わいがや講座

わいがや講座

2017年4月4日(火)
開催場所:尾張旭市新池交流館ふらっと
参加者 6名
テーマ:「炭の力」
講 師:加藤  明  作業委員長

講義の内容

「炭の力」として主に以下の説明がありました。初めて聞く内容も多々あり大変勉強になりました。
炭とは
炭とは、原料の木から煙だけを取り去ったもの。小さな穴が無数に空いている。
炭の構造
杉炭の断面は四角孔、檜炭は六角形の蜂の巣の構造になっている。
炭の性質
木の種類によって炭の性質が異なる。針葉樹は炭の内部の壁が薄く穴が多い。広葉樹に比べ表面積が約1.5倍大きい。広葉樹は炭の内部の壁が厚く、針葉樹に比べ強度がある。
白炭と黒炭
白炭は、炭化が終わるころ窓口を開け空気を窯の中に大量に入れ、窯の中の温度が一気に上昇、1,000度以上になったあと頃合いを見て炭を取り出し灰をかけて消火する。黒炭は、炭化が終わった段階で窯を密閉し空気の流入を止め消火する。冷えたあと取り出す。
白炭は皮がついていないが黒炭はついている。叩くと白炭は高い音、黒炭は鈍い音がする。白炭は火付きは悪いが火持ちがいい。黒炭は火付きは良いが火持ちが短い。
        備長炭
備長炭は白炭で炭素の純度が高い。煙が発生しにくく店舗内での炭火焼などに重宝される。昔は「和歌山県産でウバメガシを原料にしたもの」と言われていた。ノコギリでは切れず 鉈(なた)を用いる。
環境に優しい「竹炭」
竹炭は孟宗竹で作る炭で、木炭と比べ吸着力が高く、ミネラル成分が多い。脱臭や土壌改良剤として使われる。
オガ炭
製材時に発生するオガクズを圧縮成形した「オガテック」を原料とした木炭で、火持ちの良いオガ炭の白炭は焼肉店などで利用される。
炭の4つの働き
1吸着力  2調湿作用  3還元作用  4触媒作用
炭で焼くと、何故美味しく焼けるか。
赤外線(近赤外線、遠赤外線)の効果。赤外線は熱として食品に吸収されやすく、タンパク質を分解してグルタミン酸を生成する。

このあと「長久手まちセンまつり」の参加報告がありました。
IMG_0818 わいがや
 

わいがや講座

2017年3月7日(火)
開催場所:尾張旭市新池交流館ふらっと
参加者 8名
テーマ:「樹木医として循環活動を目指して」
講 師:    愛日緑化造園代表取締役 加藤 滋 様

講義の内容
主に瀬戸市近郊の森について話がありました。大変勉強になりました。

1.加藤講師は、名古屋大学農学部で森林生態学を学ばれ、樹木医の資格を始め一級造園施工管理技士、一級土木施工管理技士の資格を持たれている。
会社では、自然本来の魅力にあふれた山採りの木を使って庭づくりを行うことで、ジャングル化した森を再生へとつなげ、「庭づくりから森の再生へ」の循環を生み出しておられる。一方、瀬戸市を中心に24カ所での森ツアーを開催しておられる。

2.瀬戸市の森
(1) 瀬戸市にはマメナシ(東松山町)とマルバタラヨウ(中水野町)の天然記念物指定木がある。
(2) 瀬戸市の森は世界一の多様性を持った森である。
・先進国の中で森林率の高い国は、フィンランド、スエーデンに次いで日本は3番目である。
・かって日本は99%が森であった。
・現在日本には諸説あるが1200種の樹木がある。
・瀬戸市には約350種がある。東大演習林には約300種がある。
・瀬戸市の森の面積は約63㎢である。単位面積当たりの種の数は、350/63=5.6種/㎢
・アマゾンは、木の種類は16,000種、面積が700万㎢、単位面積当たりの種の数は、0.002種/㎢
・屋久島は、木の種類は900種、面積が500㎢、単位面積当たりの種の数は、1.8種/㎢
森の単位面積当たりの樹木の種類を比べると瀬戸市はダントツに大きい。

