボンヤリ
センボンヤリ
image002ウラジロノキの実
オオウラジロノキの実
image003コウヤボウキ
コウヤボウキ
image004アキチョウジ
アキチョウジ
image005アケボノソウ
アケボノソウ
image006ミヤマシキミ
ミヤマシキミ
image007ツルアリドオシ
ツルアリドオシ

第112回やまじの森観察会報告

日 時 令和2年9月19日(土)   天気 晴れ

テーマ 秋の野草

参加者 30名

観察コース 変電所前→ゲート→林道→大まがり→ヤマモモ広場(昼食)  解散

 

先週は連日の不安定な空模様と残暑に翻弄されましたが今週は一変さわやかな気候となりました。今日は変電所前に車を置きここからの出発です。

いつもは車で通りすぎるゲートまでの道には、ススキなどの根に寄生するナンバンギセルの花、果実が放射状につくノブキ、マルバハギ、マルバノホロシ、2節の豆花のヌスビトハギなど観察するものがいろいろあるのに気づかされます。ゲートからの林道にはマツカゼソウ、シュウブンソウが咲き、ゲンノショウコ、ワレモコウ、ネコハギ、アキチョウジも咲きはじめました。ヒヨドリバナは満開ですが今年もアサギマダラの舞う姿が見られるでしょうか。下見時にはつぼみをつけていたツルニンジンが今日はいくつも開花していました。

緑のドングリのついたコナラの枝先があちこちに落ちています。これは若いドングリに1個の卵を産みつけたハイイロチョッキリという8ミリほどの甲虫が小枝を切り落としたものです。孵化した幼虫はドングリの中身を食べて成長し、地中でサナギになり翌夏に羽化します。枝を切り落とすという行為は他のメスに同じドングリに産卵させないためと、幼虫にドングリ1個分の食料を確保するためと言われています。

大まがりのオオバウマノスズクサの葉には幼虫がまだ付いていました。そろそろ葉も少なくなってきているので心配です。

これから秋本番にかけて次々と秋の花が楽しめそうです。花の色に癒され、暑かった夏の終わりを感じた観察会でした。

 

上記以外で咲いていた草の花 アメリカイヌホオズキ アレチハナガサ セイバンモロコシ アメリカセンダングサ メマツヨイグサ ツユクサ イタドリ ガンクビソウ ヤブマメ ボントクタデ キンミズヒキ ヒメキンミズヒキ ギンミズヒキ ミズヒキ ノコンギク ママコノシリヌグイ ヤブタバコ スズカアザミ キツネノマゴ ヤブラン アレチヌスビトハギ ナキリスゲ イヌコウジュ ハシカグサ ヒメジソ ハイチゴザサ

 

鳥の鳴き声 ヒヨドリ シジュウカラ モズ メジロ ヤマガラ ウグイス カケス ハシボソガラス

ネコハギ2
ネコハギ
ノブキ
ノブキ
ハイイロチョッキリが落とした枝
ハイイロチョッキリが落とした枝
ヒヨドリバナ
ヒヨドリバナ
ホタルガ
ホタルガ
マツカゼソウ猿投
マツカゼソウ
マルバハギ
マルバハギ

第111回山路の森自然観察会報告書

1、日 時   令和2年8月15日(土) 天気晴れ 
 
2、テーマ   雑木林の虫 
 
3、参加者   27名 (大人23名、 子供4名) 
 
4、コース   シラカシ広場 → 朴木平  第一管理道 →  
 
        シラカシ広場 → ゲート → シラカシ広場 
 
        (その後場所を変えて昼食・解散) 
 
 今日も上天気です。町中の温度は39度予想の中、山路の森は涼 
 
しい。太陽光線は高い樹木、低い樹木に遮られ私たちの居心地を好 
 
くしてくれる。子どもさんも4人参加、一人は乳母車に乗って。 
 
虫かごと、大きなタモを持参してくれました。足元にはキンミズヒ 
 
キ、ヒメキンミズヒキ、ツルニガクサが咲いていました。頭上ではア 
 
ブラゼミ、ミンミンゼミが鳴いていました。キリギリスを捕まえよ 
 
うとしたのですが逃げてしまいましたが、コアオハナムグリは捕ま 
 
えること出来ました。又人間の体に止まる虫がいます、ヘビトンボ 
 
です。これがほんとにトンボ?(写真を見てください) 
 
  
 
