やまじの森 自然観察会

第90回山路の森自然観察会報告

日時    平成30年9月15日(土)  天気   雨
テーマ   秋の野草
参加者      13名
コース   ヤマモモ広場 ー 林道 ー 第2管理道入口 ー ヤマモモ広場 
 停滞する秋雨前線のせいで連日すっきりせず、朝から雨。三叉まで行き昼食をとる予定を変更し、アケボノソウの群生地まで行こうと13名で出発しました。林道沿いには秋の野草が雨に濡れて咲いています。この季節にはシュウブンソウ、ガンクビソウ、ヤブタバコ等のキク科の花が多く見られ、シラヤマギク、ノコンギクも咲き始めました。シソ科のイヌコウジュが群生し、薄紅色の小さな花をつけています。香じゅの名前どおり葉を揉むとミント系のよい香りがします。同類のヒメジソとよく似ているので葉や萼の形の違いを確認しました。大曲りには昨年までナギナタコウジュがありましたが、今年は皆で探したけど見つかりません。どこかに生き残っていることを期待しています。アキチョウジも青紫色の丁字形の花をつけていて、この花に出会うのは秋の楽しみのひとつです。
 薄暗い林道脇の腐葉土の上にオレンジ色の物体!なんとタマゴタケでした。数日前の下見では生えてなかったのに6、7本が半円を描くように並んでいます。菌輪のことを妖精の輪、フェアリーリングというのだと教えていただきました。毒きのこのベニテングタケと同じような色なのにこれは美味しいと評判です。メンバーのさんが先日スープにして食し、とても美味しかったとも聞きました。でも食べるのには勇気のいる派手さですね。以前きのこに詳しい人と一緒に採取し調理したイグチのきのこ汁を食した際、舌がピリピリして不安になりました。きのこは素人には怖いです。今回の下見でカエンタケを三叉広場手前の林道脇で1株見つけました。猛毒であるだけでなく触ると皮膚がただれるので用心してください。キイボカサタケも可憐ですが毒きのこです。
 花弁に斑点があり夜明けの空に見立てて名を付けられたというアケボノソウも今年は株が増え、つぼみをたくさんつけています。音楽祭の頃には見頃となるので楽しみです。
 聞こえる鳥の声もわずかでしたが、先頭を歩いていたMさんがヤマドリの雄を発見、写真を撮って見せてくださいました。百人一首の和歌のとおり長い尾を持った柿色の美しい鳥でした。
 ヤマモモ広場に帰ってくると出発時つぼみだったツルニンジンが開花し出迎えてくれました。始終雨でしたが林道を歩いて秋の訪れを楽しむことができました。
 
[ 上記以外に観察できたもの ]
 
草の花 : ヒヨドリバナ、スズカアザミ、ダンドボロギク、センボンヤリ(閉鎖花)、ボントクタデ、ハナタデ、ミズヒキ、キンミズヒキ、ヒメキンミズヒキ、ヤブラン、オトコエシ、ヌスビトハギ、アレチヌスビトハギ、ゲンノショウコ(赤)、ナキリスゲ
 
木の花 : ノリウツギ、クサギ
 
鳥の声 : コゲラ、エナガ、メジロ、カケス、キジバト、ヤマガラ、
      アオゲラ、ヒヨドリ、 シジュウカラ 
                                   アキチョウジオトコエシ
アキチョウジ    オトコエシ
ノコンギクカエンタケ
ノコンギク     カエンタケ
キイボカサタケタマゴタケ
キイボカサタケ       タマゴタケ

 