3.瀬戸市の森の秘密
(1)粘土質の地層
粘土層の上に砂礫層が重なってある。地層の隆起で上側に湾曲すると、雨水は流れ乾燥地帯となる。逆に下側に湾曲すると粘土層の上に水が溜まり湿地帯となる。
モンゴリナラはこの乾燥地帯に生育し、土壌が貧弱で砂礫層が地表に迫っている場所で、根を真っ直ぐに伸ばすことができず斜めに這わせる能力を持っている。
(2)日本の真ん中にある
南側からの常緑広葉樹と北側からの落葉広葉樹、針葉樹の両方が生存しているので種類が多い。
(3)禿山だった
禿山過ぎて大部分が人工林にすることができなかった。
(4)原生林がある
定光寺北斜面に原生林があり、原生林特有の木がある。

5.その他、植物連鎖、輸入材による木材価格の下落、木材自給率の低下、燃料革命、拡大造林や、森のツアーの説明があった。

わいがや講座

2017年2月7日(火)
開催場所:尾張旭市新池交流館ふらっと
参加者 14名
テーマ:「外来種」
講 師: 愛知県自然環境課 野生生物・鳥獣グループ
  主査 小川 敏幸 様

講義の内容
外来種について主に下記について話がありました。大変勉強になりました。
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1. 生物の多様性とは
1)種の多様性
2)生態系の多様性
3)遺伝子(種内)の多様性
2. 4つの危機
第1の危機 人間の開発、乱獲(日本産トキの絶滅)
第2の危機 里地里山の管理不足(ギフチョウ減少、鹿増加、竹林拡大)
第3の危機 外来種による在来種への影響(下記参照)、化学物質(農薬)
第4の危機 地球温暖化による環境悪化(ホッキョクグマ)

-------------ここから本題--------------
3. 外来種とは
  もともとその地域にいなかった生物で人間によって持ち込まれたも
カブトムシ(北海道にはもともといなかった)、カミツキガメ・・
4. 日本から外国へ持ち込まれた外来種
クズ(北アメリカ)、イタドリ(イギリス)、ワカメ(オーストラリア)
5. 外来種の及ぼす悪影響
1)日本固有種の生態系への影響
在来生物を食べる、在来生物と交雑し雑種をつくる、日陰にする
2)ひとの生命・身体への影響
3)農林水産業への影響・・・農作物を食い荒らす、畑を踏み荒す
6. 侵略的外来種とは
その種が自然の生息域外に導入、拡散することが生物多様性への脅威となる種。
7.特定外来生物とは(外来生物法)
もともと日本にいなかった外来生物のうち、生態系などに被害を及ぼすもの。
飼育・栽培・保管・運搬・販売・譲渡、輸入の原則禁止。
(哺乳類) アライグマ、ヌートリア等
(魚類)カダヤシ(メダカを絶滅させる)、オオクチバス(ブラックバス)等
(爬虫類)カミツキガメ等
(クモ類) セアカゴケグモ 等
(植物) ボタンウキクサ等

8.愛知県「自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例」
あいちの外来種・・・移入種対策ハンドブック
外来種被害防止3原則:外来種を「入れない・捨てない・拡げない」
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県内の生態系に著しく悪影響を及ぼすおそれのある移入種29種>
(淡水域の移入種)
アカミミガメ、ワニガメ、コブハクチョウ、オヤニラミ(もともと西日本には生息しているが西日本では絶滅危惧種、愛知県では外来種)、ナイルティラピア、カラドジョウ、スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)、スイレン、ハゴロモモ(カボンバ)、ハビコリハコベ(グロッソスティグマ)、ナガバオモダカ、キショウブ
(沿岸域の移入種)
チチュウカイミドリガニ、タテジマフジツボ、サキグロタマツメタ、ホンビノスガイ、アツバキミガヨラン、ウチワサボテン、ヒガタアシ
(陸域の移入種)
ハクビシン、パラワンオオヒラタクワガタ(在来種との雑種をつくる)、タイワンタケクマバチ、ホソオチョウ、アカボシゴマダラ、トウネズミモチ、タカネマツムシソウ、ポンンポンアザミ、ノハカタカラクサ、モウソウチク

9.愛知県のその他の外来種
(クサガメ、ニホンイシガメ、スッポン、アカウミガメは日本在来種)
カミツキガメ、ワニガメ、アカミミガメ(小さい時はミドリガメ)
オオキンケイギク(引き抜いて駆除)