1ヶ月前にはサルナシ湿地にはクロコノマチョウの幼虫が沢山い 
 
ましたが、今日は蛹になっていました。成虫は夕方になるとでてく 
 
るようで帰るまで姿を見ませんでした。 
 
樹木はノリウツギ、クサギの花が咲いていました。 
 
昼食の場所は小さな小川が流れる場所でした。大きなオニヤンマが 
 
縄張りを守るように何回も行ったり来たり飛んでいました。  
 
せせらぎの音が聞こえる場所はたいへん涼しい感じがします。 
 
 
 
今日見たいろいろなもの 
 
  〇木の花  ノリウツギ、クサギ 
 
   
 
○草ノ花   ハエドクソウ、ツルニガクサ、ヒメキンミズヒキ、 
 
キンミズヒキ、ヒヨドリバナ、イタドリ、ヤブラン、ガンクビソウ、

アキチョウジ、ミズタマソウ ○虫     ミンミンゼミ、アブラゼミ、コアオハナムグリ、 キリギリス、ヘビトンボ、オニヤンマ、ジョロウグモ、ウズグモ、

クワガタ、クロコノマチョウ、カナヘビ、ゴマダラシロエダシャク、

キンモンガ、ツクツクボウシ、トノサマガエル     ○鳥     メジロ、エナガ、ソウシチョウ、ヒヨドリ、

コゲラ、クロツグミ、ヤマガラ、シジュウガラ

P8158402
P8158376クロコノマチョウ蛹
クロコノマチョウ繭
P8158379
クロコノマチョウ幼虫
P8158382ヘビトンボ (2)P8158395ミズタマソウ (2)
ヘビトンボ      ミズタマソウ
P8158391キンモンガ
キンモンガ

第110回 やまじの森自然観察会

日時: 令和2年7月18日()
天気: 雨
テーマ:夏の野草
参加者:7名
コース:ヤマモモ広場➝林道➝大曲➝水場➝トイレ➝三叉広場
杉の谷コース堰堤手前➝北歩道出会い➝三叉広場
(昼食)➝ヤマモモ広場
  第2波の新型コロナウイルス、梅雨後半の大雨が続く中、7名の参加者とスタッフ3名、合わせて10名で観察会を実施した。雨は早々に上がるものと天気図を確認してきたが、結局昼食の時間まで青空は望めなかった。毎年コクランが観察できる場所は、葉っぱだけの状態であり、猿投山登山口手前でサルナシの実の落下したものを確認した。そこではジャケツイバラ幼木のツルが新緑にひかり輝いていた。林道脇にはハエドクソウの小さい花が咲き、大曲りでは傘をさしてのジャコウアゲハの幼虫観察となった。途中、バイカツツジは雨に打たれて花もしおれていた。また、カラスザンショウやイヌザンショウの匂いの違いを確かめた。トイレ脇ではツクバネの写真、杉の小枝に着生したカヤランに目をこらして確認した。三叉では、毎年、初夏を感じさせてくれるチダケサシとミカワショウマの白い花がいっぱい咲いていた。一方で、頭上の林の中、右からソウシチョウ、左からクロツグミの鳴き声が聞こえ、姿は見えなかったが感動の一瞬であった。堰堤下の川の中、および杉木立脇にはミカワショウマが凛として花開いていた。堰堤下でミカワショウマを見た後は、ナツフジ、アキノタムラソウが写真対象となっていた。三叉広場にはムラサキニガナが咲き誇り風に揺れて写真撮影の難しさを感じた。三叉での昼食後は、地面と同色のタゴガエル、そのジャンプ力に驚き、帰りはクジャクゴケに目を奪われ、それぞれが楽しい観察会となった。

■観察できたもの

◇花 ハエドクソウ、ダイコンソウ、オオバノトンボソウ、キンミズヒキ、ノギラン、ナツフジ、アキノタムラソウ、ヒヨドリバナ、ムラサキニガナ、チダケサシ、オカトラノオ、ミカワショウマ、ヘクソカズラ等

◇鳥 メジロ、ハシブトガラス、ホトトギス、ウグイス、ソウシチョウ、アオゲラ、コゲラ、ヤマガラ、オオルリ、ヒヨドリ、キビタキ、クロツグミ、ヤブサメ、カケス

◇昆虫、他 カタツムリ、シマヘビ、タゴガエル、コクワガタ()、ヒメコガネ、フタスジハナカミキリ、イオウイロハシリグモ

◇木 ヤマアジサイ、ヒメコウゾ()