第89回山路の森定例観察会報告

日時  平成30年8月18日(土)   天気  晴れ
テーマ 雑木林の虫
参加者 17名
観察コース  ゲート手前→ヤマモモ広場→ヤマモモコース→サルナシ湿地→ホオキ平→1号管理道→アジサイコース→シラカシ広場→ヤマモモ広場
   今年の夏は異常気象と言われ、東海地方でも40℃超えをしたところがあり、気温が人の体温より上をいくという恐ろしい現象が起きていました。お盆を過ぎてようやくこの暑さは収まりつつあるようです。
    今日のテーマは「雑木林の虫」です。この厳しい暑さの中、虫たちは元気に活動しているのでしょうか。最初はゲート手前にある樹液の出ているアベマキの樹を見に行きました。下見の時にはコクワガタ、ミヤマクワガタ、カブトムシ等が十数匹、樹の上部に這っていましたが、今日は残念ながらコクワガタが2~3匹這っていただけでした。背中をつまもうとすると樹から落ちて枯れ葉の中に潜ってしまいます。
    森の中ではもうツクツクボウシが鳴いていました。イヌザンショウにはジャコウアゲハが訪れていました。セミの抜け殻でセミの種類を同定したり、ススキの葉の裏のクモの巣を観察したり、なかなか前へ進めません。
     ハラビロカマキリは掴もうとするとこちらを見てお尻を上げて威嚇するようなポーズをとりました。ジョロウグモは三層の巣を作り、獲物にした虫たちの残骸を外側の網に引っ付けていました。シラカシ広場のシラカシの樹にクワガタを2~3匹見つけました。大型の方はノコギリクワガタでは?とのことでした。
     この暑さの中、森の中にはいろいろな虫がいるのに驚きました。そしてその虫たちの行動をしばらく観察することは、とても興味深く楽しいことでした
     林内には秋の花が咲きはじめました。植物や生きものはどうやってこの気候の変化を敏感に感じとることができるのでしょうか。
     ノリウツギが白い花をつけはじめ、ミズタマソウが白い可憐な花とその下に丸い果実をつけています。ダイコンソウの集合果は例年よりみんな大きいような気がします。
      シマジタムラソウが沢の近くに薄紫の花をつけていました。クサギの花は満開です。
      アジサイコースの谷筋にはイノシシの親子がいました。人間に驚いた親イノシシは向う側の斜面を駆け上がってしまい、残されたウリボウは上流へ下流へ走りまわり親を探していたようです。
     ジョロウグモの姿を見て、ツクツクボウシの鳴き声を聴いて、秋の気配を感じた観察会でした。

観察できたもの
◎   虫たち ツクツクボウシ アブラゼミ ミンミンゼミ ジャコウアゲハ ムラサキシジミ バッタ ハラビロカマキリ アキアカネ イトトンボ ハグロトンボ    コクワガタ ノコギリクワガタ ジョロウグモ キンモンガ シロシタバ

◎   樹の花 ノリウツギ クサギ イヌザンショウ

◎   草の花 ミズタマソウ ヘクソカズラ ヒメキンミズヒキ ハエドクソウ マツカゼソウ ヤブラン フユイチゴ ミズヒキ ツルリンドウ アキノタムラソウ シマジタムラソウ ガンクビソウ サジガンクビソウ ツルニガクサ ミズギボウシ

◎   鳥の声 ヒヨドリ アオゲラ コゲラ メジロ ソウシチョウ サンショウクイ シジュウカラ エナガ ホトトギス キジバト

◎   その他 カナヘビ イノシシ親子

クサギ
クサギ
シマジタムラソウ1
シマジタムラソウ
ダイコンソウの集合果
ダイコンソウの集合果
ノコギリクワガタ
ノコギリクワガタ
ノリウツギ
ノリウツギ
ミズタマソウ
ミズタマソウ

第88回山路の森自然観察会報告書

日時  平成30年7月21日(土) 天気 晴れ
テーマ  夏の野草
参加者  14人
コース  ヤマモモ広場 →林道 →ゲート →堰堤 →山道 → 林道 →三又 →  周辺を観察 →昼食・解散
     毎朝天気予報は危険情報、無用な外出はしないようにと注意を呼び掛けている。
     山路の森は木々も多く標高もあり街中よりも5℃は低いので涼しいです。夏の草花が 
咲き出しました。
キンミズヒキ、ツルニガクサ、ママコノシリヌグイ 等又、イワタバコが蕾を付け、1輪咲いていました。
    今日は青い花、ツユクサ(露草)について書いてみます。万葉集では月草と書かれているようですが、色が着く、から着草と言われたようです。又、蛍草、青花、帽子花ともいわれました。
  ツユクサの花の色素は水や光に弱く色褪せるので友禅の下絵を描くのに使われました。しかしこの小さなツユクサではあまりに少なすぎるので大きな花のオオボウシバナ用いられました。花の大きさは4.5cmあります。現在は化学染料が用いられこの花の需要も少なくなりました。花言葉は 「尊敬」 「変わらぬ思い」 です。
    それにしても、1日花で花びらも解けてしまうので儚い花ですね。しかし茎の節から根を出し繁殖するという力も持っているしぶとい植物でもあります。
    花の構図は2枚の青色の花びらと1枚の白っぽい細長い花びらがあり6本の雄蕊がありますが短い4本は花粉のない仮雄蕊、長い2本の雄蕊には花粉が付いています雌蕊は付いているのと、無いのがあります。よく見ると分かります。受粉しなくても繁殖できる能力があるので強い植物です。身近な植物なので観察してみると面白いです。
    さてホトトギスの鳴き声がウグイスに似ているところがあり、ウグイスのところで托卵したのでは、と教えていただきました。鳴き声でそうだったのかと、初めて気が付きました。
【観察できたもの】
◆草の花  キンミズヒキ、ツルニガクサ、ヌスビトハギ、ノギラン、チダケサシ、ミカワショウマ、ムラサキニガナ、ツユクサ、ハエドクソウ、オニドコロ、タチドコロ、イワタバコ、ママコノシリヌグイ
◆鳥     メジロ、ヒヨドリ、センダイムシクイ、ヤブサメ、キビタキ、クロツグミ、 ヤマガラ、ウグイス、コゲラ、エナガ、キジバト、ヒガラ、ホトトギス
◆昆虫  シオカラトンボ、コクワガタ、クワガタ、タマムシ、コガネムシ、ミスジチョウ
◆爬虫類  カナヘビ