10.今後要注意の外来種
アルゼンチンアリ(2mm)、クビアカツヤカミキリ、オオクビキレガイ(畑)、メリケントキンソウ(芝生に生える)、ウチワサボテン、ツマアカスズメバチ(九州)、アリゲーター・ガー(魚)

11.その他
コイの放流(日本の固有種は琵琶湖にしか生育していないと考えられている)
ホタルの放流(他地域からの持ち込みはNG。ゲンジボタルの点滅:東日本4秒、西日本2秒)
ハリエンジュ(ニセアカシヤ)(禿山から森への復元のため土壌改良目的で植えられた)
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次回予定 3月7日(火)  1:30〜3:30  
テーマ:樹木医として循環活動を目指して
講 師:愛日緑化造園代表取締役 加藤 滋 様
場 所:尾張旭市 新池交流館ふらっと

第19回わいがや講座

2016年12月6日(火)
開催場所:尾張旭市新池交流館ふらっと
参加者 24名+講師
テーマ:「瀬戸の植生と、これからの森づくり
講 師:            とよた森林学校主任講師    北岡 明彦 様

講義の内容
(レジュメから)
Ⅰ 瀬戸の潜在自然植生
 ·   潜在自然植生は標高によって異なる。
 ·       概ね標高300m以下・・・シイーカシ林
 ·       概ね標高300m以上・・・モミーカシ林
 潜在自然林はどこでわかる
 ·       神社仏閣の森(鎮守の森)は長い間皆伐されることがないため、その地域本来の森林の姿(極相林)を垣間見ることができる。
(例)定光寺、雲興寺、猿投神社東の宮など
Ⅲ 瀬戸の現植生
 1   瀬戸市〜東濃地方にかけては「日本三大ハゲ山地帯」の一つとされ、明治時代には広大なハゲ山が広がっていた。明治時代以降、多くの経費と時間をかけて植林活動を続けた結果、現代では緑が回復した。

 2        瀬戸市の地質は庄内川沿いの中生代チャートとそれ以外の地域の花崗岩に大別され、植生も大きく異なる。
 3        花崗岩地帯(風化土は貧栄養で固着性が低く水はけが良すぎるのが特徴)では平安時代から焼き物の産地として森林の過剰利用が続き、ハゲ山が広がった。
 4        ハゲ山地帯の沢沿いには東海地方固有湿地が発達し、そこにはシデコブシやシラタマホシクサなどの東海丘陵要素植物が豊産することが注目される。
 5        潜在自然植生はシイーカシ林とモミーカシ林であるがほとんど消滅し、各地の鎮守の森でわずかに見られるに過ぎない。
 6        現植生はアカマツ林、コナラーアベマキ林、スギーヒノキ人工林が多く見られる。しかし、植生遷移の進行に伴い、アカマツ林はコナラーアベマキ林に、コナラーアベマキ林はシイーカシ林に順調に遷移しつつある。これは、植生遷移の終着点で原生林の姿でもある極相林に近づいている証拠である。

(講話のメモから・・・聞き間違いがあるかも知れません)

       矢作川の左岸と右岸とではカンアオイの種類が異なる。右岸はスズカカンアオイ、左岸はヒメカンアオイが分布している。アリにより種子が運ばれ優勢のスズカカンアオイがヒメカンアオイを淘汰してきたが矢作川を越えることができなかった。
 
        一本木を切ることは命を断つこと。自然への畏怖を思いながら手を加えること。
 
    本来の植生=潜在自然植生(原生林の姿)

         他の地域から持ってきて植えることは、やってはいけない。
 
   ツブラジイ〜ツクバネガシ林には、ヤブニッケイ、カラタチバナ、ヒイラギ、リンボク、タマミズキ、ムヨウランなどの随伴種が生育する。これらも含めた森林として考えることが重要。

   ヤマザクラの野生寿命100から150年。200年は生きない。ヤマザクラの実生苗はない。カスミザクラの実生苗は多い。

   豊田市の山地帯と丘陵地の植生遷移の模式図2枚を参考に、森の一生の説明があった。瀬戸の植生遷移はこれらの模式図の中間、両方の要素が重なる。

         森は800年かけて裸の状態から原生林までゆっくり動いている。森林の一生は800年、人間の一生は80年。森林を観察するには、人間の尺度ではなく、森林の尺度で眺める必要がある。