20200718 傘
雨中の幼虫探し
20200718 ジャコウアゲハ幼虫20200718ヒヨドリバナ
ジャコウアゲハの幼虫         ヒヨドリバナ
20200718ナツフジ20200718チダケサシ
ナツフジ              チダケサキ
20200718ミカワショウマ120200718ミカワショウマ2
ミカワショウマ
20200718タゴガエル20200718シマヘビ
タゴガエル           シマヘビ


109回 やまじの森観察会

令和2620日(土) 天気 晴れ

テーマ 水辺の植物 

参加者 23

コース ヤマモモ広場シャラノキコースサルナシ湿地第1管理道アジサイコースシラカシ広場・林道ヤマモモ広場

   新型コロナウイルスによる自粛のため3か月ぶりの観察会となりました。久しぶりにお会いする皆様はどなたもお元気で安心しました。

   ヤマモモ広場からシャラノキコースへ進むとナツツバキの花が落ちていました。ヒメシャラとともに高木で、落ちている花を見て開花を確認することができました。二つの花を並べると花の大きさで違いが分かりました。バイカツツジが葉の陰に隠れるように平開花を反り返らせて咲いていました。オオバノトンボソウもあちこちに数本見つけることができました。立ち上っても虫害なのか先枯れを起こすこと多いランです。ジガバチソウも茶色いタイプのものをみることができました。

   サルナシ湿地では今回のテーマの水辺の植物のオニスゲ、ミヤマシラスゲ、イ、ゴウソ等を観察しました。堰堤に砂が溜ったサルナシ湿地では、今ツルヨシが一面に繁茂しています。今年はそのツルヨシにクロコノマチョウの幼虫が多く発生していました。ヨシ原を歩くだけで数匹の幼虫がズボンに付くほどです。なかなかユニークな動物顔の幼虫に大いに盛り上がりました。終齢近いものや既に蛹になってしまったものまで、じっくり観察ができました。湿地の橋を渡ったところで休憩タイム、いつの間にか腕の所に大きなスズメガのペアが止まっていました。あとで調べてもらうとクチバスズメと分かりました。クシヒゲベニボタルのペアもその近くで観察でき今回は昆虫日和となりました。

    第一管理道からアジサイコースへ行く途中にササユリが咲いているという情報を戴いていましたが多くは散っていて一輪だけ遠目で観察、残念に思いながら林道に出たところで新鮮な香りたつササユリの花に出会えました。前日の雨でヤマアジサイの白がいっそう映えていました。いつも気にかけていたハンショウヅルはすでにタネになりつつあります。

   あまり派手な花もなく時間を持て余すのではないかと思われた今月の観察会でしたがクロコノマチョウ等の昆虫の出現で、いつもになく楽しい観察会となりました。

観察できたもの

花 オカトラノオ オオバノトンボソウ ジガバチソウ ササユリ バイカツツジ等

昆虫 クロコノマチョウ シロシタホタルガ クシヒゲベニボタル クチバスズメ シオカラトンボ ジャコウアゲハ等

鳥 キビタキ ヒヨドリ ウグイス ソウシチョウ コゲラ シジュウカラ ヤブサメ メジロ ヤマガラ サンショウクイ センダイムシクイ エナガ ホトトギス

クロコノマチョウ
クロコノマチョウ
クロコノマチョウ3クロコノマチョウ 蛹
クロコノマチョウ
クシヒゲベニボタル
クシヒゲベニボタル
クチバスズメ (3)
クチバスズメ
バイカツツジ 
バイカツツジ
ヤマアジサイ (2)
ヤマアジサイ
ハンショウヅル タネ
ハンショウヅル  タネ
オオバノトンボソウ
オオバノトンボソウ

 

第108回 山路の森 観察会報告

期 日   令和2年3月21日(土) 天気 晴れ 

テーマ     春をさがそう 

参加者     21名 

コース    ヤマモモ広場→シャラノ木コース→サルナシ湿地→ホウの木平→カワセミコース→展望台→あじさいコース→林道 ヤマモモ広場(観察会終了・昼食・解散) 