P7170315ダイコンソウ
ダイコンソウ
P7170322ヤブレガサ (1)
ヤブレガサ
P7170329継子のしりぬぐい
ママコノシリヌグイ
P7170341コクラン (2)
コクラン
P7170343ツユクサ (1)
ツユクサ
P7210383イワタバコ (1)
イワタバコ

第87回 山路の森自然観察会報告

日時   平成30616日(土)   天気 晴れ 
テーマ  水辺の植物 生き物
参加者  13
コース  ヤマモモ広場→シャラノキコース→サルナシ湿地→第一管理道→林道→ヤマモモ広場
    今回から新リーダーを迎え気持ち新たな観察会となりました。

 熊出没情報もあることから ゲートに近いところを歩くことにして、シャラノキコースからサルナシ湿地へ向かうことにしました。
   シャラノキコースの名称となったシャラノキ(標準和名ナツツバキ)とヒメシャラの森には ぽとぽとと花が落ちていました。両者とも植栽されてものです。合弁花で花の形そのままに落ちています。花の大きさがずいぶん違って、自生地ではこうして数メートル離れたところで比べて
見ることはできません。植栽は、比較観察をできることが利点です。高い木は咲いていることを見落としがちですが、一日花ですので落花は開花したことを知らせてくれます。通称シャラノキと言われるのは、平家物語の冒頭に出てくる「祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり沙羅双樹の花の色盛者必衰の理をあらす・・・・」その沙羅双樹(フタバガキ科)の花に似ているからと言われています。仏教三聖木のひとつとされ、お釈迦様が涅槃に入られた時に咲いていたとされ、誕生になった時の木は無憂樹(マメ科)悟りを開かれた時の木はインド菩提樹(クワ科)です。日本のお寺には菩提樹が多く植えられているのはそういった理由です。いずれの花も熱帯に育つものですので国内では植物園の温室でしか見ることはできないです。

散策道を一歩外れ、林の中を歩くと一斉にシャクガの仲間が飛び立ちました。一歩歩くごとに飛び立ち、一体何頭いるのか、捕まえようとしてもすばしっこくて捕獲することができません。シャクトリムシの仲間ですが同定することが出来なくて気になります。

 今回のテーマは水辺の植物・生物でしたので、サルナシ湿地では普段より湿地内の観察時間を多く取りました。堰堤に溜まった砂礫の上には、ツルヨシがずいぶん蔓延ってきていますが、この環境も小さな生き物にとっては良い隠れ家となっていると思います。毎年、アズマヒキガエルが産卵する水の溜まったところには、カヤツリグサ科の湿生植物のスゲ類が増えてきています。左岸の流れのある方は、ツルヨシが少なく、ここでは、山路の森では、あまり見かけないヤマジノホトトギスが多くありました。ほかの地域に多くあって貴重種ではなくても、この森に少ないものは大切にしたいものです。その他にも貴重種が見つかっていますので整備には十分な注意が必要です。

朴の木平近くでは、今回、ムヨウランの仲間が見つかりました。すでに花は終わっていましたが枝がしっかり残っていました。コウヤボウキの大株も元気に育ち、秋が楽しみです。バイカツツジも下向きに隠れるように花をつけていました。6月の季節を代表する花ヤマアジサイも素敵な花です。

今回、初の参加者の方が爬虫類や両生類、昆虫類等の生き物に詳しく、積極的に水辺を歩いて生物を探していただきました。キノコにも詳しく普段気にも留めないような小さなキノコにも名前を付けていただきました。コツボゴケの中のミズゴケノハナはとても可愛らしかったです。

■観察できたもの

木の花 ムラサキシキブ ヤブムラサキ バイカツツジ ネズミモチ ネジキ

◆草の花 オオバノトンボソウ(蕾) ミカワショウマ(蕾)ドクダミ ノゲシ ニガナ ハナニガナ シソバタツナミ コナスビ ハエドクソウ オカトラノノ イヌヌマトラノオ オニタビラコ ヒメジョオン 