   コナラの実から育てるには皆伐する必要がある。(親木の下に実生苗は育たない)

    針広混交林は目指しているがまだ実現していない。2−3年ごとに30%ずつ切るか巻枯らし間伐する。

   ギフチョウは人間が森林を適切に利用することによって増えた。(薪炭林や原木林として利用させてもらってきた結果として、落葉広葉樹林が成立し、そこに多くの動植物が生きてきた。)

   ギフチョウの減少の一番の原因は採集(高値で売れる)である。
わいがや講座
 

   最後に小川代表から絶賛の声で締めくくりがありました。貴重な話をありがとうございました。模式図を念頭に今後勉強していきます。

     加藤委員長、企画ありがとうございました。

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次回予定 2月7日(火)  1:30〜3:30  

テーマ:外来種

講 師:小 川 様  (愛知県 環境課)

場 所:尾張旭市 新池交流館ふらっと

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第18回わいがや講座

2016年11月1日(火)
開催場所:尾張旭市新池交流館ふらっと
参加者 8名+講師
テーマ:「ギフチョウの現状
講 師:猿投の森づくりの会員・ かすがいギフチョウのすむ里山づくりの会 代表
     日本鱗翅学会 自然保護委員会東海支部長        高橋 匡司 氏
講義の内容
 ギフチョウの種類、分布域、生態、食性、置かれている環境、今後の取り組みなどについて、南山大学の江田教授の資料等を参考に詳しい説明がありました。
 日本にはヒメギフチョウとギフチョウの2種類のギフチョウがいて、本州中央部で東と西に棲み分けている。ヒメギフチョウは、日本以外にもロシアや朝鮮にも分布しているが、ギフチョウは日本だけに生育している。
 東海地方にはギフチョウが生息している。愛知県内では、尾張東部丘陵から豊田市にかけての地域と、岡崎から新城にかけての地域の二つの分布域に分けられる。生息地によって個体差があり、また食草が異なる。前者はスズカカンアオイを、後者はヒメカンアオイを食草としている。これらのカンアオイは毒素を持っていて、スズカカンアオイがヒメカンアオイよりも毒素が強い。ヒメカンアオイを食草としているギフチョウをスズカカンアオイの地域に持ってきても生存が困難である。
 ギフチョウは「春の女神」と言われ、またオオムラサキとともに「里山のシンボル」とも言われている。
 ギフチョウは、3月までは蛹で過ごし、4月になって成虫になり、スズカカンアオイの立ち上がっている新しい葉の裏側に8〜12個産卵する。時間が経つとスズカカンアオイの葉は水平に展開し伸長すると、卵は隠れた状態になり敵から身を守れる。1週間でふ化したあと幼虫は集団で過ごし、4回脱皮を繰り返し蛹になり冬を越す。蛹を見つけることは非常に困難である。
 ギフチョウは環境省のレッドデータブックに掲載されている絶滅危惧種である。愛知県では宅地造成による都市化、工業団地の進出、農薬散布などにより生育環境が悪化し激減している。海上の森での調査では、2001217頭、200285頭、200350頭、愛知万博後の2006年には3頭であった。愛知万博による開発は予定より狭まったがギフチョウの生息地は破壊された。また、人間が里山を必要としなくなったため、そこに適応していたギフチョウは住めなくなった。その結果20151頭、20160頭であった。
 成虫は、コバノミツバツツジ、スミレ、サクラなどの花を吸蜜する。
 猿投の森では現在生息が確認されていないが、食草であるスズカカンアオイが多数生育しており、コバノミツバツツジなど吸蜜源も豊富である。ギフチョウを呼び戻すためには下草刈りや間伐等により食草や吸蜜源が保存できる環境保全が必要である。ギフチョウの移動範囲はおおよそ1.5kmである。スズカカンアオイの生育を調査し地図にプロットするのもよい。
 今後の活動について活発な意見交換がされました。女性会員からは、今後もギフチョウの調査活動に参加したいという力強い発言がありました。ギフチョウの生態について色々と知ることができ大変勉強になりました。ありがとうございました。
 

 産卵中のギフチョウ
 ギフチョウ

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次回予定 12月6日(火)  1:30〜3:30  

テーマ:瀬戸の植生と森づくり

講 師:北岡 明彦 様

 豊田市役所 産業部森林課在職

場 所:尾張旭市 新池交流館ふらっと

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