今日は好天に恵まれ沢山の参加者が来てくださいました。常連さんがご近所さんやお仲間を誘って下さり、賑やかな観察会となりました。 

ヤマモモ広場にはシロモジの黄緑色の花が咲き、オオカメノキの蕾も開き初めました。足元にはニオイタチツボスミレが咲いていました。 

シャラノキコースに入るとヤマウグイスカグラの花が咲き毛が沢山あることが確認できました。足元にはシュンランが沢山の花をつけていました。地味ですが可憐なヒメカンスゲも咲いていました。 

トサミズキの群落も黄色の花をつけていました(花序の軸に毛が密生花弁がヘラ形)葯は赤色、トサミズキ言いますがマンサク科です。
展望台で休憩です。ソヨゴの大木が出迎えてくれました。向かいの山側はタムシバの花は咲いていないようでした。 

ヒサカキの花の香りが漂っていました(この香りは好き嫌いがあるようです)ヒサカキの雄花、雌花を見つけました。(雄株、雌株別です) 

アオキの雄花もみつけましたが雌花はまだ咲いていないようです。(雄株、雌株別です) 

ダンコウバイ、クロモジ、シロモジの花の違いも分かりました。

春の観察会は花の香りも嗅いで楽しい観察会になりました。 

花が咲いていた木 キブシ ヤブツバキ クロモジ シロモジ シキミ オオカメノキ ヒサカキ アセビ ダンコウバイ ヤマウグイスカグラ トサミズキ オオバヤシャブシ 
コバノミツバツツジ
花の咲いていた草本 シュンラン ヒメカンスゲ マキノスミレ ショウジョウバカマ ニオイタチツボスミレ 
スズカカンアオイ 
昆 虫 ビロードツリアブ ルリタテハ テングチョウ 
クワゴマダラヒトリの幼虫
  ヤマガラ メジロ ヒヨドリ アカゲラ ツグミ 
アオジ シロハラ トラツグミ ウグイス エナガ ミソサザイ コゲラ シジュウカラP3183622シュンラン
シュンラン
P3183637ヒメカンスゲ
ヒメカンスゲ
P3183639ニオイタチツボスミレ
ニオイタチツボスミレ 
P3183640オオカメノキ
オオカメノキ
P3183645コバノミツバツツジ
コバノミツバツツジ
P3183646アオキの雄花
アオキの雄花
P3183647ダンコウバイ
ダンコウバイ
P3183648ショウジョウバカマ
ショウジョウバカマ
P3183652トサミズキ (3)
トサミズキ
P3213662ヤマウグイスカグラ
ヤマウグイスカグラ

 

第107回 やまじの森 観察会報告

日 時    令和2年2月15日(土)  天気 曇り

テーマ    冬芽

参加者    21名

観察コース  変電所前→ゲート→第1管理道→ホオノキ平・サルナシ湿地→シャラノキ群生地→ヤマモモ広場(昼食)→ゲート→変電所前

1月に続いて変電所前から出発となりました。今月のテーマは冬芽です。変電所の直ぐ近くの空き地でオオバヤシャブシの観察から始まりました。枝先から葉芽、雌花序、雄花序の順に付きます。星状毛で被われた裸芽のアカメガシワと葉痕に囲まれたヌルデも隣り合わせにありました。ヌルデは毛が密に生え芽麟は見えませんが裸芽ではありません。ルーペやカメラに収められた冬芽の拡大写真を覗きこんだり、それを冬芽ハンドブックで照らし合わせたりメモを取ったりと目に付く樹木を丁寧に観察しました。カスミザクラの冬芽は赤褐色でツヤがあり無毛、芽麟の先は開かないとハンドブックに書かれており、まさのにその通り。リョウブは早くに芽麟を落としますが、まだ残っているものもありました。こうして一つ一つ確認しながら牛歩の歩みでゲートまで1時間半。今まで車で通り過ぎることの多かったゲートまでの道には多くの樹種があることが分かりました。また今回のルートではゴンズイの幼木、やまじの森では一番標高の低い所にあると推測されるアカガシ、花芽の付いたダンコウバイと新しい発見がありました。あまりに熱心な観察でコース変更も考えましたが、第1管理道に入る頃からはスピードアップ。冬芽の王様オオカメノキの花芽を観察したり、落葉樹の芽ばかりが冬芽ではないとヤブニッケイの優しい色合いの芽も観察できました。