◆湿地のカヤツリグサ科 オタルスゲ イグサ ホタルイ ゴウソ オニスゲ ミヤマシラスゲ

◆キノコ ヒメカバイロタケ キイアミアシイグチ カバイロクリタケ キサマツモドキ ツルデングタケ ベニヒガサ ミズゴケノハナ

◆鳥 アオゲラ ヒヨドリ キビタキ メジロ オオルリ ヤマガラ ハシブトガラス サンショウクイ センダイムシクイ ウグイス ヤブサメ エナガ コジュケイ

 

◆昆虫 カワトンボ シオカラトンボ ヤマトシリアゲ キンモンガ ヒョウモンエダシャク キマダラセセリ シャクガの仲間 ヨツボシスジハナカミキリ オバボタル ベニボタルの仲間 アシナガバエの仲間 コオロギの仲間 モリチャバネゴキブリ 

◆爬虫類 カナヘビ シマヘビ ◆両生類 タゴガエル ◆その他 ザトウムシ サワガニ

コツボゴケの中のミズゴケノハナ
コツボゴケの中のミズゴケノハナ

テングツルタケ
テングツルダケ
バイカツツジ
バイカツツジ
ヤマアジサイ
ヤマアジサイ
落花したヒメシャラの花
落花したヒメシャラの花
オカトラノオ
オカトラノオ


 

 

 

 

 

第86回 山路の森自然観察会報告

日時  平成30年5月19日(土)天気 晴れ
テーマ 新緑の雑木林
参加者   12名
コース   ヤマモモ広場 --   WC -- 三又 -- WC -- ヤマモモ広場
    前夜からの激しい雨も幸い朝にはあがり、集合時には青空が見えました。テーマどおりの新緑のなか、ヤマモモ広場から林道に沿って三又へ向かって歩いていきました。今年は花暦が例年より早く、ゲート前のジャケツイバラはすでに散っていましたが、猿投山登山口手前では黄金色の花を楽しむことができました。しかしながらこれは蛇結茨の名前のように驚異的な繁殖力で他に絡みつき鋭い刺があるので厄介物です。
 例年はこの時期には見られないコアジサイもすでに花を咲かせています。一般的なアジサイとは違って装飾花がなく淡青色の両性花だけの清楚な趣きで、顔を近づけるとほんの僅か良い香りがします。葉は鋸歯がはっきりしてつややか、秋の黄葉も見事です。
 大曲のオオバウマノスズクサは元気に葉を茂らせてサキソフォンのような形の花をいくつもぶら下げていました。筒状の花弁のように見えるのは萼で紫褐色の模様が目立ちます。今日は解剖をしてみました。雌しべにくっついて花粉をつけた雄しべもあります。なんだか奇妙な生き物の顔のようにも見えて、自然の造形の妙に感心してしまいました。
 緑の梢の間に真っ白に見えるのはヤマボウシ、桃色の縞模様が愛らしい釣り鐘型の花はカイナンサラサドウダン。ウラジロマタタビも白い花をいっぱい付けています。今秋はキウイフルーツに似た山路産の実をぜひ味わってみたいと思うのですが林道から手を伸ばしただけでは取れそうもありません。
 三又までの林道歩きでしたが様々な花に出会え、オオルリやキビタキ等の鳥のさえずりが聞こえ、蝶が舞い、何よりも緑の草や木々からパワーをもらえたひとときでした。
 
[ 観察したもの]
 
木の花
ウラジロマタタビ、エゴノキ、オオバウマノスズクサ、カイナンサラサドウダン、コアジサイ、コゴメウツギ、
コツクバネウツギ、ジャケツイバラ、ツクバネ、ヤマボウシ、ガンピ(蕾)、ヤブムラサキ(蕾)
 
草の花
ニガナ、ハナニガナ、ニョイスミレ、ヒメアギスミレ、ギンリョウソウ、コナスビ、ミヤマナルコユリ、
タツナミソウの仲間、アズマナルコ、オタルスゲ、ジュズスゲ、カニツリグサ、ヌカボ、イチヤクソウ(蕾)
 
鳥の声
アオゲラ、イカル、ウグイス、エナガ、オオルリ、キジバト、キビタキ、クロツグミ、コゲラ、サンショウクイ、
シジュウカラ、ツツドリ、ハシボソガラス、ホトトギス、ヒヨドリ、メジロ、ヤブサメ、ヤマガラ
 
その他
コミスジ、ジャコウアゲハ、ナガサキアゲハ、キンモンガ、カワトンボ、ギンヤンマ、アマガエル

オオバウマノスズクサ[1]
オオバウマノスズクサ
オオバウマノスズクサ(内部)[1]
オオバウマノスズクサの内部
カイナンサラサドウダン[1]
カイナンサラサドウダン
カワトンボ[1]
カワトンボ
コアジサイ[3]
コアジサイ
ツクバネ[5]
ツクバネ





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