ぴったり予定時間にヤマモモ広場に到着し昼食を取ることができました。曇ってはいましたが風もなく、まずまずのお天気で、和気あいあいと楽しい観察会となりました。

観察できたもの

◆冬芽 オオバヤシャブシ アカメガシワ ヌルデ タカノツメ サルトリイバラ ヒメヤシャブシ ウワミズザクラ カスミザクラ マルバアオダモ ヤマハゼ ウリカエデ ネジキ ミヤマガマズミ リョウブ エゴノキ 
カマツカ ムラサキシキブ ゴンズイ クサギ ヤマコウバシ シロモジ ダンコウバイ ヤブニッケイ オオカメノキ タニウツギ ニシキウツギ タラノキ バイカツツジ ホオノキ ザイフリボク ナツツバキ ヒメシャラ ヤマウグイスカグラ アカガシ等

◆花 アセビ マンサク ヤブツバキ スズカカンアオイ

◆鳥 メジロ ジョウビタキ ヒヨドリ ヤマガラ カケス シジュウカラ 
ハシブトガラス アオゲラ ウソ トビ ミソサザイ エナガ 
あっちで止まり・・
オオカメノキの花芽
オオカメノキの花芽
オオバヤシャブシ
オオバヤシャブシ
カスミザクラ
カスミザクラ
ヌルデ
ヌルデ
ヤブニッケイ
ヤブニッケイ
リョウブ
リョウブ
林道沿いのダンコウバイの花芽
ダンコウバイの花芽
頼りになる参考書
参考書

第106回 やまじの森 自然観察会報告

日時   令和2年1月18日(土)    天気  晴れ

テーマ  冬の野鳥観察          参加者 15名
コース  中部電力変電所前 → 林道ゲート → 1号管理道 → ホウノキ広場 →サルナシ湿地 → ヤマモモ広場 
➝ 猿投山登山口・山桜下 ➝ 変電所前

 新年明けの自然観察会は「冬の野鳥観察」ということで、中電変電所前から出発した。

風は冷たかったものの、晴れた空と林の中の風の和らぎで気持ちよく観察会を行うことが

できた。やまじの森は海上の森と比べると小鳥が少なく、小鳥を観察できるのかとアオキの実の赤い色づきを見ながら歩を進めた。途中、セイタカアワダチソウはベニマシコの好物、アラカシの実はカケスの大好物なものと聞き、雑木林の整備においても一考を要すると思われた。1号管理道に入り、遠くリョウブの梢でウソのオスの赤い首元に感動し、ウリカエデの実を落としては楽しみ、枝先のヤママユ、姿は見えないがコジュケイの鳴き声〝ちょっと来い“も確認された。上を見て歩いているとスズメバチの巣が樹上にあり、また、カラスやメジロと思われる巣も確認することができた。サルナシ湿地脇ではシュンランの花芽も確認できた。ヤマモモ広場への道では、ウソのメスが木の梢にとまり、しっかりと眺めることができた。猿投山登山道脇の枯れてしまった名木「傘松」に思いを走らせ、山桜下の陽だまりで昼食を頂いた。帰りのゲート付近では、エナガの群をみんなで観察して会を終了した。

【確認した鳥】メジロ、ヒヨドリ、ハシブトガラス、カケス、アオジ、ウソ()、ウソ()

ルリビタキ、コゲラ、コジュケイ、シロハラ、シジュウカラ、
エナガ
IMG_9427ウリカエデの実を落とす
           ウリカエデの実を落とす
IMG_9421ウソ雄 (2)IMG_9464ウソ雌 (2)
      ウソの雄          ウソの雌
IMG_9424カラスの巣IMG_9433ハチの巣

      カラスの巣        蜂の巣
IMG_9477ジャノヒゲIMG_9428ヤママユ (2)
      ジャノヒゲ        ヤママユ
IMG_9475ヤブツバキIMG_9399アオキの実
       ヤブツバキ                        アオキ


2020(
令和2)年度 

"やまじの森の自然観察会"開催予定 観察会テーマ予定 (2)

◎申 し 込 み 締 切 な ど

対象者 :  一般

開催日の1週間前までに電話・Eメールでお申し込みください。              

 090-2550-0340(大塚)                                       

Eメール zukasamakatsuoo@yahoo.co.jp                                  

持参品: 弁当、雨具                                

その他:  小雨決行      
                                  

◎時間/集合場所

9:30~13:00  やまじの森ゲート前

集合場所は変電所前に変更する場合があります。


第105回 やまじの森自然観察会報告

日時   令和元年12月21日(土)        天気  曇り
テーマ  照葉樹
参加者  16名
コース  ヤマモモ広場 → シャラノキコース → 
              ホオノキ平 → 一号管理道
 → 林道 → 堰堤 
              → ヤマモモ広場


 照葉樹とは文字通り、葉の表面のクチクラ層が発達し、厚くて照りのある葉をもつ常緑広葉樹のことです。S氏の樹木調査に基づいて作成した「やまじの森の照葉樹表」をスタート時に参加者に手渡し、各人がチェックしながら観察しました。
 林内では落葉樹の葉は色あせ、ほとんど散ってしまっています。落ち葉を踏む音、タカノツメの甘い匂いを楽しみながら歩きました。葉の形、葉の付き方が対生か互生か、葉の縁に鋸歯があるかどうか、葉裏の色などで同定します。ネズミモチはネズミの糞のような黒い実、ソヨゴは長い柄のある赤い実、サカキは頂芽が鎌形に曲がる、シャシャンボは葉裏の主脈を触ってみるとゴツゴツの突起がある、モッコクの葉柄は赤い、シラカシの葉裏は淡緑色だがウラジロガシは蝋質に覆われ粉白色、等、それぞ
れの特徴を確認していきました。
 ヤマモモ広場から林道を上り大きくカーブするところを右手に沢沿いに上っていくと堰堤近くにカゴノキ(鹿子木、クスノキ科)があります。樹皮が鹿の子模様であることが決め手です。その近くにあったリンボクを入れて今回は32種の照葉樹を確認することができました。
 ヤマモモ広場に戻り軽く昼食をとったあと、観察会の皆さんと一緒にやまじ小舎での餅つきに参加させていただいてご馳走になりました。自然を満喫しお腹も満たされ幸せな一日でした。

【照葉樹】 アオキ、アセビ、アラカシ、イヌツゲ、ウラジロガシ、カゴノキ、サカキ、シキミ、シャシャンボ、シラカシ、シロダモ、ソヨゴ、タブノキ、ツクバネガシ、ツブラジイ、テイカカズラ、ナワシログミ、ナンテン、ネズミモチ、ヒイラギ、ヒサカキ、フユイチゴ、マンリョウ、ミヤマシキミ、ムベ、モッコク、ヤツデ、ヤブコウジ、ヤブツバキ、ヤブニッケイ、ヤマモモ、リンボク
【鳥の声】 アオジ、ウグイス、エナガ、コゲラ、ソウシチョウ、シジュウカラ、ハシボソガラス、ヒヨドリ、メジロ、ヤマガラ、ルリビタキ
20191221ヤブコウジ
ヤブコウジとテイカカズラ
20191221フユイチゴ
フユイチゴ
20191221アオキ
アオキ
20191221ウスタビガの繭
ウスタビガの繭
20191221テンナンショウの実
スルガテンナンショウの実




第104回やまじの森自然観察会報告

日 時 令和元年11月16日(土)   天気 晴れ

テーマ 落ち葉の色彩

参加者 18名

観察コース  ヤマモモ広場→第一管理道→サルナシ湿地→シャラノキコース→ヤマモモ広場
 
11月に入りムラサキシキブの実がやっと紫色に色づいてきました。遅れていた木々の色づきも例年通りとなり、森は秋本番の装いです。

今日は初参加のお二人と、参加者のお孫さんで10歳7歳4歳の三姉妹の参加でにぎやかです。参加者のみなさんにお気に入りの落ち葉を拾っていただくことにし、ヤマモモ広場から出発しました。

ヤブツバキの花が咲きだし、シロダモの黄色い花が満開でしたが、秋の名残の花も多くありました。フユイチゴ、ナツハゼは食べごろ、タマミズキは今年も赤い小さな実をたくさんつけて、森は実りの秋といった感じです。

三姉妹はきれいな色の葉をせっせと自分の袋に集めていました。袋の中にはドングリや赤い実も入っています。

ゴールのヤマモモ広場で拾ってきたお気に入りの落ち葉でステンドグラス遊びをしました。ところどころを切り取った黒い画用紙に色とりどりの葉を張り付け、陽に透かしてみました。とてもきれいでした。

今日はおだやかな日で、のんびりゆっくり晩秋の日を楽しみました。

 

咲いていた花 ヤブツバキ ノコンギク シロダモ ナワシログミ リンドウ コウヤボウキ

 

見つけた実 ソヨゴ コバノガマズミ ミヤマガマズミ ムラサキシキブ サルトリイバラ フユイチゴ ナツハゼ ヤブコウジ バイカツツジ オオウラジロノキ シロモジ シャシャンボ ヒサカキ サカキ アオハダ カマツカ タマミズキ ツルリンドウ スルガテンナンショウ ウリカエデ アズキナシ イタドリ ツルアリドオシ

 

鳥の鳴き声 カケス ジョウビタキ メジロ ヒヨドリ モズ アオゲラ ハシブトカラス ツグミ ソウシチョウ ウグイス ヤマガラ ルリビタキ イカル
ゲンノショウコ種子
ゲンノショウコ種
タマミズキ1
タマミズキ
フユイチゴ 猿投
フユイチゴ
ムラサキシキブ
ムラサキシキブ
ヤブツバキ1
ヤブツバキ
リンドウ
リンドウ
猿投の紅葉2
猿投の紅葉
三姉妹とステンドグラス
三姉妹ステンドグラス


第103回山路の森観察会報告

日 時    令和1年1019日   天気  曇り 

テーマ    木の実、草のタネ 

参加者    13人 

観察コース  三叉広場 → 北歩道 → WC →ヤマザクラコース → 三叉広場(昼食)・解散

今日は昼から雨という予報に、少し安堵して観察会を始めました。ミカワショウマ、チダケサシ、クモキリソウ、オオバノトンボソウが枯れて立っていました。
  雨の後なのでアケボノソウがあちらこちらに咲き出して美しい姿を見せてくれました。この花は山地の水辺に生える2年草です。和名は花冠の先に黒紫の斑点があるのを夜明けの空にみたてたものです。

裂片の緑色の2点は蜜腺溝でここから蜜を分泌しているので虫がよく来ています。 

昔の人はロマンチストですね。
    コウヤボウキも咲き出しました。高さ60㎝〜100㎝草状の落葉低木で枝先がややたれさがり、1年目の枝にわずかにピンクを帯びた花をつけます。2年生の枝には少し細長い葉が35枚束生しますが花は付けません。3年目には枯れてしまいます。和名は竹を植えることを禁じられていた高野山でこの枝から箒を作ったので、高野箒と名付けられました。
    閉鎖花のセンボンヤリも沢山咲いていました。折角のボンボンが雨に濡れて台無しでした。
    木の実はシロモジの実が黒くなりかけ、ウラジロの実は黄色になっていました。ツクバネは緑、アズキナシ、カマツカは赤い実、アオキは緑色と半分赤くなったのや、いろいろです。
 雨上がりの道にはサワガニが何度も現れて楽しませてくれましたサワガニは日本固有種です。手足が赤いのが特徴です。
 三叉で昼食を食べているとアサギマダラが1頭飛んできてくれました。今日は蛾も飛んでこないなぁ〜と思っていたので嬉しかったです。今日もいいことがありました。

咲いていた花
  アケボノソウ、アキノキリンソウ、センブリ、スズカアザミ、シロヨメナ、ヤマシロギク、コウヤボウキ、ガンクビソウ、シュウブンソウ、ミズヒキ、ゲンノショウコ、閉鎖花のセンボンヤリ

木の実

  アオキ、ナナカマド、ウラジロ、シロモジ、ミヤマシキミ、ムラサキシキブ、ツクバネ、アオハダ、ヤブコウジ、カマツカ、アズキナシ、ミズキ草のタネ、アメリカイヌホウズキ、チゴユリ、
ツルアリドウシ、アキノタムラソウ、ゲンノショウコ、キンミズヒキ、ササクサ、等


  ヒヨドリ、メジロ、カケス、エナガ、ヤマガラ、 コゲラ、シジュウカラ


  アサギマダラ

甲殻類

  サワガニ
PA161824ゲンノショウコ
ゲンノショウコ
PA161813ミヤマシキミ
ミヤマシキミ
PA161821センボンヤリ
センボンヤリ
PA161830シロモジ実
シロモジの実
PA161833ヤブコウジ
ヤブコウジ
PA161834ツルアリドウシ
ツルアリドウシ
PA170867ツクバネ
ツクバネ
PA191857アケボノソウ
アケボノソウ
PA191858チゴユリ実
チゴユリの実
PA191863サワガニ
サワガニ





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